ロウバイは、蝋細工のような黄色い透明感のある花をつける落葉低木です。「梅」と書きますが、梅の仲間ではありません。中国が原産で日本には江戸時代の初めに渡来し、主に庭木として利用されました。
園芸部類 | 花木・庭木 |
形態 | 低木 |
樹高 | 4m |
花の色 | 黄色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 冬期に開花・香りがある |
栽培難易度 | ★★★★☆ |
12月〜2月中旬、ロウバイはよい香りのする直径2cmくらいの黄色い花を咲かせます。花弁は透明感があり、まるで蝋で作られたように見えることが名前の由来です。3月〜4月に芽吹き、花後に果実ができて、9月ごろに種子が取れます。花のない真冬に咲かせる黄色い花は、生け花や茶花としても利用されてきました。
植え付け時期 | 2月〜3月(芽出し前) |
施肥の時期 | 4月〜5月 |
剪定の時期 | 3月 |
花が咲く時期/開花時期 | 12月頃〜2月頃 |
ロウバイは、本州ならば庭植えで育てられます。丈夫ですが水はけのよい土壌を選んで植えてください。プランターや鉢植えで盆栽にも仕立てられますが、大きくなるので1年〜2年ごとに植え替えが必要です。
ロウバイを庭植えにする場合は、日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。半日陰でも育ちますが、生育が悪くなります。真冬に開花するため、寒風を避けて冬越しさせてください。生育期の日当たりの悪さと寒風による影響で、花付きが悪くなることがあります。ロウバイは根付いてしまうと移植が難しく、枯れる可能性もあるので、植え場所はよく選んでおきましょう。
ロウバイは丈夫な樹種ですが、植え付ける場合は水はけのよい土を選んでください。庭植えの場合は掘り返した土に腐葉土などを混ぜましょう。鉢植えでも水はけのよい培養土を利用し、盆栽に仕立てる場合は赤玉土単用で植えつけてください。
庭植えの場合は自然な降雨に任せます。ただし新芽の伸びる4月〜10月くらいまでは乾燥しすぎに気をつけ、水やりを行ってください。また大きめの葉をもつロウバイは、鉢植えにすると乾燥しやすいため、1日1回を目安に水を与えましょう。真夏は乾くようなら1日2回、夕方に葉水を与えるなどの管理をしてください。
肥料は生育期の4月〜5月と9月に、緩効性肥料や有機質肥料を施します。
ロウバイはとても丈夫な樹種なので、特に木が枯れるような病気や害虫はありません。
ロウバイを購入するときは、葉や花が生き生きとしていて、根元にグラつきのないしっかりしたものを選びましょう。
庭植えにする場合は、根の2倍ほどの大きさの穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土を混ぜて植え付けます。植え付けは新芽の出る前の2月中旬〜3月、または落葉期の11月〜12月に行います。
6月頃には翌年の花芽ができるので、剪定はそれより前に終わらせましょう。若い木であれば、花後、新しい芽が出る前の3月に剪定をしてください。徒長した枝が気になるようならば、落葉が終わる11月ごろも剪定できます。
ロウバイは幹から伸びた短い枝に花がつくので、そのような枝は残しましょう。剪定の際に切る枝は長く徒長している枝と、木の内側で日当たりと風通しの悪い枝です。徒長枝は樹形を意識して切り詰め、内側の枝は根元から切りましょう
ロウバイは接木で増やされた苗が市販されていることが多く、接木の台木となった株元から芽(ひこばえ)が出やすいです。ひこばえが出たら、根元から切り落とします。ひこばえは木を弱らせることがあり、接いだ木のほうが枯れる場合もあります。見つけたらその都度、切り取りましょう。
ロウバイは、種子がよくつく樹木です。種子が採れたらすぐにとりまき(すぐに種をまくこと)しましょう。市販の配合土や赤玉土小粒〜微粒を用土とし、種子が隠れる程度に用土を被せておきます。翌春には発芽し、約5年で開花するでしょう。花が咲くまでには時間がかかりますが、ロウバイは種子から育てると花形や花色に変化が出る場合もあり、親木とは違った花を楽しめるかもしれません。
6月に徒長した枝を切り、3節程度(葉のついた部分が3箇所)の挿し穂を作りましょう。土に挿すほうを斜めにカットし、下のほうの葉は切り落としてください。そのまま用土に挿して育てます。用土に挿す前にメネデールに30分くらい浸すと発根率が上がります。挿し穂がぐらつくと根が張る前に枯れるので注意しましょう。