モミジバフウとは
モミジバフウはうつくしい新緑や紅葉、特徴的な実と季節ごとに楽しみのある樹木です。モミジバフウは育て方も簡単で剪定などの管理もほぼいりません。原産地のアメリカでは水害の多い地域に植えられることもありますが、日本ではほぼ全国で植栽されています。どのような樹木なのか、育て方や花言葉をご紹介します。
モミジバフウの特徴
名称 | アメリカフウ(アメリカ楓) |
和名 | モミジバフウ(紅葉葉楓) |
学名 | Liquidambar styraciflua |
分類 | マンサク科フウ属(落葉高木) |
原産地 | 北米〜中南米 |
樹高 | 25m〜40m |
用途(樹木) | 公園・街路・動物園など |
用途(実) | オーナメント・稚エビのすみかなど |
「モミジバフウ」は日本で一般的に呼ばれている名前で「アメリカフウ」が正式な名称です。葉がモミジに似ているため「紅葉葉(モミジバ)」の「楓(フウ)」と呼ばれるようになりました。日本へは大正〜昭和のはじめにアメリカ庭園協会から贈られ、管理も簡単だったことから日本中に広まっていったのです。
モミジバフウの幹・枝
幹
モミジバフウの幹の樹皮は縦にひび割れ、樹齢が上がるほど深く割れます。「ソゴウ香(コウ)」という香料になる樹脂が取れます。
枝
モミジバフウの2年目以降の若い枝には、珍しいコルク質の薄い板状の翼(ヨク)が付きます。上の写真はモミジバフウと同じように翼が付く錦木の枝です。自然樹形で楽しめますが、強剪定にも耐えられます。
モミジバフウの葉
モミジバフウの葉は枝に対して交互につく互生(ごせい)です。新緑の季節の葉には光沢があり、紅葉葉(モミジバ)のような切れ込みが入ります。切れ込みは5〜7裂で、葉の周りは細かくギザギザに切れています。また、葉をちぎると漂う独特の香りは苦手な人もいるでしょう。紅葉の色は緑、橙、赤、赤紫のグラデーションで変化します。
モミジバフウの冬芽・葉痕
モミジバフウの冬芽は先端が少し尖った卵型、やや赤みがかった茶色でツヤがあります。落葉した後の葉痕は半円形で維管束痕が3箇所あり、かわいらしい顔のように見えます。
モミジバフウの花
モミジバフウは雌雄同株で、4月ごろに開花します。上の写真は開花した状態です。球状のものが上部にまとまって付いているものが雄花です。雄花序(花のまとまり)の長さは5cm〜8cmくらいで、下向きに1つだけ付いている球状のものが雌花です。雌花はそのまま垂れ下がった状態で果実になります。
モミジバフウの実
モミジバフウは雌しべの部分がそのまま果実になります。硬く、太いトゲのようなものが周りを覆っています。種子には翼があり、穴から風によって散布されるのです。茶色くなった後、落下しますが、落葉後も枝に残る実も多くあります。
モミジバフウの匂い
モミジバフウの分類されるフウ属の学名「リキッドアンバー(Liquidambar)」は「琥珀色をした液体」という意味です。モミジバフウの持つ独特の香りが由来です。樹脂はネイティヴアメリカンも利用したといわれています。モミジバフウの枝は、香料や古くは薬に使用され、アメリカ原産のモミジバフウ(アメリカ楓)の樹脂から製造さた精油は「アメリカンスタイラックス」と呼ばれています。