イワヒバ(岩ひば)とはどんな植物?
イワヒバの基本情報
学 名 | Selaginella tamariscina |
属 名 | イワヒバ科イワヒバ属 |
分 類 | 多年性シダ類 |
草 丈 | 20cm |
原産地 | 日本~東南アジア、ロシアなど |
イワヒバは主に岩場に生息するシダ類の仲間で、日本では本州から九州にかけて、海外では東南アジアからロシアにかけて生息しています。花は咲かず、葉だけしかありません。背丈は高くなっても20cmほどまでで、あまり成長しないので剪定する必要もなく、低く広がって繁殖します。昔から和風庭園や盆栽に利用されていて人気があります。園芸店で一般的に売られていることはあまりないのですが、山や岩場に行くと自生しているところをよく見かけます。
イワヒバの名前の由来
イワヒバは葉が桧葉(ヒバ)に似ていて、岩場に自生しているので「岩ひば」と呼ばれるようになりました。松の葉にもにているので、「岩松(イワマツ)」「苔松(コケマツ)」とも呼ばれています。また、乾燥すると葉を巻いて、適度な水分を得るとまた葉を広げるので「復活草」という別名もあります。
イワヒバの種類
イワヒバは江戸時代から品種改良されて、現在では200種類を超える種類があると言われています。特に盆栽愛好家に人気があるイワヒバですが、代表的な種類をいくつかご紹介しましょう。
金華山(キンカザン)
金華山は岩ひばの代表品種と言われ、盆栽愛好家からも高い人気を集めています。春は緑、夏になると薄い黄緑になり、秋には赤く紅葉する美しい葉色が特徴的な種類です。
御所錦(ゴショニシキ)
御所錦は葉の先端が緑からオレンジ色、そして夏になると白へと変化します。そして秋にはまたオレンジ色になり、葉の根元は紫色と、まさに錦織のように様々に色彩が変化することで、とても人気がある岩ひばの種類です。
泰平冠(タイヘイカン)
泰平冠は肉厚で丸みのある短い葉が特徴です。先端が黄色になり、次第に葉の半分ぐらいが緑から黄色に変化します。また秋は紅葉するので、赤と黄色のコントラストも美しく、人気が高い種類の一つです。
栄獅子(サカエジシ)
栄獅子は、名前のごとくライオンのたてがみのようなふさふさの葉が特徴的な種類です。葉の色は黄味がかった緑色で、こんもりと下向きに茂ります。丈夫で成長も早いのでとても人気があります。
イワヒバの花言葉
花言葉は「長寿」「負けない心」「稔り」
イワヒバの花言葉は「長寿」「負けない心」「稔り」です。イワヒバは生命力があり長い間生き続けるので、長寿を祝って高齢者への贈り物に適しています。また、水分が少なくなると耐えるように葉を丸めて新芽を守り、また水分が足りてくると葉を伸ばすことから、負けない心、そして稔りという花言葉がついたともいわれています。
イワヒバ(岩ひば)の特徴
葉の特徴
イワヒバの葉は先がいくつにも分岐して、羽根のような形をしています。葉は1年で1~2cmほどしか伸びず、ある程度の大きさで成長が止まるので、小さな鉢に植える盆栽に適しています。色は緑色から、季節によって薄緑、黄色、紫、白、茶色と様々に変わるので、色の変化も楽しむことかできます。水分が少なくなると乾燥から新芽を守りように葉を丸め、また水分が足りてくると葉を伸ばして広げることが大きな特徴です。
強い生命力
イワヒバの成長はとてもゆっくりしたペースなのですが、その場所で一度芽を出すと、驚くほど長い寿命で生息し続けます。岩場という、あまり快適とは言えない場所でも、元気に繁殖し続けるということは、イワヒバの生命力の強さを表していると言えます。高温の時期や低温の時期にもとても良く耐えて、特に冬場は葉が茶色になってまるで枯れたかのようにも見えますが、じっと寒さ耐えてまた春には緑の葉が復活します。
乾燥に強い
もともと十分な水分が期待できない岩場のような場所でも育つような特性を持っているため、乾燥にもとても強く、多少の水切れ程度では枯れる心配もありません。逆に水を与え過ぎると根腐れして枯れてしまいます。雨が降らない夏場でも、乾燥する冬場でも、丈夫に生息し続けるので、とても育てやすい植物と言えますね。
出典:筆者撮影