アゲラタムは、夏から秋にかけて花壇をカーペット状に彩るキク科の植物です。耐暑性に優れた強健な性質から、園芸初心者にも育てやすい草花といえるでしょう。矮性種は花壇の縁取りに適し、草丈の高い品種は切り花やアレンジメントとして利用されています。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 非耐寒性多年草(一年草扱い) |
草丈 | 15~80cm |
花の色 | 白、ピンク、青、紫 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
アゲラタムは多年草ですが、寒さに弱いため一年草扱いとされています。種からの発芽率は高く、糸のような細い花弁が特徴で、最盛期には葉が見えなくなるほどにぎっしりと花を付けます。
アゲラタムの名称は、ギリシャ語で不老を意味する「ageratos」が語源です。これは、アゲラタムの開花期間がとても長く、丈夫で花が色褪せない様子を表しています。また和名のカッコウアザミは、葉の形が漢方薬になるカッコウ(霍香)に類似していることと、花がアザミに似ていることに由来します。
アゲラタムの品種のなかでも草丈が高く、茎がまっすぐに立ち上がります。切り花に使ったり、ボーダーガーデンの後方に配置するとよいでしょう。
種ではなく、挿し木で更新する栄養素系タイプのアゲラタムです。大きく豪華な花弁が特徴的で、従来の品種よりも耐雨性、耐寒性に優れた強健種です。
草丈15cmほどの矮性タイプのアゲラタムです。コンパクトにこんもりとまとまる姿は、地植えでも鉢植えでも楽しめます。同タイプには白花のアロハホワイトもあります。
植え付け時期 | 4~7月 |
種まきの時期 | 4~6月中旬 |
追肥の時期(様子を見ながら) | 5~7月・9月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5~11月 |
アゲラタムの栽培に適した時期は、春~晩秋までのたいへん長い期間です。種まきから1週間後には発芽してぐんぐん成長します。初夏から楽しみたい場合は4月頃に種まきし、晩秋まで咲かせたい場合は6月中にまき終えるとよいでしょう。
アゲラタムは地植え鉢植えどちらでも楽しめます。本来は耐寒性の弱い多年草ですが、冬場に室内に取り込むなどの管理をするよりは、発芽率がよいので春に種をまいたほうが生育もよく栽培も簡単です。
日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。蒸れの原因となる多湿を嫌うので、鉢植えの場合は、雨の当たらない場所に移動するとよいでしょう。生育には10℃以上の気温を必要とします。
アゲラタムは土を選ばず、やせた土でも育ちます。植え付けの際の用土は、市販されている一般的な草花用培養土、もしくは腐葉土3、赤玉土7の配合土を使うとよいでしょう。
アゲラタムの栽培では、過湿にならないように気をつけましょう。地植えの際は植え付け時に与えるのみで、しおれるなどの乾燥状態にならなければ水やりは必要ありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥したら鉢底から流れ出るぐらいに与えましょう。
基本的に、アゲラタムは肥料を必要としません。多肥は葉ばかりが茂り、株が丈夫に育たなくなる原因になります。下葉が黄変するような場合のみ、様子を見ながら少しずつ液肥を与えましょう。液肥は1000倍ほどに薄めてください。
害虫は生育期にアブラムシ、ヨトウムシ、コナジラミ類がつくことがあります。また、夏の乾燥期にはハダニが発生することもあるでしょう。ヨトウムシとコナジラミにはアクテリック乳剤、アブラムシにはオレート液剤、ハダニにはカダンVスプレーなどが効果的です。
梅雨時に灰色カビ病が発生する場合があります。対策として株の混みすぎを避け、風通しよく管理しましょう。基本的には病気に強い植物です。
花後は、ほかの植物と同様に花がらを処理します。アゲラタムの場合は、終わった花を一つずつ摘み取るのではなく、切り戻しという形で株全体を刈り込むと、2度目の開花を楽しめます。
アゲラタムの種まきの時期は4~6月です。好光性なので覆土の必要はありません。発芽までは半日陰で土が乾かないように管理し、発芽したら日光に当てましょう。発芽に必要な気温は20~25℃です。
ポット苗は春から店頭に並びます。苗を選ぶときは、徒長していないこんもりとひきしまったものを選ぶとよいでしょう。葉が密に茂り、つぼみのたくさんついているものがおすすめです。アブラムシがついていないかも確認しましょう。
剪定の時期は花後になります。全体の半分ぐらいの大きさに切り戻すとよいでしょう。切り戻すことによって密植が避けられ、通気がよくなると2度目に咲く花の数も増えます。徒長を避けるためにも必ず切り戻してください。
アゲラタムの増やし方は種まきが一般的ですが、挿し木で増やすことも可能です。半日陰で勢いのある若い茎を挿し木にすると、簡単に発根させられます。挿し木に必要な気温は15℃前後です。
出典:写真AC