園芸部類 | 庭木・花木、果樹 |
形態 | 中高木 |
樹高・草丈 | 2m以上 |
花の色 | 白 |
開花時期 | 5月中旬~6月上旬 |
収穫時期 | 9月~11月 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 常緑性 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
細長い銀色の葉をつけるオリーブは古くから平和の象徴とされていて、庭木やシンボルツリーとして人気がある常緑樹です。オリーブが平和の象徴といわれているのは、旧約聖書の故事に由来しています。そこから、「平和」や「安らぎ」という花言葉があてられました。基本的には屋外で管理するのが望ましいですが、適切に管理すれば室内でも栽培できます。
オリーブの葉の表面は光沢がありつやつやとしていますが、裏面にはうっすらとうぶ毛が生えています。葉にはポリフェノールという成分が多く含まれていて、抗菌作用や防虫効果があるとされています。オリーブの葉は古来から民間薬として親しまれていて、葉を煎じてお茶にしたオリーブティーが有名です。
オリーブは初夏に花を咲かせたあと、その部分に緑色の果実をつけます。果実の成熟が進むと、色が緑から黒に変わっていくのが特徴です。果実は生のままだと苦みが強くて食べられませんが、加熱したり塩漬けにしたりすると食べられます。また果実には多くの油分が含まれていて、オイルを抽出できます。一般的にオイルを抽出するのは成熟した黒の果実がよいとされていて、緑の未成熟な果実は塩漬けなどにして食べられます。
オリーブ苗木 レッチーノ 80 強健品種
参考価格: 2,980円
オリーブのなかでも、レッチーノは育てやすい品種です。耐暑性・耐寒性ともに強く、成長が早いのが特徴です。気候の変化や病害虫にも強いので、庭木によく使われます。レッチーノは自家結実性が高くないので、果実を採取するにはほかの品種と一緒に栽培するのがおすすめです。
育てやすさ | ★★★★☆ |
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おすすめ度 | ★★★★★ |
果実の大きさ | 2g程度 |
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オリーブ苗木 ルッカ 結実容易な品種 全長80CM前後
参考価格: 5,280円
ルッカは自家結実性が高いのが特徴で、単体でも果実が採取できます。ルッカの実は小ぶりですが、たくさんの実をつける豊産性タイプです。枝は横方向に広がりやすく、成長するとねじれてきます。樹形を整えるために、定期的な剪定が必要な品種です。
育てやすさ | ★★★☆☆ |
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おすすめ度 | ★★★★☆ |
果実の大きさ | 2g~2.5g前後 |
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【オリーブ苗木[T]】 コロネイキ 3年生苗 7号鉢 【ガーデンストーリーの苗木】
参考価格: 7,112円
コロネイキはギリシャでもっともポピュラーな品種で、世界でも多く栽培されています。花の数が多く、果実もたくさん採取できます。しかし、寒さには弱いので寒冷地での栽培は向きません。コロネイキの果実からとれるオイルは品質が高く、オレイン酸が豊富に含まれています。
育てやすさ | ★★☆☆☆ |
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おすすめ度 | ★★★☆☆ |
果実の大きさ | 2g程度 |
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国華園 果樹苗 オリーブ シプレッシーノ 1株
参考価格: 2,640円
イタリアのシチリア島で多く栽培されているのが、シプレッシーノです。シプレッシーノは自家結実性がないため、これだけでは結実しません。しかし花粉の量が多いので、受粉樹として使われることもあります。樹高が低く樹形が崩れにくいので、観賞用やシンボルツリーに使われることが多い品種です。
育てやすさ | ★★★☆☆ |
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おすすめ度 | ★★★★☆ |
果実の大きさ | 2g~3g |
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LAND PLANTS オリーブ苗木 6号サイズ マンザニロ 白色鉢カバーセット
参考価格: 4,380円
マンザニロは小型で栽培しやすいですが、耐寒性がやや低いです。寒冷地でなくても、冬には防寒したほうがよいでしょう。自家不結実性ですが、受粉すれば実つきのよい品種です。マンザニロの果実は大ぶりで食感もよいため、主にピクスルや塩漬けにして食べられます。
育てやすさ | ★★★☆☆ |
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おすすめ度 | ★★★☆☆ |
果実の大きさ | 3g~4g |
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オリーブの植え付け時期は?
植え付けの適期は3月~4月です。しかし、真夏と真冬を除けば一年中植え付けできます。
オリーブの開花時期は?
