リコリスとは
リコリスはヒガンバナ科ヒガンバナ属(リコリス属)の総称です。主に日本や中国に分布しています。種類が豊富で、品種によって色や形も様々です。定番の彼岸花の赤をはじめとして、白、黄、オレンジ、ピンク、紫と色彩豊かです。
リコリスの特徴
リコリスと彼岸花の違いは?
前述したように、リコリスはヒガンバナ科ヒガンバナ属(リコリス属)の総称です。そのため、リコリスと彼岸花は同じものとして表記されることもあります。しかし、リコリスといえば全てが彼岸花ではなく、品種のひとつです。
葉見ず花見ず
彼岸花の葉を見たことはありますか。通常、植物は葉を茂らせて蕾をつけ、開花するものが多いです。しかし、リコリスは開花しているときに葉は見られず、葉がついてるときには花が見られないという特徴があります。そのため、葉見ず花見ずという別名も存在します。
秋出葉と春出葉がある
葉見ず花見ずのリコリスですが、葉の出る時期は品種によって違います。秋に花が咲いたあと葉が出るものと、翌春に葉が出るものがあります。
品種によって花が咲く時期が違う
リコリスは種類が多いため、開花時期も幅広いです。早い時期の7月に咲くものから、10月に咲くものまであります。彼岸花はお彼岸の時期にみられますよね。ただし、花が咲いている期間は短く1週間程度のものが多いです。
種子ができない品種がある
リコリスの中には種子ができない品種があります。彼岸花がそうです。日本の彼岸花の多くは三倍体植物のため、減数分裂ができにくく種子ができません。同じ彼岸花でも中国のものは、ほぼ二倍体植物なのでそちらは種子ができます。稀に日本でも種子ができる彼岸花がありますが、二倍体のものでしょう。
リコリスの花言葉
リコリスは多くの花言葉を持ち、また色別にもわけられています。
- 白:「思うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」
- 黄色:「追想」「深い思いやりの心」「陽気」「悲しい思い出」
- ピンク:「思いやり」「快楽」「辛く切ない痛み」
別れを連想させるような、切なさを漂わせるどこか意味深な花言葉が多いですね。ちなみに定番の赤は「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」などがあります。
リコリスの種類
白や黄色い彼岸花を見かけて不思議に思ったことはないでしょうか。花の色は基本の赤に、黄、オレンジ、紫、白、ピンクと数多くあります。また、よく似た外観のものから、全く違うものまであり、種類ごとに開花時期なども異なってなかなか興味深いものです。近縁の仲間には綺麗なだけではなく、ユニークな花を咲かせる品種もあります。
ラジアータ
リコリスの中で最も有名な花、彼岸花のことです。9〜10月のお彼岸の時期に道端や土手に赤い花を咲かせます。学名はLycoris radiata(リコリス・ラジアータ)といい、別名では曼珠沙華(まんじゅしゃげ)と呼ばれます。この他にも彼岸花は別名が多く、例えば地獄花、幽霊花、毒花など、ほぼ不吉なイメージのものです。彼岸花という名前と、墓地に咲いてるイメージのせいか、世間の印象はあまりよくありません。
彼岸花は毒があって怖い花?
彼岸花には毒があり、触ったら危険だと誤解してる方もいるのではないでしょうか。たしかに毒はありますが、食べなければ大丈夫です。リコリンという有毒アルカロイドを含んでいます。特に球根の毒性が強く、土葬だったその昔、遺体を小動物に荒らされないために墓地に彼岸花を植えて、墓を守っていました。
オーレア
オーレアは学名でLycoris aurea(リコリス・オーレア)といい、鍾馗蘭(ショウキラン)、鍾馗水仙(ショウキズイセン)とも呼ばれます。オレンジがかった黄色の花を咲かせる品種で、花も葉も大きく育つ華やかな品種です。その花の色をあらわすように、aureaとは「金色の」という意味をもちます。
スプレンゲリー
紫がかったピンクに青いグラデーションが美しいこちらはスプレンゲリーです。学名はLycoris sprengeri(リコリス・スプレンゲリー)、別名を紫狐の剃刀(ムラサキキツネノカミソリ)といいます。開花時期は彼岸花よりも少し早く、8〜9月辺りに花が見られます。
ボタニ子
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