園芸部類 | 野菜 |
形態 | 多年生水性植物 |
樹高 | 100cm前後 |
花の色 | 白 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや強い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
クワイは水性植物で、塊茎(かいけい)という地下にある茎の一部が、丸く塊になった種球(たねきゅう)から芽を出す植物です。夏にかわいらしい白い花が開花するため、苗は観賞用にも栽培され、ビオトープなどにも利用されます。花後は受粉した雌花に種ができて自然落下します。
くわい
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青クワイは、日本で最も多く栽培されている品種です。表皮が青いのが特徴で、形が丸いのが良品とされています。お正月のおせち料理の食材として使われるのは、主に青クワイです。
くわい
参考価格: 1,831円
白クワイは、おもに中国で栽培されている品種です。形は青クワイよりも大きく楕円形をしています。歯ごたえがよく、主に中華料理の食材として使われるクワイです。
吹田クワイは中国原産のクワイとは違い、オモダカという植物が日本の自然環境のもとで進化したクワイです。古くから食べられていた吹田クワイは絶滅が危惧されていましたが、近年では大阪府吹田市で栽培され朝市などで販売されています。
種球植え付け時期 | 6~7月 |
花が咲く時期 | 8~9月 |
収穫時期 | 12~3月 |
クワイの種球植え付けは、暖地と中間地で5月中旬~7月上旬、寒冷地は5月下旬~7月上旬が適しています。
クワイは水を張ることのできる水田の跡地や、畑,庭などで育てます。深さ30cm程度のプランター、発泡スチロールのケース、プラスチックケース、バケツなどの容器を使って育てることもできます。
クワイは屋外で育てましょう。クワイは水性植物なので常に水を張っておく必要があります。また、水を全部抜いて作業をすることもあります。いつでも水の補充ができ、簡単に作業ができる場所で管理するのがおすすめです。
クワイは、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。クワイの成長には太陽の光が必要です。
畝をつくる必要はありません。水田の跡地はもとから土に保水性があるので、水を土の上から5cm程度張ってそのまま利用できます。
畝を作る必要はありません。庭や畑のように水はけのよい場所でクワイを育てるときは、はじめに湿地を作りましょう。
畑や庭など水はけのよい場所で湿地をつくるときは、はじめに深さ50cm前後のくぼ地を作ります。次にくぼ地の底にビニールシートを敷いて、深さ30cm前後の土を入れましょう。その後、1㎡あたり100gの苦土石灰を土入れて耕します。最後に水を土の上から深さ5cm張って1~2週間そのままにしておきます。
クワイは保水性がある土で育てましょう。クワイをプランターやバケツなどで育てるときは、市販の肥料が入った野菜用培養土を使うと簡単です。水田の土、庭の土や畑の土、肥料の入っていない培養土も使えます。
クワイを育てるときは、元肥を施す必要があります。あらかじめ肥料の入っている培養土以外の土には必ず元肥を施しましょう。
水田の跡地、畑や庭に作った湿地に地植えをするときは、植え付け1~2週間前に1㎡あたり50~100gの化成肥料を元肥として施しましょう。
庭や畑の土、肥料の入っていない培養土をプランターやバケツなどに使用するときは、最初に苦土石灰を用土1Lあたり1g混ぜ込みます。1週間後に化成肥料を用土1Lあたり1.5g、たい肥を用土1Lあたり20g混ぜ込みましょう。
クワイは芽が出ている、病気や傷のない種球を植えて育てましょう。
クワイを水田の跡地や畑、庭などに植えるときは、化成肥料を元肥として施して、水を土の上5cm程度張っておいた所に、株間50cm、5cmの深さで芽を上に向けて種球を植え付けましょう。
クワイをプランターやバケツなどの容器に植えるときは、はじめに容器に20cm程度土を入れます。その後水を土の上5cmまで入れて、かきまぜましょう。そのあとで株間が10cm、深さが4cmの場所に芽を上にして種球を植え付けます。
クワイは発芽後に苗を植え替える必要がありません。プランターなどの容器が小さいことが原因で、根詰まりがおきたときは苗を大きな容器に植え替えましょう。
クワイは11月下旬ごろから収穫ができます。茎や葉が半分程度枯れてきたら、地上の茎と葉を刈り取りましょう。刈り取りから約1ヵ月後に水を抜いて、掘り上げます。1株から10~15個のクワイが収穫できるので、傷がつかないように注意が必要です。
クワイは収穫した種球を次の年の植え付けに使います。クワイを収穫したら、次の年のために状態がよい種球を選び出しておきましょう。乾燥しないように、水を張った容器に入れるか、ぬれた新聞紙にくるみビニール袋に入れて冷蔵保存しておきます。容器の水は腐らないように適宜入れ替えましょう。
クワイの水やりは適宜おこないます。クワイは水切れがないように常に注意しておき、少なくなれば水を補充しましょう。水は、植え付け後で土から3~5cm上までいれます。その後、茎や葉が伸びてくるのにあわせて、土から5~10cm上になるまで水を徐々に増やします。
クワイは、葉かきと芽かきが必要です。クワイの葉は常に5~8枚ほどになるように、枯れた葉や新芽を中心にかきとりましょう。
クワイは8月上旬と9月下旬に1㎡あたり50gの化成肥料を追肥として施します。追肥は、一度水を全部抜いて、株間に肥料を施し土と混ぜましょう。そのあと再び土から5~10cmほど上まで水を張り直します。
クワイの栽培で一番重要なのが水の管理です。水を切らしてしまうと塊茎が大きくなりません。また、葉や茎を必要以上に増やしても塊茎が育たないので注意しましょう。
葉枯れ病は土の中の細菌が原因で、葉に黄色などの斑点をつくる病気です。光合成ができなくなるために葉は枯れてしまいます。葉枯れ病が疑われる葉は取り除きましょう。連作をさけて、病気のない種球を使うと予防できます。
赤枯れ病は、イネなどに起こりやすい生理障害です。葉に斑点があらわれて、根が腐り、最後に株が枯れてしまいます。肥料をバランスよく施すことが予防になります。
クワイには大きな害虫被害はありません。まれにアブラムシが発生することがあります。