ウツボカズラはひょうたんのような袋状の捕虫葉に液体を貯めて、落ちてきた虫を消化して栄養を補うの食虫植物です。ウツボカズラは葉の先に捕虫葉をつけるものをよく見かけますが、株元近くに捕虫葉を作るものもあります。オスとメスが異なる雌雄異株で、交配種が多く色や形の種類が豊富です。
園芸部類 | 食虫植物(落とし穴式)、観葉植物 |
形態 | 常緑性、つる性、多年草、熱帯植物 |
草丈(つるの長さ) | 10cm〜2m(10m以上) |
耐寒性 | とても弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 冬越しに注意 |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
ウツボカズラは見た目の面白さから、食虫植物の中でも特に人気があります。葉の先端から伸びた先に捕虫葉を形成し、ある程度成熟するとフタの部分から虫をおびき寄せるフェロモンを出します。エリとも呼ばれるつぼの縁から滑り落ちた虫を、消化液で分解して栄養を吸収するのが特徴です。
観葉植物/食虫植物:うつぼかずらアラータ4号吊鉢入り
参考価格: 2,098円
もっとも代表的なウツボカズラの種類がアラタ(アラータ)です。ひょうたんのような細長い捕虫葉が特徴で、赤や緑など捕虫葉の色は個体差があります。
おすすめ度 | ★★☆ |
---|
サイズ | 4号(直径12cm)吊り鉢 |
---|
食虫植物 ネペンテス アンプラリア斑点 4号鉢 吊り具無料サービス付き
参考価格: 4,000円
グランドピッチャーとも呼ばれる、株元に捕虫葉を作るのがアンプラリアです。コロコロした形が特徴でかわいらしく、個性的なウツボカズラです。
おすすめ度 | ★★★ |
---|
サイズ | 4号ポット(直径12cm) |
---|
ネペンテス・マキシマ (ウツボカズラ) 7号吊り
参考価格: 18,500円
葉が大きくツヤがあり、捕虫葉の長さが20〜30cmまで大きくなるのがマキシマの特徴です。上手に冬越しさせると長く育てられます。
おすすめ度 | ★★☆ |
---|
サイズ | 7号(直径21cm)吊り鉢 |
---|
ウツボカズラの植え付け時期は?
ウツボカズラの植え付け時期は、最低気温が20℃を超える5〜7月が最適です。一般的に食虫植物が流通する時期は初夏からです。管理しやすいように、購入してすぐの鉢替えや植え替えも可能です。
植え付け時期 | 5〜7月 |
植え替え時期 | 5〜7月 |
挿し木(挿し芽) | 6〜7月 |
休眠時期 | 11〜3月 |
ウツボカズラの栽培適期は春から秋です。熱帯植物ウツボカズラの生育適温は20〜28℃、空中湿度は80%がベストです。蒸し暑い日本の夏でも元気に育ちます。植え付けや植え替えは5月からできますが、挿し木にするのは発芽・発根に適した6〜7月が向いています。
ウツボカズラの栽培は鉢植えが最適です。吊り鉢に植え付けられた苗をよく見かけますが、鉢を高さのあるスタンドに載せたり、リング支柱に誘引したりしても育てられます。吊り鉢以外には通気性があり、水苔とも相性のよい素焼き鉢がおすすめです。
ウツボカズラは日光を好むので、気温が20℃以上になる春と秋は屋外で育てるのがおすすめです。生育適温は20〜28℃、空中湿度は80%が最適です。高温多湿な日本の夏にぴったりの植物といえますが、風通しが悪い室内ではカビなどの雑菌が繁殖しやすくなるので、根腐れや病気に注意して管理しましょう。冬は室温を15℃以上に保ちます。
ウツボカズラは真夏は強い日差しを避けられる、明るい日陰に移動するか50%の遮光ネットを使用します。熱帯のうっそうとしたジャングルなどで育つため、強い直射日光が苦手です。置き場所を変えるときは数時間ずつ移動して、徐々に変化に慣らすとよいでしょう。冬の休眠中も日中は日が当たる、明るく暖かい室内で管理します。
