シペラスは湿地や水辺に生息する湿地性または抽水性の水生植物で、パピルスもそのひとつです。分布範囲がとても広く、日本にもカヤツリグサが自生しています。シペラスは種類が多く小型の30cmぐらいのものから、人の背丈を超えるような大型の種類まで豊富です。
園芸分類 | 水生植物(湿地性または抽水性) |
形態 | 常緑性多年草 |
樹高・草丈 | 30cm〜2.5m |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 育てやすい |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
シペラスの茎は筒状で先端に付いているのは、苞と呼ばれる葉が変化したものです。個性的な花のようにも見える苞が特徴で、小さくても存在感があります。ベランダの睡蓮鉢や池・ビオトープにおすすめの、初心者のかたにも育てやすい水生植物です。
水生植物「パピルス」
参考価格: 12,731円
古代の紙の原料「パピルス」はシペラスの一種で、抽水性の水生植物です。草丈は1.5〜2.5mと大型で、水位を株元まで水につけて育てます。個性的な姿が特徴ですが冬は室内で管理するため、大型のパピルスは栽培難易度が高くなりますね。
おすすめ度 | ★★☆ |
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サイズ | 10号ポット(直径30cm) |
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(ビオトープ)水辺植物 ミニシペルス(1ポット) 湿性植物
参考価格: 790円
ミニシペラスやミニパピルスとも呼ばれますが、花のように見える苞がやや幅広い、シュロカヤツリの小型品種です。草丈は30〜90cmほどの睡蓮鉢にもおすすめな湿地性の水生植物です。シュロカヤツリは草丈90cm〜1.5mになります。
おすすめ度 | ★★★ |
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サイズ | 3号ポット(直径9cm) |
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(ビオトープ)水辺植物 シラサギカヤツリ(1ポット) 湿生植物
参考価格: 850円
シラサギカヤツリは白い花が咲いているように見えますが、鳥の羽に見立てているのは白い苞で、実際の花は中央のトゲトゲしたところです。草丈は30〜60cmと小型の湿地性の水生植物なので、水位は根の一部が水に浸かる程度にします。葉の縁が白い、斑入りの品種もあります。
おすすめ度 | ★★★ |
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サイズ | 3号ポット(直径9cm) |
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水生植物は5〜6月ごろから、ホームセンターや園芸店に苗が出回り始めます。育てる環境にあった大きさのシペラスを選びましょう。夏には花のように見える苞の中心から細い花茎を伸ばして、その先にコンペイトウに似たトゲのような花を咲かせます。(品種による)
シペラスの栽培適期は5〜10月です。日当たりと湿度を好む水生植物は、成長期には屋外で育てるのが基本です。シペラスは春から秋が成長期で、寒さには弱いため秋から冬は室内で休眠させます。冬越ししたい場合は、ある程度の湿度と温度を保って管理しましょう。
シペラスの栽培方法は鉢植え・庭植え・睡蓮鉢が可能です。もっとも管理しやすいのは鉢植えで、素焼き鉢に荒木田土でシペラスを植え付けます。鉢ごとビオトープや睡蓮鉢に入れて腰水程度の深さで管理します。シペラスだけを鉢で育てる場合は、深めの受け皿に水をためて管理します。水やりは上からで、受け皿の水もこまめに入れ替えましょう。
シペラスの栽培は庭植えも可能です。池の辺りなど湿度を保ちやすい場所で、半日ぐらい日が当たる場所が最適です。庭植えすると地下茎からよく増えて、大きくて見応えのある株になります。
