アゲラタムとは
アゲラタムの和名はカッコウアザミです。葉が漢方薬のカッコウの原料になるカクミドリ、花がアザミに似ていることより名づけられました。しかし、和名で呼ばれることが減り、アゲラタムの名前で知られています。これらの名前のほか、アゲラータムともいわれます。
アゲラタムの基本情報
学名 | ageratum |
科・属名 | キク科・アゲラタム属 |
草丈 | 15~80cm |
原産地 | 熱帯アメリカ |
開花期 | 5~11月 |
耐寒性 | なし |
耐暑性 | あり |
アゲラタムは、本来は多年草です。しかし、寒さに弱く冬には枯れてしまうため、日本では1年草として扱われています。アゲラタムは、中南米の暑い地域が原産で、日本の暑さや日光に強く真夏でも多くの花が咲きます。
アゲラタムの名前のいわれ
アゲラタムは、花が春の5月から霜の降りる11月までと長い間楽しめます。しかも、花色があせにくい特徴もあり、ギリシャ語の不老や古びないことを意味する「アゲラトス」より「アゲラタム」と名づけられました。学名のageratumは世界共通ですが、スペルの読み方に違いより、アゲラタムやアゲラータムといわれます。
アゲラタムの系統
系統名 | 和名 | 特徴 |
コニゾイデス | カッコウアザミ | 草丈は30~60cm。花壇の後方や切り花用として栽培されている |
ホウストニアヌム | オオカッコウアザミ | 草丈は15~60cm。園芸品種が多数あり。草や花が大きめ |
栽培されているアゲラタムには、系統が2つあります。お店で見かけるアゲラタムは、ほとんど園芸用のホウストニアヌム系です。品種改良が進められ、アゲタラムの種類や系統は同じでもさまざまな姿の花があります。
アゲラタムの種類
アゲラタムは、草丈の長さで3つの種類に分類されます。種類によらず、青や水色の寒色系からピンクや白・ムラサキなどかわいらしい色まで、幅広い花色があります。
種類①長い草丈の高性種
アゲラタムの高性種は草丈が50~80cmにもなり、花壇や鉢に植えるには長すぎるため、切り花用として栽培されています。涼しげな色で他の花を引き立たせる花として、花束やフラワーアレンジメントに使われます。高性種は、他の種類に比べ葉と草丈が大きめですが、花の大きさは変わりません。
種類②短い草丈の矮性種
アゲラタムの矮性種は、15~20cmと寄せ植えや花壇の前面に使いやすい草丈です。園芸店などで売られている苗は、ほとんどこの種類です。矮性種は、低い位置でもこんもりとたくさんの花をつけ、見た目のボリュームがあります。涼しげな色で、夏によく植えられる花との相性もよいです。
種類③中間の草丈の中高生種
アゲラタムの中高性種は、長さが20~50cmと高性種と矮性種の間の草丈です。花壇の後方に地植えしたり、切り花用として栽培されています。アゲラタムは、ふわふわした花をまとまって咲かせ、1つの花は小さいながらも、他の花に負けない独特の雰囲気があります。
アゲラタムの特徴
アゲラタムの特徴は、初心者でも扱いやすい花の強さと上級者でも使いやすい種類の豊富さがあげられます。
特徴①花期が長い
アゲラタムのよく知られている特徴は、春の5月から秋の11月までと花期が長いことです。また、咲いた花は色あせにくいため、枯れた花を摘む作業が少なくてすみます。真夏でも花は枯れませんが、花つきが悪くなります。
特徴②植える場所や花色を選べる
アゲラタムの特徴として、草丈や花色のバリエーションが多いことも挙げられます。草丈の長さが15~80cmと幅広く揃っており、植木鉢から花壇の後方まで植える場所を選択できます。また、花色が青や紫といった寒色系だけでなくピンクや白もあり、庭のイメージや他の花とのバランスを考えながら、どのアゲラタムを植えるか選ぶ楽しさもあるでしょう。
特徴③病気や虫の害が少ない
アゲラタムは、害虫や病気の予防のために散薬する必要がありません。生育環境を整えるだけで、病気や害虫の心配をしなくてもよいのです。アゲラタムは、原産地の中南米や暖かい沖縄では自生できるほど、強い花として知られています。ただし、株が蒸れると灰色かび病が起きやすくなり、乾燥状態が続くとハダニがつくことがあるため、これらには注意してください。
アゲラタムの花言葉
諸説ありますが、トルコで花には神からのメッセージが込められていると考えられ、花の雰囲気や色・形に合わせて与えられたのが花言葉の起源といわれています。アゲラタムの花言葉には、どのようなものがあるのでしょうか。
花言葉①信頼
アゲラタムの病気に強く花が色あせにくいことより、この花言葉がつけられました。育てるときに気にかけることが少なく、きれいな色を長く保つ特徴を持つアゲラタムは、信頼の花言葉にふさわしい花です。
花言葉②安楽
安楽とは、心身の苦痛や生活の苦労がなく、楽々としているさまという意味があります。アゲラタムの病気や害虫で苦しむことがなく、花を多くつける姿からは安楽を感じさせるでしょう。安楽を得ることは、幸せを得ることと同じと考えられ、幸せを得るという花言葉もつけられました。
花言葉③永久の美
花期が5~11月までと長く、花色も長く保っている特徴より、この花言葉がつけられました。美しい花を長く咲かせるアゲラタムからは、永久の美を連想できるでしょう。このように、よいイメージの花言葉を多く持つアゲラタムは、贈り物にすると喜ばれる花でもあります。
出典:写真AC