小ぶりでかわいらしい咲き姿が人気のミニひまわり。草丈が低いまま開花するように改良された品種のため管理が簡単で、室内をぱっと明るくしてくれるインテリアとしてもおすすめです。
ミニひまわりは名前のとおりミニサイズの花を咲かせ、草丈が1mを超えないひまわりの品種をさします。「矮性ひまわり」という別名もあり、大きくならないように薬品を使ったり品種改良をしたりして、小さい状態のまま開花するのが特徴です。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 一年草 |
樹高・草丈 | 20cm〜80cm |
花の色 | 黄色、オレンジ色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | やや弱い |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ミニひまわりは管理や手入れが簡単で比較的丈夫な植物のため、小学校で栽培用の教材としても利用されています。通常の大きなひまわりと茎や葉、花の色などは同じですが背丈が低く、咲き姿が小ぶりなのが特徴です。花壇の寄せ植えやフラワーアレンジメントにも人気があります。
ミニヒマワリの和名は「ミニ向日葵」と表記され、常に太陽の方角へと花を向けている性質が由来しています。そのため「日回り」と表記される場合もあります。しかし、実際には成長していく過程でくるくると回っているだけで、開花すると花が回らなくなるのが特徴です。
ミニひまわりには「小夏」や「夏物語」など、花弁の形や、中心の筒状花(とうじょうか)の色が違うものなど、さまざまな品種があります。それぞれの特徴や、おすすめの育て方を見ていきましょう。
小夏はミニひまわりの中でも人気が高く、「ミニひまわりの代表品種」ともいわれています。成長しても、最大で30cmほどにしかならないのが小夏の魅力です。花弁は10cmほどで、鉢植えにして室内で育てたり、ベランダ栽培ができたりと自分好みの育て方ができるので人気があります。
夏物語は花の中心部分にある「筒状花」が淡い茶色や黄土色をしています。また、花弁はパステルカラーのような優しい色合いで、株によって色が違うのが特徴です。水もちがよく、切り花やフラワーアレンジメントにも利用されています。
植え付け時期 | 4月〜6月 |
種まきの時期 | 3月〜4月 |
間引きの時期 | 4月〜5月 |
花が咲く時期/開花時期 | 7月〜9月 (温暖地や室内の場合は7月〜12月) |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け 植え替え |
● | ● | ● | |||||||||
開花期間 | ● | ● | ● | ○ | ○ | ○ | ||||||
肥料 | ○ | ○ | ○ | |||||||||
成長期 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
休眠期 | ● | ● | ● |
●は最適期、開花時期○は室内や温暖地の場合、肥料の○は大きく育てたい場合
ミニひまわりは耐寒性がやや弱く、一年草に分類されています。そのため、種まき〜開花までを暖かい時期に済ませるのがポイントです。植え付け時期は4月〜6月ですが、気温が高いようならば、なるべく早く4月の間に植え付けてください。
ミニひまわりは比較的丈夫な植物のため、鉢植えや庭植え、屋外や室内など場所を選ばず気軽に育てられます。そんなミニひまわりの栽培方法や適した場所、用土について見ていきましょう。
鉢植えにする場合は、1つの植木鉢に1株で育てるのがおすすめです。花弁が横に広がる性質があるので、いくつも株があると混み合ってしまいます。プランターの場合は、株間を15cm〜20cmほどあけると、きれいな咲き姿が楽しめますよ。花壇の寄せ植えにする場合は、背丈が低いので、他の植物の前側に植え付けましょう。
太陽の光をたっぷりと浴びて育てると、ミニひまわりの花や葉の色が美しくなります。室内で育てる場合は、窓辺などの日当たりのよい場所を選んでください。耐暑性が強く、直射日光を浴びても葉焼けで枯れてしまう心配はありません。屋外の場合は、日当たりと風通しのよい環境で育ててください。
ミニひまわりは多湿を嫌う性質があるため、水はけのよい用土を使用して育てましょう。市販されている草花用の培養土を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。堆肥を多く含んでいる用土を使用すると、ミニひまわりが大きく育ちすぎてしまう恐れがあります。
ミニひまわりは水をたっぷりと与えながら育てるのがポイントです。ミニひまわりの成長期に当たる4月〜8月にかけては、朝と夕方の2回水やりをしてください。鉢植えの場合は、鉢が小さいと水分が蒸発しやすいので、土の表面が乾き始めたらこまめに水を与えましょう。
ミニひまわりは肥料を与えなくても十分育つため、肥料を与える必要はありません。小ぶりな咲き姿が魅力のミニひまわりですが、肥料を与えると大きく育ちすぎてしまいます。しかし、育てる環境によって株を大きく育てたい場合には、7月〜9月にかけて薄めた液体肥料を株元に施しても構いません。
気温が高く乾燥している時期には、ハダニが発生しやすくなります。葉の裏など見つけにくい場所に発生し、発見が遅れると大量発生してしまう恐れのある害虫です。水が苦手な性質を利用して、定期的に葉水を行うと予防ができます。
べと病はジメジメとした湿度の高い季節に発生しやすい病気のため、雨が長く続くような梅雨時期はとくに注意しましょう。土壌から感染したり、泥が跳ねた部分からカビが原因で発生したりするので、ビニールなどを使って株元をマルチングしておくと安心です。
ミニひまわりは一年草に分類される植物です。開花が終わると枯れてしまうので、花後は株ごと掘り起こして処分してください。放っておくと株が腐り始め、病気や害虫被害に繋がります。
ミニひまわりの種まきは3月〜4月に行います。地面に直接種まきをする場合は、15cm〜20cmほど株間をあけて種をまいていきましょう。初心者は育成苗ポットに種まきをして、本葉が2枚〜3枚になってから定植するのがおすすめです。
ポット苗の状態で購入した場合は、早めに地面や鉢に定植するのがポイントです。根が深くまっすぐに伸びる性質があるため、ポット苗の状態で放置すると根詰まりを起こしてしまう恐れがあります。他の植物と寄せ植えにする場合は、ハイビスカスやへデラ(アイビー)など水を好む植物を選びましょう。
種まきをして茎が10cmほど伸びてきたら「間引き」を行います。地植えの場合はとくに間引きを行わなくても問題ありませんが、鉢植えで育てる場合は間引きが必要です。鉢に2粒〜3粒種まきをして、茎が10cmほどまで育ってから、健康で丈夫な茎を1つ残して他は間引きしてください。
花が咲き終わったら、花の付け根からハサミで切り落として花がら摘みを行いましょう。ミニひまわりの品種の中には「多花性」といって1つの花茎からたくさんの花を咲かせるものもあります。多花性の場合は茎ごと抜き取るか、花首を切り取って花がら摘みをしてください。
ミニひまわりは耐暑性が強く、地植えでも夏越しが可能です。しかし、乾燥に弱いので日光で水が蒸発してしまうと、茎が乾燥して折れてしまったり、葉がポロポロと落ちて枯れてしまったりします。夏越しさせるには、水切れを起こさないように管理するのが重要です。ミニひまわりは冬前に開花が終わる一年草のため、冬越しの必要はありません。
ミニひまわりは、花後に種を採取する増やし方が一般的です。種を採取するためには、花がら摘みを行わずにそのまま育ててください。完全に立ち枯れてから、花首の部分を切り落として陰干ししておきます。種が大きく膨らんでいるものを採取して、新聞紙などに包み風通しのよい日陰で、翌年まで保管しておきましょう。