小型のシペラスは睡蓮鉢での栽培もおすすめです。ミニパピルスは水位が株元よりも下になるように、高さを調整して植え付けるのがポイントです。立体感のあるビオトープに仕上がります。
シペラスを育てる場所は、成長期の春〜秋は屋外です。暖かく明るい場所で育てましょう。秋になって気温が下がってきたら、枯れた茎を整理して室内に移動します。最初は夜間だけ取り込んで、徐々に変化に慣らすのがポイントです。
シペラスを育てる場所は屋外で、半日以上日が当たる明るく暖かい場所が最適です。ただし真夏の高温期は水温が上昇すると水質が悪くなりやすいので、水の管理に気をつけましょう。睡蓮鉢をスタンドに乗せて風通しよく整え、よしずや遮光ネットで適度に日光を遮るのがおすすめです。
シペラスを育てる用土は、荒木田土や硬質赤玉土の中粒が最適です。スイレンと一緒に植え込む場合は、市販の「水生植物の土」がいいでしょう。用土はそのまま使うと水が濁るので、一度流水で細かい土を流してから植え付けます。
鉢植えのシペラスは小まめに水足しをして、水位を保つのがポイントです。スイレン鉢で育てる場合は、水の流れがないため真夏の高温期は水質が悪くなりがちです。特にメダカと一緒に育てる場合は、水替えは小まめに少量ずつ行うのがポイントです。早朝や日が沈んでからの涼しい時間帯に作業しましょう。
メダカなどの水生生物と一緒に育てているシペラスには、肥料は必要ありません。肥料過多になると株が軟弱になってしまいます。ビオトープや睡蓮鉢では水生生物の飼育に影響のない、専用の活力液や肥料を使いましょう。
シペラスの栽培で心配な病気は、特にありません。水生植物は水位と水質の管理が大切です。また株が混み合ってくると、病気や害虫の発生に気づきにくくなります。傷んだ葉は剪定して整えましょう。
シペラスの栽培で心配な害虫は、アブラムシとカイガラムシです。水生植物への薬剤散布は農薬選びが難しく、水生生物への影響もあるため推奨できません。害虫を見つけたら捕殺や剪定で駆除しましょう。
シペラスは病気や害虫が発生していない、葉の数が多く色が濃い苗を選びましょう。水生植物の中でも、病気や害虫に強く丈夫で育てやすい種類です。水生植物は水質管理など、苗の管理が行き届いた店で購入するのが理想的ですね。
水生植物はほぼ放任で育てられる水生植物ですが、葉が枯れたり傷んだりしたら剪定して整えます。普段は根の様子はわかりませんが、葉先が傷んできたら根詰まりの可能性もあります。時々よく観察して、変化に気づきましょう。
気温が20℃を下回ってきたら、シペラスの冬越しの準備を始めます。株元の傷んだ葉を整理して、夜は室内に取り込みます。水やりや水替えは休眠中は控えめに行うのがコツです。シペラスは常緑性で成長期ほどの日照時間はいりませんが、冬も昼間は日光の当たる場所に置きましょう。水が凍らない暖かい地域では、屋外での冬越しが可能です。
シペラスの植え替えは6〜7月が最適です。庭植えや鉢植えで株が混み合ってくると、生育が悪くなってしまうので、株分けもおすすめです。
シペラスの増やし方は株分けで、適した時期は6〜7月です。シペラスは地下茎で広がって増えるので、鉢がいっぱいになったら株分けします。
株分け以外には挿し木(挿し芽)でも増やせます。シペラスを挿し木にする時期は6〜7月です。
睡蓮鉢で寄せ植えする時の水位は?
水生植物はそれぞれに適した水位を保って育てることが大切です。水位が適切でないと、枯れたり弱ったりします。シペラスを浮葉性や浮遊性の水生植物と一緒に睡蓮鉢で育てるときのアイディアを紹介します。
水替えのペースは?
シペラスは水質浄化に優れた植物なので、水替えのペースは基本は週に1回です。1/3〜1/2程度を入れ替えるようにして、普段は水位が下がった分だけ水足しをします。他の水生生物や植物と一緒に育てている場合は、デリケートな生物を優先して水の管理をしましょう。
冬越し中の水やりの方法は?
土が凍らない温暖な地域であれば、葉が枯れることなくそのまま屋外での冬越しが可能です。水位を保って管理しましょう。寒くなる前に傷んだ葉を剪定してから、室内の明るい場所に移動します。鉢植えにして深めの受け皿や水を張った容器に入れて、湿度を保って管理します。時々水替えして、水質を維持しましょう。
コンペイトウのようなシペラスの花