ウツボカズラを育てる用土は、適度な通気性と保湿性があって弱酸性に保てることが大切です。糸のように細く繊細なウツボカズラの根を優しく包み込むには、柔らかい水苔がぴったりです。プラ鉢で育てるときや水苔での管理が不安な人は、食虫植物の専用土を使用します。デリケートな根を傷つけないように、ていねいに取り扱いましょう。
ウツボカズラの水やりは、用土がよく乾いてから与えます。市販の苗はピートモスやヤシ殼ピートに植え付けられていますが、よく水を含む性質があるので、用土がしっかりと乾いてから水を与えるのがポイントです。毎日の水やりで用土が湿ったままになっていると、根腐れして枯れてしまいます。
ウツボカズラの空中湿度を保つコツは、葉水(霧吹き)です。ウツボカズラの水やりは、一年を通して霧吹きで葉や茎を湿らます。葉水で湿度を高く保つと、葉や捕虫葉が大きく成長して見応えのある株になります。
ウツボカズラの肥料は、観葉植物の液体肥料や活力液または汎用型の液体肥料を使います。時期は4〜10月で、タイミングは2〜3ヶ月に1回です。規定の倍量に薄めて、水やりの後に与えます。肥料のやりすぎは株を弱らせ、新しい捕虫葉を作らなくなることがあるので注意しましょう。
ウツボカズラの栽培で気をつけたい病気は、斑点病です。はじめに葉に茶色の斑点が出て、その後は成長が悪くなったり葉がポトポト落ちたりします。風通しよく管理して、カビや病原菌の発生を押さえましょう。
ウツボカズラの栽培で気をつけたい害虫は、ハダニとカイガラムシです。ハダニは最初は葉に小さな斑点が出て、葉が枯れることもあります。見つけたら捕殺して、殺虫殺菌剤を散布します。こまめな葉水で害虫を防ぎましょう。
ウツボカズラは株が十分に成熟した状態で日当たりよく育てると、花芽が上がって開花することがあります。開花後は花茎を根元近くで剪定します。雌雄異株のウツボカズラは雄花と雌花がないと受粉しないため、タネの採種がとても難しい植物です。
ウツボカズラの苗の選び方は、葉の色ツヤがよく数が多い株で、捕虫葉が大きいものがポイントです。鉢の大きさに対して株が小さすぎるものや、カビ臭い苗は避けましょう。初めての人は4号鉢(直径12cm)以上の大きさが育てやすくておすすめです。
ウツボカズラの植え付けや植え替えの時期は、5〜7月が最適です。ヤシ殼ピートや水苔植えは年に1回の植え替えで、植え込み材を新しくしましょう。植え替え直後は明るい日陰で、一週間ほど管理します。
ウツボカズラのつるが伸びすぎて混み合ってきたら、剪定して整えます。傷んだ葉や花穂をそのままにしておくと、病気や害虫が発生しやすくなるので、時期を問わず色が茶色く枯れたところは剪定して整理しましょう。6〜7月なら剪定した枝を挿し木(挿し芽)にして増やせます。
熱帯植物のウツボカズラの冬越しは、室温を15℃以上に保つのがポイントです。(デリケートな品種では18℃)冬越しのコツは、株に対して鉢を大きくしすぎないこと、葉水で湿度を保つこと、日当たりを確保することの3点です。気温が20℃を下回ると成長がゆっくりになり、休眠状態になります。昼間はレースのカーテン越しに日が当たる、明るく暖かい室内で水やりを控えめにして管理しましょう。
ウツボカズラ増やし方は挿し木(挿し芽)です。剪定したつるを、挿し木に活用するとよいでしょう。一般的な観葉植物の挿し木での増やし方と比べて、根が伸びるのに時間がかかります。
葉が茶色いのは枯れているの?
ウツボカズラの葉が茶色く枯れる原因は、気温の低下・水のやりすぎ・日照不足・肥料の与えすぎなどが考えられます。室内だけで管理していると日当たりが悪く、風通しも悪くなって根腐れして枯れることがあります。秋は最低気温が20℃を下回らないうちに、室内に移動して生理落葉や立ち枯れを防ぎましょう。
どれぐらいコバエが取れるの?
室内のコバエ対策にウツボカズラを置くのは間違いです。捕虫葉から栄養を摂取するのは、ウツボカズラにとって補助的な意味合いしかありません。ウツボカズラを成長させるためには、虫を与えるのではなく日当たりと葉水が大切です。
出典:写真AC