ロシアンオリーブはグミ科・グミ属の植物でありながら、オリーブに似たシルバーリーフが特徴の半落葉樹です。乾燥や塩害のある土地でも成長するたくましさがあります。
ボタニ子
園芸部類 | 庭木 |
形態 | 半落葉樹 |
樹高・草丈 | 小高木(背丈1.5~5m) |
花の色 | クリーム色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | かなり強い |
特性・用途 | 鑑賞用・食用(加工が必要) |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
オリーブはシルバーリーフの美しさから観葉植物として人気を博していますが、ロシアンオリーブも同様に美しいシルバーリーフをもちます。ロシアンオリーブと呼ばれているのは見た目がオリーブに似ているからですが、分類上はまったく異なるグミ科の植物です。
ロシアンオリーブの魅力はたくましさにあるといえるでしょう。乾燥(暑さ)や寒さに強く日本全国で栽培可能です。温暖な気候を好むオリーブを育てられない寒冷地でもロシアンオリーブであれば育てられるため、オリーブの代わりとしても人気があります。
ロシアンオリーブの実は秋に収穫をむかえます。実は沙棘(サジー)とも呼ばれ、栄養豊富なスーパーフードです。果実はジュースやジャム、化粧品に加工され、注目を集めています。
植え付け時期 | 2~3月 |
剪定の時期 | 4~6月、11~2月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月頃 |
ロシアンオリーブは乾燥、寒さに強いためそれほど植え付けの時期を選びません。しかし、ほかの植物同様、根が動く時期より前に植え付けたほうが根付きがよくなります。休眠期にあたる2~3月に植え付けましょう。
ロシアンオリーブは庭植えが望ましいですが、鉢植えでも栽培可能です。根付けば、成長速度は速く、あっという間に根詰まりしてしまいます。また、こまめな植え替えを嫌うため、ふたまわりほど大きな鉢に植えましょう。
ロシアンオリーブは水はけがよく、乾燥気味に管理できる場所であれば庭植えも可能です。成育旺盛で、覆いかぶされたほかの植物が枯れてしまうほど大きく成長するためスペースは多めに確保しておくとよいでしょう。十分なスペースの元に植えれば目を引く立派なシンボルツリーとなります。
ロシアンオリーブは鉢植えにして室内で育てることも、屋外で庭植えで育てることも可能です。塩害にも強いため、海沿いの庭でも強健に生育します。成育旺盛でよく茂るので通りからの目隠しなどにも人気があります。
ロシアンオリーブは植え替えを嫌うので場所決めは重要です。日当たりと水はけがよい場所を選びましょう。乾燥した土地を好むので、ほかの植物が育たないような、乾燥した場所でも栽培可能です。水はけが悪くじめじめしたような場所は、根腐れを起こして枯れやすい傾向があります。
ロシアンオリーブの用土でとくに気を付けるべきポイントは水はけです。荒れた土地でもたくましく育ちますが、水はけが悪く肥沃な環境ではあまり根付きません。
庭植えでは、庭の土に腐葉土または堆肥を2割ほど混ぜ込んで植え付けます。水はけの悪い土地は根腐れを起こしやすいので、さらに川砂などを1割ほど混ぜましょう。
鉢植えの場合は赤玉土:腐葉土を7:3の割合でブレンドし、水はけをよくするために鉢底石を敷いてから用土を充填します。
ロシアンオリーブはアルカリ性の土壌を好みます。植える1~2週間前に、植え付け場所の土を掘り起こし、苦土石灰を混ぜ込んでアルカリ性に調整しておきましょう。
ロシアンオリーブが根付けば、水やりはほとんど必要ありません。暑い夏、雨が何日も降らない日だけ水やりすれば十分です。ちょろちょろと少量の水を与えるのではなく、1回にまとめてたっぷりと与えましょう。
土がカサカサに乾いたらたっぷりと水を与え、それ以外は乾燥気味に管理します。与えるときはたっぷりと、皿に水がたまるまで与えましょう。皿の水はためたままにしておかず、根腐れを防ぐためにも捨ててください。
ロシアンオリーブに、施肥は必要ありません。ただし、あまりに栄養が足りないと花付きが悪くなります。花付きが悪かったときは、その年の4~6月か11~2月頃に、根元に有機肥料や堆肥を混ぜ込みましょう。
ロシアンオリーブは害虫の被害も少ない植物です。ただし、枝が込み入って風通しが悪くなるとアブラムシやカイガラムシなどが発生する場合があります。害虫対策として剪定は重要なポイントです。
ロシアンオリーブがかかりやすい病気はとくにありません。
花後の管理はとくに必要ありません。花が終われば、自然に秋に赤~オレンジ色の実を付けます。クリーム色~黄色のロシアンオリーブの花からは、香水に使われるほどいい香りがします。花の時期は香りを楽しみましょう。ロシアンオリーブは常緑ともいわれますが、日本の冬では落葉することがほとんどです。
落葉期である晩秋~冬の季節以外で葉を落としているようであれば、その苗は弱っているので避けてください。葉の先端が黄色や黒色に変色して枯れているようなものも避けましょう。
ロシアンオリーブは植え替えを嫌います。鉢植えで育てる場合は大きめの鉢で管理し、なるべく植え替えの回数を減らしましょう。植え替える場合は根を崩さないようにやさしく扱います。
ロシアンオリーブの手入れで重要なのが剪定です。成育が旺盛なので放っておくと四方八方に枝を広げ、ほかの庭木の成育を阻害してしまいます。成育旺盛な春~夏の季節も込み入った枝を落とすなど弱剪定はまめに行い、落葉期には刈り込むなど強剪定しましょう。
ロシアンオリーブは耐暑性が高いため、夏越しの対策はとくに必要ありません。
ロシアンオリーブは耐寒性も高いため、寒さ対策も不要です。ただし、雪が積もる地域では、雪の重みで枝が折れてしまうことがあります。庭植えでは支柱や雪吊りといった雪よけをして、鉢植えであれば雪のかからない場所に移動させましょう。秋~冬にかけて落葉しますが、春になればふたたび芽がでてきます。
ロシアンオリーブの増やし方のひとつは挿し木です。若く勢いのある枝を、剪定の際に選び取るとよいでしょう。10~15cmほどの長さに枝を切り、根元を斜めにカットし、水に挿して水あげをしたあと、挿し木用の土で発根を待ちます。枝についている葉は上部4~5枚ほど残し、あとは取り除いて蒸散量を減らし、水やりを続けましょう。2~3カ月すると発根が見られます。
オリーブの特徴をあらためて知りたい方はこちらの記事が参考になりますよ。