サカキの育て方!植え付けや増やし方を解説 | 植物図鑑

学名cleyera japonica
和名サカキ
別名マサカキ、ホンサカキ
英名japanese ceyera
科・属名モッコク科(サカキ科)サカキ属
原産地日本(本州、九州)朝鮮半島、中国、台湾
花言葉控えめな美点、揺るがない、神を尊ぶ

サカキの概要

出典:写真AC

基本情報

園芸部類 庭木、花木
形態 高木
樹高・草丈 10m
花の色
耐寒性 普通
耐暑性 強い
特性・用途 常緑性、生垣き向き、日陰でも育つ
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

サカキはモッコク科(サカキ科)サカキ属の常緑樹です。直径1.5cm前後の白い花が6~7月頃に咲き、11~12月頃に実が黒く熟します。葉の大きさは8cm前後で、色はつややかな深緑色、葉のふちがなめらかであることが特徴です。冬芽は鳥のつめのような形をしています。

名前の由来

サカキは神事によく使われる木で、「あの世とこの世の境の木」とされることからサカキと伝わったのが名前の由来とされています。また、常に葉が栄えているところから、「栄える木」でサカキといわれたという説もあり、さまざまな説が伝えられています。

サカキの代表品種・種類

フクリンサカキ

フクリンサカキは、葉の周囲に不規則な乳白色の斑が入っています。生育期の斑がやや黄色にも見える、サカキの園芸品種です。冬の寒さにあたると葉全体が薄紅色になることもあります。

サカキの育て方①時期

出典:写真AC

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 3月中旬~4月、9~10月
剪定の時期 3~4月、9~10月
花が咲く時期/開花時期 6~7月頃

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
肥料
剪定
開花時期
種まき

栽培適期は?

本来サカキは寒い場所で自生していません。植え付けなどの作業は、春に暖かくなってからおこないましょう。

サカキの育て方②栽培環境

クリックすると楽天商品ページへ飛びます

栽培方法

鉢植え・露地

サカキは地植、鉢植えのどちらでも育ちます。園芸分類は庭木、垣根などに使われることが多いです。鉢植えで観葉植物として室内におくこともできます。

育てる場所

室内・屋外

サカキは室内、屋外どちらでも育てることができます。気温が-9℃以下になると枯れてしまうので、冬に乾燥した冷たい風があたる場所は避けましょう。

置き場所・日当たり

サカキは日当たりがよい場所でも日かげでも育てることができます。ひなたで育てるときは、西日など強い光があたらない場所に植えましょう。日かげに植えるときも、なるべく明るい場所を選びます。強い光が当たると葉が乾燥して日焼けするので、植木鉢は置き場所に気をつけましょう。

用土

サカキを地植えにするときは植えるところに穴を掘って、土に腐葉土やたい肥を2、3割まぜておきます。鉢植えにするときは、赤玉土2に完熟腐葉土かたい肥1をまぜておきましょう。サカキは腐植質が多く水はけと水もちのバランスがよい土を好みます。

サカキの育て方③管理のポイント

出典:写真AC

水やり

地植えのサカキは、植え替え後およそ2年の間は、土が乾いたらたっぷり水を与えましょう。その後は基本的に降雨だけで育ちます。雨があまりにも少なく土が乾いてしまったときには水やりが必要です。鉢植えのサカキは、土の表面が乾いたら水をたっぷり与えましょう。

