ヒガンバナは、秋の彼岸に花を咲かせるのが特徴で、日本全国の田んぼや道端に自生している多年草です。まっすぐ伸びた茎に真っ赤な花を咲かせるイメージが強いですが、黄色や白色の花を咲かせる園芸品種もあります。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 20cm〜50cm |
花の色 | 赤、白、黄 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 落葉性、球根植物、初心者向け |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ヒガンバナは「彼岸花」という名前のとおり、秋の彼岸に花を咲かせる植物です。花弁が反りかえっているのが特徴で、成長すると約50cmの高さになります。開花時期になると葉が全てなくなるため、花色の美しさが際立つような咲き姿が魅力です。球根部分に毒を含んでおり、小さな子どもがいたり、ペットを飼っていたりする場合は球根の取り扱いに注意しましょう。
黄花ヒガンバナは「鐘馗水仙(ショウキズイセン)」とも呼ばれ、鮮やかな黄色の花を咲かせます。開花時期は8月下旬〜9月上旬で、ヒガンバナの品種の中でもやや短いのが特徴です。
白花ヒガンバナは「白花曼珠沙華(シロバナマンジュシャゲ)」とも呼ばれている品種です。真っ白な花を咲かせる品種以外にも、白色に少しピンクがかった「チェリーピンク」や「アルビピンク」という園芸品種も人気があります。
植え付け時期 | 6月〜7月 |
植え替えの時期 | 6月〜7月 |
肥料の時期 | 6月〜7月 |
剪定の時期 | 10月〜11月 |
花が咲く時期/開花時期 | 7月〜10月 |
ヒガンバナは地植えでも鉢植えでも育てられます。自然に分球して増えていく性質があるため、地植えにする場合は球根3個分ほど間隔をあけて植え付けましょう。上手に発芽させるには、10cmほどの深さに球根を植え付けるのがポイントです。プランターや鉢植えにする場合は、10cm〜15cmほど間隔をあけて植え付けてください。
ヒガンバナは、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。半日陰でも育てられますが、日光が全く当たらないと花付きが悪くなります。多湿を嫌うため、地植えにする場合は土を盛って高植えにして、水はけのよい環境を整えるのがポイントです。
ヒガンバナは、とくに土質を選ばずに育てられます。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用してください。市販されている「草花用培養土」や「山野草用培養土」を使用しても構いません。地植えにする場所があまりにも粘土質な場合は、腐葉土をよく混ぜ込んでから植え付けると安心です。
地植えでヒガンバナを育てている場合は、降雨のみで十分なので水やりの必要はありません。多湿が苦手なため、やや乾燥気味に管理するのがポイントです。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥して、数日たってから水やりをします。鉢底に溜まった水はすぐに捨てて、土が湿った状態が長く続かないようにしましょう。
ヒガンバナは比較的丈夫な植物で、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、大株に育てたい場合や、成長が滞っているようならば、6月〜7月にかけて「カリ」と「リン酸」を多く含んでいる肥料を与えてください。植え付けの用土に、元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。
ヒガンバナは「リコリン」や「ガラタミン」という有毒成分を含んでいます。その特性を利用して、モグラやネズミなどの被害を防ぐように、畑や田んぼ周りに植えられてきた歴史があります。有毒成分が含まれているため害虫被害も受けにくく、とくに害虫対策の必要はありません。
軟腐病(なんぷびょう)は、細菌の繁殖が原因で発生する病気です。名前のとおり感染した部分が腐ってやわらかくなり、悪臭を放つようになります。また、茎の内部に細菌が繁殖すると、栄養分の通り道が塞がれてしまい、茎の先端部分から枯れてくるのが特徴です。感染した部分は薬剤を散布しても治せないので、早めに切り取って処分してください。
花後に花がらを放置するとカビが発生しやすくなります。花が終わったら、こまめに花がら摘みを行いながら育てましょう。
ヒガンバナは、球根の状態で売られている場合がほとんどです。球根は、丸みをおびてふっくらとした大きめの球根を選びましょう。虫に食われていないかしっかりと確認し、軽く叩いてみて適度な硬さのある球根がおすすめです。
ポット苗の状態でヒガンバナを購入する場合は、葉が黄色く変色していたり、病害虫被害を受けたりしていない苗を選びます。
ヒガンバナの剪定は10月〜11月に行います。ヒガンバナの花が咲き終わってから剪定するのがポイントです。こまめに花茎から剪定しながら育てると、開花を促す効果も期待できます。
ヒガンバナは、6月〜7月にかけて分球で増やしていきます。葉が黄色く変色してから球根を掘り出し、親球についている子球を切り離してください。球根を植える適期も6月〜7月のため、分球したらすぐに新しい用土に植え付けましょう。水はけがよくなるように、盛り土をしてから球根を植え付けてください。