イワヒバは杉やヒノキのような枝葉が岩に着生して成長するため、岩松(岩松)とも呼ばれます。盆栽ではイワヒバを「巻柏」と表記して、江戸時代には品種の番付表が作られるほど人気の高い植物です。ホームセンターで見かけることはまれですが、山野草や盆栽展などで年代物のイワヒバを鑑賞できることもありますよ。
園芸部類 | 盆栽、山野草、古典園芸植物 |
形態 | 常緑性多年草、シダ植物 |
樹高・草丈 | 5〜45cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 耐陰性あり |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
岩に着生したイワヒバの姿はコケのようにも見えますが、シダ植物のひとつです。春は若葉が出て夏は青々と茂り、秋には黄色〜紅く紅葉し冬は葉を閉じて休眠します。暑さや寒さに強く、1年に数ミリしか伸びないといわれるほど、成長がゆっくりなこともイワヒバの特徴です。
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イワヒバの品種には、自生するタイプと品種改良されたタイプがあります。仙寿は小豆島に自生する小型のイワヒバです。青々した細かな葉が特徴で、こんもりとまとまりよく育ちます。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 直径約10cm、高さ約7cm |
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山野草 岩ヒバ(九重錦)の鉢植え
参考価格: 2,750円
品種改良された園芸種の九重錦は、秋になると黄色〜オレンジ色に紅葉する、美しい色合いが特徴の品種です。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 直径約13cm、高さ約13cm |
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イワヒバ「玉織姫」4号12ポット
玉織姫は葉の色が変化する品種の親株としても利用されています。明るいイエローグリーンの葉先が特徴で、中心からロゼッタ状に葉がでてきます。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 4号ポット(直径12cm) |
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日本に自生する岩ヒバの近縁種テマリカタヒバ(Selaginella lepidophylla)は、雨季と乾季を繰り返すメキシコの高地に自生する不思議な植物です。枯れているようにも見えますが、葉を丸めて休眠した状態で販売されています。購入後に水に漬けるとゆっくりと葉が開いて、やがて青々した葉に復活します。育て方はイワヒバに似て、成長期と休眠期を繰り返すのがポイントです。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 約6〜12cm |
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植え付け時期 | 4〜6月、9月 |
植え替え時期 | 5〜6月 |
肥料 | 5〜6月 |
増やし方(株分け・挿し木) | 5〜6月 |
休眠時期 | 11〜3月 |
イワヒバの主な栽培適期は、成長期と同じ4〜10月です。イワヒバの増やし方は株分けや挿し木(挿し芽)で、植え付けは春か秋が最適です。11〜3月中旬ごろまでは休眠期になるため、秋の紅葉後は水やりを徐々に減らして、断水して冬越しします。
イワヒバの栽培は鉢植えが基本ですが、庭植えも可能です。イワヒバの根はあまり深く伸びないため、鉢は浅めのものが向いています。露地栽培ではロックガーデンのような、水はけのよい場所が最適です。
イワヒバを育てる場所は屋外です。適度に日当たりがよく、風通しのよいところが最適です。一部の改良した品種では強い直射日光で葉焼けして傷んでしまうので、夏は午前中に日が当たる半日陰や明るい日陰に移動するか、50%前後の遮光ネットを使い管理しましょう。
イワヒバを育てる用土は、市販の山野草の土や盆栽の土がおすすめです。土質は水はけのよい弱酸性を好みます。用土を配合する場合は、硬質鹿沼土6:硬質赤玉土の小粒3:ふるった細かい腐葉土1の割合がよいでしょう。
イワヒバの水やりは、春〜秋の成長期にはたっぷりと与えるのが基本です。葉先が巻き込んでくると水切れのサインです。イワヒバは多少の乾燥では枯れることはありません。受け皿は使わず水はけと通気性を保って管理しましょう。
イワヒバのタイプによって、肥料の与え方が違います。自生するタイプのイワヒバはもともと栄養の少ない過酷な環境で生育しているため、ほとんど肥料を必要としません。品種改良したタイプのイワヒバは、盆栽の肥料や油粕肥料を鉢の縁に極少量植え込みます。肥料を与える時期は、5〜6月の年に1回です。
イワヒバの栽培で気をつけたい病気は、葉が茶色く枯れたようになるべと病です。肥料過多が原因で発生しやすくなる病気で、梅雨明けの高温多湿な時期に広がります。茶色くなった部分は剪定して、風通しのよい場所で管理しましょう。
イワヒバの栽培で気をつけたい害虫は、ヨトウムシです。イワヒバの葉に似た緑がかった幼虫が、葉を食害する害虫です。フンを見つけたらウイルスや菌の繁殖を防ぐために傷んだ葉を剪定して、予防と駆除に殺虫殺菌剤をスプレーしましょう。
イワヒバの苗は山野草や盆栽を扱う園芸店や、ネット通販で購入できます。ほかには、展示会の即売コーナーに出品されることもあります。購入する時期は葉が青い春か秋がおすすめで、しっかりと新芽が出ていて、病気や害虫の発生がない苗を選びましょう。大きさや品種、株の数によっても値段が異なります。
イワヒバはポット苗以外に抜き苗が販売されていることもあります。ひとつにまとめてこんもりと植え付けたり、株立ちとして立体的に植え付けたりすることも可能です。イワヒバは根付くまでにかなり時間がかかるので、タコ糸で縛るか支柱がわりの竹串で支えるなどして、上手に管理しましょう。
イワヒバを植え付けて2〜3年目の若い苗は、毎年の植え替えで大きく育てるのがポイントです。その後は成長に合わせて4〜5年に1回鉢のサイズを大きくする鉢増しや、株分けして管理します。植え替えの時期は5〜6月が最適です。
イワヒバは日当たりのよい場所で育てますが、夏の高温期は明るい日陰や半日陰に移動して育てましょう。水やりしていても葉先が丸く枯れたようになってくる場合は、日照過多や高温障害が考えられます。移動できないときは50%程度の遮光ネットを使用して、風通しよく管理しましょう。
イワヒバの冬越しのコツは断水です。紅葉の後に気温が低下して来ると、葉先が丸くなって枯れたようになります。11月の下旬〜3月中旬までは、完全に水やりを止めて根が凍らない場所で管理します。日が当たらない場所でも大丈夫です。休眠明けの水やりのコツは、春のお彼岸過ぎにやや明るい場所に移動して、土を湿らせる程度に少量づつ水を与えましょう。
葉が茶色くなってきたのはなぜ?
イワヒバの葉が茶色くなる原因は、夏は葉焼けや肥料過多・冬は寒さによる生理現象が多く、他には根腐れや病害虫の発生が考えられます。枯れたように見えても春には新芽が出ることも多いので、よく観察して対処しましょう。
出典:Unsplash