肥料

地植えのサカキは、2月に鶏糞と油かすをまぜたものか、有機質肥料を株元に埋めましょう。鉢植えのサカキは3月に腐葉土と化成肥料をまぜて追肥します。

害虫対策

カイガラムシ

サカキにはカイガラムシが発生することがあります。カイガラムシをみつけたときは、すぐにブラシでこすり落とすか、薬剤を散布しましょう。

カイガラムシの駆除方法まとめ!樹木・植物別に原因と対策を解説!のイメージ
カイガラムシの駆除方法まとめ!樹木・植物別に原因と対策を解説!
庭木や果樹につくやっかいな害虫カイガラムシ。気づいたときには、大量発生してどう駆除すればいいかわからないと思います。この記事では、カイガラムシの生態からどういった駆除方法がおすすめなのか植物の種類ごとに解説していきます。
カイガラムシ対策に有効な薬剤8選!幼虫と成虫での使い分けや処理方法を解説!のイメージ
カイガラムシ対策に有効な薬剤8選!幼虫と成虫での使い分けや処理方法を解説!
観葉植物や庭木につく硬いカラをかぶったカイガラムシは、薬剤の効きにくい厄介な害虫です。でも、正しい薬剤選びと処理方法さえ覚えれば、必ず駆除できます。併せてカイガラムシの予防にもなる、肥料やりや剪定といった季節ごとのお手入れも、ぜひ覚えてください。

病気対策

すす病

サカキにつくアブラムシやカイガラムシの排泄物が堆積すると、黒いすす状のカビが発生します。葉の見た目が悪く、光合成ができなくなるので注意が必要です。害虫を早めに駆除して病気を予防しましょう。

花後の管理

花後の管理は特に必要ありません。サカキは花後に緑色の実をつけ、秋になると実が黒くなり種がとれます。

サカキの育て方④詳しい栽培方法

出典:写真AC

苗の選び方

サカキの苗は、枝や葉が元気のよい株を選びましょう。ホームセンターなどでポットや植木鉢に入っていない苗を購入するときは、根切りがしっかりとされている状態のものを選びます。

植え付け・植え替え

サカキの植え付けや植え替えは、春は気温が高くなってから、3月中旬~4月に、秋は9月中旬~10月中旬にしましょう。植え付け後は水の管理をしっかりしとます。根が浅いので、ぐらぐらして木が倒れないよう支柱をたてましょう。

剪定

サカキを自然な形で楽しむならば、剪定の必要はありません。芽吹く力が強いので、垣根など樹形を整える必要があるときは剪定が必要です。基本的に大きな剪定は3~4月と9~10月におこないます。樹形を整えるために適宜切り戻しをしても枯れることはありません。

冬越し

サカキは-9℃以下になると枯れてしまいます。冬場に気温が下がる地域では鉢植えは室内に、地植えのサカキはワラをまくなど防寒が必要です。

増やし方

増やし方①種をとる

サカキは種をとり増やします。

  • 12月頃に完熟した果実をとる
  • ボウルなどに水をはり、水中で果肉から種をはずす
  • 湿らせたキッチンペーパーで種を包みビニール袋に入れる
  • 密閉させたまま冷蔵庫で保存する
種まきは、果肉からはずして乾燥しないうちにポットにまく、翌年の3~4月にポットにまく、2つの方法があります。

増やし方②挿し木

サカキは挿し木で増やせます。挿し木は梅雨の時期、6月下旬~7月上旬にその年に伸びた太い元気な枝を選びましょう。

  1. 消毒したハサミで枝を10~15cm切り取る
  2. 切り口を斜めに切り30分程度水につけておく
  3. 挿し木箱の用土の中に挿す
挿し木箱は直射日光があたらない明るい場所に置きます。乾燥して枯れないように、空気穴をあけた透明のビニールをかけておき、発根したら、鉢上げをしましょう。

サカキの関連記事

ヒサカキとは?榊(サカキ)との見分け方などの特徴や利用法を紹介!のイメージ
ヒサカキとは?榊(サカキ)との見分け方などの特徴や利用法を紹介!
神事や仏事でよく見かけるヒサカキですが、榊(サカキ)との違いがわからないという方も多いのではないでしょうか?それもそのはず、地域によって使われ方や呼び名が様々だったのです。今回は、ヒサカキと榊との違いや由来、その特徴や利用法までたっぷりご紹介します。
ヒサカキ(姫榊)とは?神事にも用いられる植物の特徴や育て方を解説!のイメージ
ヒサカキ(姫榊)とは?神事にも用いられる植物の特徴や育て方を解説!
ヒサカキ(姫榊)は神事にも用いられる縁起のよい植物です。本榊の代わりに神棚に供えられることもあります。かわいらしい花や美しい葉に反し、ガス臭のような独特の匂いが特徴です。そこでヒサカキの特徴と本榊との違い、花言葉や挿し木の方法など育て方について解説します。