苦土石灰とは?肥料としての成分・効果・使い方をわかりやすく解説!

苦土石灰とは?肥料としての成分・効果・使い方をわかりやすく解説!

苦土石灰(読み方は「くどせっかい」です)は、pHコントロールや土壌改良だけでなくミネラル補給もできる、優秀な園芸肥料です。見た目の印象から化成肥料と間違われることも多い、自然由来の苦土石灰の成分や効果、さらに使い方までわかりやすく解説していきます。

記事の目次

  1. 1.苦土石灰とは
  2. 2.苦土石灰の肥料成分とは?
  3. 3.苦土石灰の3つの効果とは?
  4. 4.上手な苦土石灰の使い方
  5. 5.苦土石灰を使用したい植物
  6. 6.他の石灰との違いは?
  7. 7.石灰肥料の種類
  8. 8.まとめ

苦土石灰とは

石灰湖
Photo byLoggaWiggler

こちらは石灰湖、結晶が白く固まっていますね!

読み方は「くどせっかい」といい園芸では肥料に分類されますが、土壌改良やpH調整にも役立つとても優秀な園芸資材です。元肥としても追肥としても使え、草花だけでなく野菜や果物を元気に育てる園芸肥料、苦土石灰についてわかりやすく解説していきます。

苦土石灰の肥料成分とは?

土壌改良剤 粒状 苦土石灰 5kg

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出典: 楽天
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苦土石灰の成分は、炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムです。原料は天然の鉱物ドロマイトで、粉砕し熱処理したものが苦土石灰になります。苦土石灰には細かい粉状のものと、コロコロとした粒状の2種類があります。色や形が似ているため化成肥料と誤解されがちですが、オーガニック栽培にも使える自然由来の肥料です。

炭酸カルシウムと炭酸マグネシウム

草花イメージ画像
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カルシウムとマグネシウムは、根を丈夫にして葉の色ツヤをよくする、植物の必須栄養素のひとつです。植物の肥料成分として、NPK=窒素・リン酸塩・カリウムはよく知られています。それ以外にもカルシウムやマグネシウムなどのミネラル類は、植物が自ら作り出すことのできない大切な栄養素となっています。

苦土石灰の3つの効果とは?

園芸イメージ画像

出典 写真AC

畑や花壇の土作りに、優秀な園芸肥料が苦土石灰です。実際に苦土石灰を土に混ぜ込むことで、土や植物にはどんな効果が得られるのでしょう。他の肥料とは違う苦土石灰の働きと、土壌改良の効果を3つのポイントにまとめて、わかりやすく解説していきます。

pHコントロール

土壌のpHチェック画像

出典 写真AC

苦土石灰のアルカリ分は約50%で、酸性土壌を中性から弱アルカリ性にする働きがあります。普段私たちが接している畑や花壇の土のpHは弱酸性で、さらには雨も弱酸性です。草花や野菜には中性を好む植物が多くあり、雨の影響で酸性に傾きがちな土壌のpHを調整する苦土石灰が欠かせません。

土壌改良で雑菌や害虫をおさえる

畑のイメージ画像
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苦土石灰でpHが上がると、雑菌の繁殖や害虫の働きを抑える効果が期待できます。苦土石灰を混ぜ込むと水分と反応して熱を発して、地熱が上がり土の中の有機物の分解が進みます。土壌改良で土質がよくなると根の張りもよくなって、植物が丈夫に育ちます。

ミネラル補給

ほうれん草畑画像
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苦土石灰の成分であるカルシウムとマグネシウムは、植物の根を丈夫にして葉色を鮮やかにするという効果があります。苦土石灰の肥料成分は、葉物野菜だけでなく果樹や花木にも効果的です。土の中のミネラルは雨や水やりで流れ出てしまうことが多いので、追肥で適度に補給できるのが苦土石灰です。

上手な苦土石灰の使い方

畑や花壇の土づくりに欠かせない優秀な園芸肥料、苦土石灰の使い方をわかりやすく解説していきます。併せて気をつけたい注意点もご紹介しています。土壌改良が期待できる苦土石灰の上手な使い方を覚えて、園芸ライフに役立てましょう。

使い方①土のpHチェック

pH値画像

0が酸性、7が中性、14がアルカリ性です!

土壌のpHチェッカーは比較的高価なものですが、理科実験を思い出しながらホームセンターでリトマス試験紙と精製水を購入してチェックしてみましょう。

  1. 測りたい土を10cmほど掘り起こし、採取する
  2. 精製水と土を容器に入れて、よく振る
  3. しばらくしたら、上澄み液をリトマス試験紙につける
  4. 反応を待って、チェッカーで色を確認する

使い方②粒状と粉状の違い

石灰の効果が早く出るのは元肥として混ぜやすい粉状の苦土石灰です。追肥としても使いやすい粒状や顆粒状の苦土石灰は、ゆっくりと溶け出すため効果が持続して得られます。また粉状の苦土石灰は、加工していないため粒状と比較して安価なのも特徴です。ただし粉状の苦土石灰は風に舞いやすく、作業には注意が必要です。

使い方③土作りの最初に混ぜ込む

土作りの最初にして欲しいのが、苦土石灰の混ぜ込みです。混ぜた後に水に溶け出して効果が現れてくるまでに時間がかかるからです。天気予報で雨が降る前に苦土石灰をまくのも効果的です。水分と反応して熱を出すので、種まきや苗の植えつけは1週間〜10日後が目安となります。

使い方④他の肥料と一緒に混ぜない

土に混ぜ込む時に肥料と一緒にまけば手間が省ける、と思ってしまいますがそれはやめましょう。肥料の窒素成分と反応して、有害なアンモニアが発生するからです。苦土石灰をまいたら1週間ほど寝かせてから、堆肥や肥料を混ぜ込みます。アンモニアは有害なだけでなく、匂いで近隣にも迷惑をかけてしまうので、追肥として使う場合にも注意が必要です。

使い方⑤pH調整でのまき方

pHを調整する場合のまき方は、1㎡の広さで10〜20cmの深さに対して100〜200gの苦土石灰を混ぜ込むことで、pHが0.5〜1程度上がります。1回で整えようとするのではなく、持続性のある粒状苦土石灰を使用して、追肥して整えるがおすすめのまき方です。はじめに正確なpHを確認した上で、苦土石灰を使う量を調整し、pHがアルカリに傾き過ぎるのを防ぎましょう。

ボタニ子

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次のページでは、苦土石灰を使用したい植物について紹介していきますね!

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苦土石灰を使用したい植物

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