シペラスとは
熱帯・温帯地方に分布するシペラスは約700種類以上あり、日本でも道端などで見かけることがあります。スラっと伸びた繊細な葉が特徴で、多くは雑草として扱われますが、一部は観賞用に流通し、涼しげな姿から観葉植物として人気があります。
シペラスの基本情報
学名 | Cyperus |
科名 | カヤツリグサ科 |
属名 | カヤツリグサ属 |
分布域 | 世界中の熱帯地方から温帯地方 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | やや弱い |
利用方法
シペラスは、観賞用以外にもさまざまな用途で利用されてきた植物です。中でも「パピルス紙」が有名で、古代エジプト時代から紙の原料として使われています。それ以外にも、南米では葦船の材料として使われたり、各地で笠やゴザなどの編み物の材料に使われたりしています。
シペラスの種類
シペラスには非常に多くの種類がありますが、その中で観賞用として流通している種類はそれほど多くありません。その中でも代表的な種類をご紹介していきます。
パピルス
カミガヤツリの別名でも呼ばれ、シペラスの代表的な種類です。アフリカ原産で、パピルス紙の原料として利用されています。高さ3m近くにもなるので、水やりや肥料の量をコントロールして大きくしすぎないように栽培すると室内でも楽しむことができます。
シュロガヤツリ
マダガスカル原産ですが、日本にも帰化していて、各地の水辺で見ることができます。放射状に延びる葉が特徴で、高さ1mほどに成長する中型種で、耐寒性が強く、西日本では周年屋外で育てることが可能です。最近ではコンパクトな矮性種や斑入りの種類も流通しています。
アルボストリアツス
高さ30cm程度にしかならない小型の種類です。シュロガヤツリをコンパクトにして葉を太くしたような姿をしています。耐寒性が非常に強く、霜が当たらない場所であれば冬も屋外で管理することができます。斑入りの個体は淡い色合いでより涼しげな雰囲気を持っています。
シラサギカヤツリ
別名「ユキボウズ」の名でよく流通し、その名前の通り白くて丸い花穂を付けます。高さ60cmほどに成長し、耐寒性はやや弱いので、冬の間は室内に取り込みましょう。地下茎で増えるので、長く育てていると群生するようになります。
シペラスの育て方
シペラスは水辺の植物ですが、一般的な観葉植物と変わらず鉢植えで育てることができます。こちらでは、シペラスの育て方の基本についてご紹介していきます。
育て方①置き場所
暗い室内でも葉を伸ばしますが、本来は明るい場所で育つ植物です。日当たりのよい軒下か、室内でも日当たりのよい場に置くようにしてください。冬の寒さは苦手ですので、暖かい室内に取り込むようにしてください。
育て方②水やり
水辺の植物ですので、乾かないように管理するイメージが強いかもしれません。しかし常に湿っていると本来の性質を発揮してグングンと成長してしまい、手に負えない大きさになってしまいます。そのため、土が乾いてから水やりをする程度のほうが管理がしやすくなります。
育て方③肥料
水やりと同じで、成長を抑えるために肥料は与えなくても大丈夫です。しかし、茎が倒れたり、色が悪かったりする場合は肥料不足ですので、市販の緩効性肥料を既定の量施してください。
育て方④病害虫対策
風通しが悪い場所におくと、軟弱に育ってしまいカイガラムシが発生しやすくなってしまいます。風通しのよい場所に置き、万が一カイガラムシが発生した場合は、市販の薬剤を散布して駆除しましょう。
まとめ
シペラスの種類や育て方についてご紹介してきました。シペラスは繊細な見た目に反して丈夫で育てやすい植物です。トロピカルな雰囲気の観葉植物が多い中で、涼しげな雰囲気のシペラスはお部屋のアクセントにもぴったりです。ぜひ育ててみてください。