モミジバフウはカエデによく似た葉をした高木です。春の新緑から秋の紅葉まで葉が色を変える姿が美しく、手入れも容易なためシンボルツリーとしても人気があります。
園芸部類 | 高木 |
形態 | 落葉高木、落葉広葉 |
樹高・草丈 | 15m~50m |
花の色 | ライトグリーン |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | シンボルツリー、街路樹、公園や動物園の景観樹 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
モミジバフウの葉はカエデに似た15cm~20cmほどの大きさです。秋になると紅葉し、落葉します。木全体に独特の香りがありますが、この香りは甘い香りの精油に加工されます。多湿を好み、原産国のアメリカでは水害の多い場所に植えられた歴史があります。
「モミジバフウ」の名前の由来は葉の形がモミジ(カエデ)に似ていることから来ています。「フウ」は、モミジバフウによく似た植物の「タイワンフウ」のことを指し、「モミジと葉の形が似ているフウ」に由来します。
ナリーは、葉が黄色い品種です。春の新芽の頃から黄色い葉が楽しめます。モミジバフウと同様に丈夫で育てやすく、秋には紅葉します。
斑入りのモミジバフウです。緑の葉に黄色い斑が入っています。秋になると覆輪(ふくりん)の部分を残して紅葉します。モミジバフウと同様に丈夫で栽培しやすいのも特徴です。
普通のモミジバフウよりは成長が遅いですが、樹勢が強い品種です。葉の形が丸みを帯びているのが特徴です。
植え付け時期 | 11月~12月、2月~3月 |
肥料の時期 | 12月~2月(鉢植えは6月~10月) |
成長の時期 | 7月~9月 |
剪定の時期 | 12月~2月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月頃 |
モミジバフウの植え付けの時期は、落葉期である冬の間です。厳寒期を避けて植え付けますが、特に寒冷地の場合は寒さが来る前か、過ぎた後の3月下旬頃がおすすめです。土が凍るような時期に植え付けると、植え付けの作業が困難になり、苗の根も傷んでしまうので避けましょう。
モミジバフウは庭植えで普通に育てると20mほどに育つ高木ですが、鉢植えでも育てられます。自分の好みの大きさに仕立てられるのもモミジバフウの魅力です。特に庭植えで大きく育てたい場合は広い場所を確保してください。
モミジバフウは、日当たりと風通しがよい場所で管理しましょう。多少の日当たりの悪さでは枯れませんが成長が悪くなるので、完全な日陰は避けます。
モミジバフウは用土を選びません。庭植えの場合は水はけをよくするために植える場所の土に腐葉土を混ぜましょう。
地植えの場合は、植え付けてから2年間は乾燥しない程度に水やりをします。その後は特に必要ありません。鉢植えの場合は春と秋は1日1回、夏は朝晩2回、冬は3日に1回程度水やりしましょう。
若木の間のみ、12月~2月に寒肥として有機肥料を与えます。株がしっかりしてきたら必要ありません。鉢植えの場合は6月~10月に、液肥を1カ月に1回与えましょう。
6月~9月頃、モミジバフウにアカシロヒトリが発生することがあります。幼虫が葉を食害するので見つけしだい駆除しましょう。ほかにも毛虫が食害をすることがあるため、虫のまゆや卵をみつけたらその都度駆除してください。薬剤散布でも防げます。
モミジバフウは、樹脂胴枯病にかかることがあります。幹や枝に陥没している部分があったり、樹液が大量に流れ出たりしているのをみつけたらこの病気の疑いがあります。放っておくと枝や幹が枯れるため、病気の部分を切除して殺菌剤を塗りましょう。
モミジバフウは4月に種まきをします。育苗ポットや小さな鉢へ種をまき、発芽するまで乾燥しないように管理します。大きくなったら庭や一回り大きな鉢植えに植え付けましょう。
モミジバフウの苗木を選ぶときは枝葉に傷や折れ、変色がないものを選びましょう。特に枝や幹に穴があいているものは、内部に虫が侵入している可能性があるので避けましょう。中には半年~1年程度の枯れ保証(通常の管理をしていても苗木が枯れてしまった場合、無償で交換が可能)がついている商品もあります。
鉢植えに仕立てた場合は、2年~3年で植え替えましょう。大きさをそのままにしたい場合は、鉢の大きさを変えずに土だけを入れ替えてください。古い土は栄養が失われている場合があるので、土を入れ替えることによって、土に含まれる栄養のバランスを整えられます。
モミジバフウの剪定は休眠期である冬に行いますが、基本的に何もしなくても問題ありません。木を大きくしたくない場合は剪定して木を小さく整えましょう。のこぎりで太い枝を切ってもまた新芽が生えてきます。
地植えの場合は特に問題ありませんが、鉢植えで普段室内に入れている場合は冬の寒さに当てるために屋外か、それに近い環境で冬越ししましょう。
モミジバフウは種まきで増やします。育苗ポットや小さめの植木鉢などに種をまき、発芽するまで乾燥しないように管理してください。大きくなったら庭や大きめの植木鉢に定植します。