アスチルべは長い茎にライン状、または円錐形に花を咲かせる草花です。花穂は小さく、遠目から見るとふわふわとした煙のように見えます。葉は低い位置で横に茂ります。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 20~100cm |
花の色 | 白、ピンク、赤、紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 日陰でも育つ、落葉性、初心者でも比較的簡単 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
アスチルべは、湿った土壌を好む植物です。種類は約25種と豊富で、その中の数種類が日本に自生しています。長雨にあたっても花が傷むことなく、梅雨時期も美しい状態を保てるのも魅力です。特徴的な花姿は、地植えにすればワイルドガーデンやシェードガーデンなどに活用でき、庭のアクセントとして人気があります。
ディアマントは、白花系の品種です。蕾の状態は爽やかなライトグリーン色で、やがて真っ白い花が咲きます。
ファナルは、赤花系の品種です。燃えるような赤い花と、茂った緑の葉のコントラストが美しいです。
植え付け時期 | 3~4月頃、10~11月頃 |
株分けの時期 | 10~2月頃 |
肥料の時期 | 3~4月頃、10月頃 |
剪定の時期 | 10~12月頃 |
花が咲く時期/開花時期 | 5~7月頃 |
アスチルべの植え付け・植え替えは、3~4月頃と10~11月頃が適しています。植え付け・植え替え自体は通年可能です。しかし高温と乾燥が苦手なため、夏と冬の植え付け・植え替えは避けましょう。3~4月頃、10~11月頃に植え付け・植え替えをすることで、スムーズな株の定着と成長が望めます。
アスチルべは、鉢植え地植えどちらでも栽培可能です。地植えは植え付け後、数年間は植えっぱなしで問題ありません。鉢植えは、根づまりをおこしやすく1~2年ごとに植え替えが必要です。鉢植えの場合はコンパクトなまま楽しめ、地植えは大株に成長するものが多く、見ごたえがあります。
アスチルべは、基本的に屋外で栽培します。日の光と水分をたっぷりとあたえ元気に育てましょう。
アスチルべは、日当たり~半日陰の場所での栽培が適しています。地植えの場合は夏場の乾燥と高温で、株が弱る・葉が焼けるなどの弊害がでる可能性があるため、木陰などの半日陰に植え付けましょう。鉢植えの場合は、夏場は軒下などに入れて管理すると安心です。
アスチルべは、水はけがよくかつ水持ちのよい用土が適しています。配合する場合は、赤玉土6:腐葉土4がおすすめです。市販の草花用培養土を使う場合も、鹿沼土と腐葉土を1割程混ぜると肥沃な用土に仕上がります。また、山野草用の培養土も活用可能です。
水やりは、地植え鉢植え共に通年必要です。特に鉢植えの場合は、用土が少なく水切れをおこしやすいため、土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。
アスチルベには、4~5月頃と10月に化成肥料をあたえます。肥料が多すぎると根を傷める危険があります。適宜適量を守りましょう。
害虫は、アブラムシ・ヨトウムシ・ナメクジ・ハダニが発生する可能性があります。発見したら薬剤などを使い早めに退治しましょう。
病気は、基本的にはありません。しかし梅雨時期や水はけの悪い場所では、白絹病・灰色かび病にかかる可能性があります。
花後は、花がら摘みをします。枯れた花を切りとることで、養分が株に集中し元気な株に成長します。
苗は、根がよくはって茎のしっかりとしたものを選びましょう。根がよくはり、茎がしっかりとしたものは植え付け後の定着がよいです。
植え替えは3~4月頃、10~11月頃主に鉢植えの場合に必要です。鉢植えは根づまりをおこしやすく、植え付け後1~2年ごとに植え替えます。地植えの場合は、植え付け後数年間は植えっぱなしで問題ありません。株が成長し窮屈そうな場合は広い場所に植え替えましょう。
剪定は、主に秋~冬に枯れた茎や葉を切り取ります。枯れた茎や葉を残しておくと、株に養分が集中しません。剪定することで株が充実するため、忘れずに行いましょう。
夏越しは、高温と乾燥に注意します。夏の高温と乾燥は葉や花がチリチリに枯れる原因になります。地植えの場合は木陰や、日陰になる場所に植え付ける、または日陰をつくるなどして強い日差しを遮りましょう。地植えの場合は、夏中は軒下に入れて管理するのがおすすめです。地植え鉢植え共に、夕方の涼しい時間帯にたっぷりと水やりをして乾燥させないようにします。
冬越しの作業は、特に必要ありません。多年草のアスチルべは、冬場は地上部が枯れ、翌年の春に再び芽を出します。乾燥に弱いため、バーグチップをまくなどして乾燥させないようにしましょう。
アスチルべの増やし方は、株分けです。10~2月頃の休眠期に成長した株を掘りあげて、3~5芽くらいのかたまりに分けます。十分成長していない株を株分けすると、花が咲かない可能性があるため、しっかりと成長した株で行いましょう。
出典:写真AC