5月~6月頃に白い花を咲かせます。
植え付け時期 | 3月~4月 |
植え替え時期 | 3月~4月 |
剪定の時期 | 3月~4月、9月~10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月中旬~6月上旬 |
収穫時期 | 9月~11月 |
品種によりますが、オリーブはそこまで寒さに強くないので、真冬の植え付けは避けましょう。また乾燥した環境を好むため、湿度の高い夏の植え付けもあまりよくありません。春先になると花芽が動き出し成長を始めるので、その時期に苗を植え付けるのがおすすめです。
オリーブは、地植えでも鉢植えでも栽培可能です。しかしなかには寒さに弱い品種もあり、関東以北の寒冷地では地植えにすると枯れてしまう可能性があります。氷点下の気温でも耐えられますが、霜や凍結には弱いです。凍結のおそれがある寒冷地では鉢植えで栽培し、冬は室内で管理しましょう。ただし、寒さが足りないと花芽の形成が不十分で、花つきが悪くなることがあります。
オリーブは、温暖で日当たりのよい場所を好みます。日当たりが悪いと成長も悪くなるので、地植えにする場合は南向きの場所を選ぶとよいでしょう。置き場所は基本的には屋外で問題ありませんが、管理状態がよければ室内でもよく育ちます。
多湿に弱く乾燥した環境を好むので、水はけのよい用土で栽培しましょう。鉢植えの場合は、赤土玉と腐葉土を6:4か7:3の割合で混ぜたものを使い、水はけをよくするために底石を鉢底に敷きます。オリーブは酸性の用土を嫌うので、石灰やくん炭を混ぜてアルカリ性にしておくと、枯れにくくなります。
鉢植えの場合は、水切れを起こしやすいです。水切れを防ぐために、用土の表面が乾いたらたっぷり水やりをしてください。ただし、水やりをしすぎると根腐れして枯れてしまいます。鉢皿にたまった水は捨てるなど、根腐れしないように工夫するとよいでしょう。冬は、夏場よりもやや乾燥ぎみに管理します。しかし、乾燥させすぎると実つきが悪くなることがあるので、冬場でも定期的に水やりをしてください。
地植えの場合は、植え付けの直後は水やりが必要ですが、根付いてからはほとんど降雨だけでOKです。ただし、結実期に雨が降らない日が続いたときは水やりをします。
肥料は年に3回、3月・6月・10月に油かすか速効性の化成肥料を施します。オリーブ専用の肥料がある場合は、それを使ってもよいでしょう。地植えの場合は、3月と10月の年に2回でも問題ありません。
代表的な害虫に、オリーブアナアキゾウムシがあります。オリーブアナアキゾウムシはオリーブの樹皮や果実を食べる害虫で、8月~10月がもっとも発生しやすい時期です。成虫を見つけたら、捕殺するか専用の薬剤を散布して対処してください。オリーブアナアキソゾウリムシは、風通しが悪いと発生しやすくなります。
ハマキムシは、オリーブの葉の特に新芽を食害する害虫です。食害の範囲が小さいときはその部分を切り落とすだけでもよいですが、広範囲に広がっている場合は薬剤を散布しましょう。
炭疽病とは、カビが原因で発生する病気です。炭疽病に感染した果実は黒や灰色の斑点を生じ、発病した部分は枯れて落ちてしまいます。さらに病気が進むと、果実の形が変形することもあります。炭疽病は一度かかってしまうと元には戻すのは難しいので、病気の部分を除去して感染が広がるのを防ぎましょう。対策としては、風通しのよい場所で管理することと、剪定をして多湿に注意することです。
梢枯病も、炭疽病と同様に多湿が原因で発生する病気です。発病すると枝の先端が枯れはじめ、だんだんと枝全体に広がっていきます。枝や葉の先端が茶色に変色していたら、梢枯病にかかっているかもしれません。梢枯病も炭疽病と同じく、発病した部分を取り除くことで対処します。風通しのよい場所で管理し、定期的な剪定をして予防しましょう。
開花後の6月頃は花を咲かせるためにエネルギーを使い果たした状態なので、追肥を行って養分を補給します。
根詰まりを防ぐために、1年~2年に1回は植え替えましょう。基本的には一回り大きな鉢へ植え替えますが、小さく育てたいときは新しい用土を使って同じ鉢に植え替えても問題ありません。
オリーブは風に弱く、強風に当たると倒れてしまうことがあります。特に幼苗のうちは根が浅いので、支柱を立てておきます。
伸びすぎた枝や弱っている枝は、樹形を整えるために剪定します。また病害虫の予防のために、混みあっている部分を剪定して風通しをよくしましょう。剪定の適期は3月~4月ですが、樹形が崩れたり枝葉がしげったりしていたら、その都度剪定しても問題ありません。樹齢が長いものは、強剪定をすると若返ります。
オリーブには数多くの品種がありますが、ほとんどの品種は自家不結実性という性質をもちます。自家不結実性とは、同じ品種の花粉では受粉できない性質のことをいいます。そのためオリーブの果実を採取したいときは、2種類以上の品種を栽培しましょう。
大ぶりの実をつける品種は、6月~7月上旬までに摘果を行います。あまり育っていない小さな実を摘み取ることで、残った実の成長がよくなります。
寒冷地では屋外での冬越しが難しいので、冬の間は室内に移動させましょう。しかし、オリーブは寒さが足りないと花芽を形成させません。寒冷地でない場合は、防寒対策をせず寒さにさらしましょう。
オリーブのおすすめの増やし方は、挿し木です。種まきでも増やせますが、時間がかかるのであまり一般的ではありません。挿し木の適期は6月~7月で、新しく伸びてきた若い枝を使います。10cm程度の長さに切った枝を2時間ほど水揚げしたあと、湿らせておいた挿し木用の用土に挿しましょう。このとき発根促進剤を塗ると発根しやすくなります。根が出てくるまでは半日陰で管理し、用土は常に湿った状態を保ちましょう。