サジーとは
サジーはユーラシア大陸の中~北部に自生する耐寒性の落葉低木です。日本には自生しない植物で、現在は北海道などで生産されています。鮮やかなオレンジ色の実をつけ、ジュースなどにして食用として使用されるほか、化粧品などの原料としても使われる注目のスーパーフルーツです。そんな口コミで話題のサジーについて詳しく見ていくことにしましょう。
基本情報
和名 | サジー(沙棘)、スナジグミ(砂地茱萸)、シーベリー、シーバックソーン、 ヒッポファエ、チャチャルガン |
英名 | Sea Buckthorn、Seaberry |
学名 | Hippophae rhamnoides (ヒポファエ ライモノドス) |
科 | グミ科 Elaeagnaceae |
属 | ヒッポファエ属 Hippophae |
形態 | 耐寒性落葉低木 |
樹高 | 60cm~4m |
種類
サジー(学名:Hippophae rhamnoide)は、下記の通りの8つの亜種に分類されます。分類によってサイズや形など植物としての特徴が異なり、分布や利用法も分類に応じて異なります。
サジーの分類
- Carpatica(カルパティカ)
- Caucasia(カウカシア)
- Fluviatilis(フルビアティルス)
- Mongolica(モンゴリカ)
- Rhamnoides(ライモノドス)
- Sinensis(シネンシス)
- Turkestanica(トルケスタン)
- Yunnanensis(ユンナンシス)
分布
サジーは主に世界に広く分布します。西はイギリス、フィンランド、東はモンゴル、シベリア、南はインド、ネパールなどヒマラヤの山地にも見られます。特にrhamnoides(ライモノドス)種はヨーロッパ~アジアの寒冷地に広く生息します。ドイツやフランスでは農業用植物として栽培され、日本でも北海道などで栽培がはじまっています。
名前
属名のHippophae(ヒポファエ)はギリシャ語で馬、phaos(ファオ)は輝かせる意味し、クロウメモドキの葉を馬の飼料として使用し、馬の毛にツヤを与えるために使われたことに由来します。種名のrhamnoides(ラモノイドス)は「クロウメモドキ属に似た」という意味です。砂地にはえるグミとしてスナジグミという和名をもちますが、「海のクロウメモドキ」を意味する英名シーバックソーンなどを使うこともあります。
植物としての特徴
サジーの樹高は60cm~6mほど、葉は細長く白緑色をしています。雌雄異株で、結実には雄雌の株が必要です。果実は6~9mmほどの円形、黄色~オレンジ色の液果をつけます。非常に発達した根をもち、しっかりと広く根をはって土壌の窒素を固定する菌と共生し、やせた塩分の多い土地にも育つことから、中国では砂漠緑化のため、また防風林としてサジーが利用されています。
サジーの栄養と効果
豊富な栄養
果実にはビタミンC、ビタミンE、ビタミンAのほか、ミネラル、アミノ酸など200種以上の多様な栄養分が含まれる栄養価が高いフルーツです。特にビタミンCはレモンやオレンジを超えるレベルです。ビタミンCは風邪の予防、シミやしわの予防、肌の弾力の維持、ストレスにも有効な効果が期待できるといわれます。
利用法
サジーはジャムや果実酒、ジュースなどの食用の他、伝統医学や医薬品に利用されます。果実には珍しく油脂を含むため、絞ったジュースの上層には油が浮かぶのが特徴です。抗酸化作用が高く、不飽和脂肪酸を多く含み、シャンプーやハンドクリームなどスキンケア化粧品の原料としてもこのオレンジ色の油脂が使用されることがあります。