エラチオールベゴニアはベゴニアソコトラナと球根ベゴニアをかけ合わせて作られた品種です。豪華な花を咲かせるうえ開花期間も長いため、冬から春にかけての鉢花として飾られます。しかし耐寒性に弱いので管理が難しく、栽培難易度は難しめとされています。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草(宿根) |
樹高・草丈 | 15~40cm |
花の色 | 赤、白、ピンク、オレンジ、黄色、複色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 常緑性、開花期が長い |
栽培難易度 | ★★★★☆ |
エラチオールベゴニアは、茎が垂れ下がるように成長するのが特徴です。また花色も豊富で、花の形がバラに似ています。そのため寄せ植えにする際は、エラチオールベゴニアを主役とすることが多いです。
エラチオールベゴニアの「エラチオール」はラテン語で、「背の高い」という意味があります。「ベゴニア」はフランスの植物学者「ミシェル・ベゴン」氏にちなんで付けられた名前です。
アールヌーヴォーの正式名称は「トヤズアート」で、濃いピンク色の花が特徴です。エラチオールベゴニアよりも花のサイズが大きく、重厚感があります。
アールデコはアールヌーヴォーよりも花色が濃い赤花品種です。大人びたアンティークな雰囲気を漂わせる花で、クリスマスギフトにもよく用いられます。
バルコスはベゴニア赤花品種の代表格で、大変人気があります。鮮やかな赤色の大輪花で、花もちも非常によいです。
シンディフリンジは、フリル状の花縁が特徴的な白とピンクの複色品種です。正式名称はシンディフラニエですが、シンディフリンジの名前で流通しています。
植え付け(鉢替え)時期 | 5月上旬~6月上旬、9月下旬~10月中旬 |
肥料の時期 | 9月下旬~5月中旬 |
剪定の時期 | 3月中旬~4月中旬、5月中旬~6月中旬 |
花が咲く時期/開花期間 | 9月下旬~6月中旬 |
エラチオールベゴニアは暑さ寒さともに弱いですが、特に耐暑性がない植物です。そのため植え付けは肥料時期のことも考慮して、5~6月に行うのがおすすめです。近年は日本でも酷暑・極寒の年が多いので、臨機応変に栽培時期を調整してみてください。
エラチオールベゴニアは苗から育てるのと、鉢植えにし室内で育てるのが主流です。屋外でも栽培は可能ですが、夏・冬越しの際にいつでも室内へ入れられるようにしておきましょう。
エラチオールベゴニアは室内で育てるのが一般的です。ペットがいるため屋外に置きたいという場合は、鉢に植えていつでも室内に避難させられるようにしましょう。非常にデリケートな植物なので、地植えはおすすめできません。
直射日光が苦手なため、季節を通して半日陰になるような場所に置きましょう。外に置く場合は、鉢に雨がかからないように注意してください。
エラチオールベゴニアは、水はけと水持ちのよい土を好む植物です。市販の草花用培養土を使用してもよいですが、自分で用土を作る場合は赤玉土5:腐葉土4:パーライト1を目安に配合した土をおすすめします。
土の表面が乾いたタイミングで、天気がよい日の午前中にたっぷりと水やりをしましょう。葉に水がかからないよう、葉をめくりながら根元に水をやるのがポイントです。
植え付けて1ヶ月ほど経過したら、10日に1回程度の間隔で薄めた液肥を施しましょう。植え替える場合は元肥に緩効性肥料を与えるのが一般的です。
エラチオールベゴニアは春から初夏の時期にかけて、花や葉にアブラムシがつくことがあります。日頃から牛乳や自然派農薬を使って害虫対策しておくのがおすすめです。
エラチオールベゴニアは「斑点細菌病」「うどんこ病」「灰色かび病」といった病気にかかりやすいです。特に斑点細菌病は、一度かかると治らず処分しなければならなくなるため注意しましょう。
エラチオールベゴニアの花後に傷んでしまった葉や落ちた花がらを放置しておくと、灰色かび病にかかりやすくなります。花弁の周りが茶色に変色し始めたらすぐに摘み取りましょう。
エラチオールベゴニアの増やし方は挿し木です。茎の先端(天芽)と開いている葉3~4枚を残して花と下の葉を取りのぞき、肥料を含まず水はけのよい土に挿しておくと、1ヶ月後くらいには苗ができあがります。
冬からエラチオールベゴニアを育てている場合は、3月くらいになると全体的な見た目のバランスが崩れてくるため、3月~4月に弱剪定を行い整えましょう。横枝かわき芽がある節を残して、すでに開花している主茎を根元から3~4節の位置で切り取ります。
出典:写真AC