園芸部類 | 草花、ハーブ |
形態 | 一年草 |
樹高・草丈 | 20cm~300cm |
花の色 | 赤、黄、オレンジ、複色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | つる性、香りがある、開花期が長い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
キンレンカは初夏から秋にかけて黄色、オレンジ、赤と暖色系の花を咲かせます。花の形は一重と八重で、草丈は低いものから高いものまであり、品種が豊富です。近年は健康食材のハーブとして利用されています。また、コンパニオンプランツとしても優秀です。独特の香りでコナジラミやアブラムシが付くのを防ぎます。
キンレンカの原産地は南米のペルーとコロンビアで、日本に渡来したのは江戸時代です。約80種類あり、園芸種として栽培されているキンレンカの多くは「ヒメキンレンカ」との交雑品種です。ヒメキンレンカは、つるが短めになるように品種改良されています。
キンレンカの花、葉、果実、種子は、ハーブとして利用されます。味は辛くクレソンに似ているため、サラダや肉料理の付け合せにぴったりです。美容に効果的なビタミンCやミネラルが豊富に含まれています。
ホワリーバード・シリーズの特徴は花弁にフリルがあり、距(きょ)がないところです。花色はクリーム色、黄色、オレンジ色、赤があります。班が入っているものもあるなど、バリエーションが豊富です。
ジュエルシリーズの特徴は、距があるところです。花弁は一重と八重があり、花色も豊富です。アタリヤ・ジュエルのように、秋まきの品種もあります。
植え付け時期 | 3月~5月 |
植え替え時期 | 3月~5月 |
種まきの時期 | 3月下旬~4月中旬、9月 |
剪定の時期 | 7月中旬~下旬 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月~7月、9月~11月 |
春まきは、種をまいてから2ヶ月ほどで開花します。一方、秋まきは冬を越し育苗期間が長い分、株が丈夫に育つため、春には開花します。秋まきの場合、霜や寒風で凍らず5℃以上の環境であれば屋外でも育ちますが、室内で育てた方が無難です。庭植えは、春まきがよいでしょう。
キンレンカの根は、地中深くまっすぐに伸びます。太い根が傷つくと根付かなくなるため、植え付けるときは根を傷つけないように注意しましょう。
苗が入っていた鉢よりも、一回り多きサイズの鉢を用意します。鉢底にネットを張り鉢底石を敷いたら、肥料を混ぜた用土を入れ苗を植え付けましょう。
庭植えは土を耕したら、苗を植え付けをします。キンレンカは横に広がりながら成長するため、複数の苗を植え付ける場合は20cm~30cmの間隔を空けましょう。
キンレンカは、日当たりと風通しのよい場所を好みます。暑さに弱いので、夏場は半日陰に移動するか遮光ネットなどを使って直射日光が当たらないように工夫しましょう。また、キンレンカは一年草のため晩秋で寿命がつき枯れますが、秋まきで育てた苗は冬越しします。寒さに弱いため、室内の日当たりのよい場所で管理しましょう。
キンレンカは、水はけのよい土を好みます。市販の培養土は、ハーブ用か草花用を用意しましょう。配合するなら、赤玉土(小粒)5:ピートモス3:軽石2を混ぜ合わせます。
鉢植えのキンレンカには、土の表面が乾いたら水やりをします。庭植えは根付いたら降雨で十分なため、水やリは不要です。キンレンカは過湿が苦手なため、水を与え過ぎると徒長して花つきが悪くなり、根腐れを起こすので注意しましょう。
植え付け時に、元肥として緩効性肥料を土に混ぜておきます。鉢植えは追肥として6月~7月と9月~10月に、2週間に1回液体肥料を施しましょう。ただしキンレンカは肥料を与え過ぎると、花つきが悪くなるため注意が必要です。庭植えは、追肥をしなくても育ちます。
キンレンカは、「ハダニ」「ハモグリバエ」「ナメクジ」に気をつけましょう。ハダニがたくさん発生したら、薬剤を散布し駆除します。ハダニは、湿気が苦手なため葉と株のまわりに霧吹きで水を吹きかけ予防しましょう。ハモグリバエは葉内に幼虫やさなぎがいるので、見つけたら指でつぶすか、葉ごと除去します。ナメクジは見つけ次第、捕殺しましょう。
キンレンカは、初夏の高温多湿時期に発生する「立枯れ病」に注意が必要です。通気性が悪いと病気にかかります。予防として、こまめに剪定し、風通しをよくしましょう。
花後は花がら摘みをします。病気や害虫を引き寄せる原因となるため、枯れた花は花首から切り落としましょう。
キンレンカは15℃~20℃で発芽するため、3月中旬~4月が種まきの適期です。硬い種は、一晩水に浸けておくと発芽しやすくなります。育てて収穫した種は、薄皮がついているので剥がしましょう。
苗は、葉の色がいきいきとしたものを選びます。徒長していないか、虫がついていないかも確認しましょう。
キンレンカが発芽したら、よく日光に当てます。乾燥を好むため水やりは控え、土の表面が乾いたら与えましょう。直まきは、本葉が2枚~3枚になったら、間引いて1本にします。間引くときは、苗を抜かずにハサミを使って地際で切りましょう。
梅雨が明ける7月中旬~下旬に切り戻しをすると、キンレンカは秋に再び開花します。思い切って、草丈を1/2~1/3の高さに切りましょう。
本葉が4枚~6枚に成長したら、頂点にある芽を手で摘み取ります。若いうちに摘心をすることで、脇芽が成長し茎数の多い株になります。また秋に再び花を咲かせるためには、夏の休眠期に入る前に花がらを摘みましょう。
キンレンカは耐暑性が弱い植物です。真夏は直射日光を避けるため、遮光ネットなどを利用します。鉢植えは、明るめの半日陰の場所に移動しましょう。
挿し木は6月頃に行います。