アエオニウムは北アフリカ周辺原産の多肉植物の仲間です。年間を通して降雨量が少ない地域に自生しているので、乾燥に耐えられるように進化し、ほかの多肉植物とは少し違った見た目と性質をしています。
園芸部類 | 多肉植物 |
形態 | 多年草、低木 |
樹高・草丈 | 2~100cm |
花の色 | 白色、黄色、ピンクなど |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 観葉植物、寄せ植え、盆栽など |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
アエオニウムの多くは灌木状(かんぼくじょう)に幹を伸ばし、その先にロゼット状に広がる葉をつけます。葉の色は緑色やピンク色、茶色などさまざまです。背丈は数cm~1mほどにまで成長するものもあります。また斑入りの品種や交配種などの園芸品種も豊富です。
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黒法師はアエオニウムの代表的な品種で、日本でも古くから栽培されています。とても丈夫で、挿し木でよく増えるので民家の庭先で見かけることも多いです。成長すると1mほどになり、赤黒い艶のある葉が特徴です。茎を剪定すると複雑に分岐するので、樹形を仕立てながら楽しめます。
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サンバーストは、交配によって作出された園芸品種です。緑色の葉の周りにピンク色の斑が入り、春と秋には紅葉してさらに美しくなります。成長すると葉の直径が30cmほどにもなる大型の品種です。綴化した個体も流通しています。
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小人の祭りは、長さ1cmほどの多肉質の小さな葉をつける品種です。成長しても草丈は15cm程度で、群生するためほかのアエオニウムとは違った雰囲気をもっています。群生した中心部が蒸れやすいので、暑い時期は注意が必要です。
アエオニウムの成長期は3~6月頃と、10~12月頃です。7月は成長が緩慢になり、真夏と真冬は休眠期となります。アエオニウムは冬型の多肉植物とされることが多いですが、真冬は休眠するので管理の際は注意してください。
アエオニウムは基本的に鉢植えで栽培します。鉢植えであれば、単体でも寄せ植えでも育てられますが、寄せ植えの場合は管理がしやすいよう、同じような成長期の種類と植えるようにしてください。
アエオニウムは蒸れに弱いので、風通しのよい屋外での栽培が適しています。しかし、気温が5℃を下回ると枯れてしまうので、寒い時期は室内か園芸用温室に取り込んでください。
乾燥地帯に自生するアエオニウムは、雨に当たると枯れやすいので、軒下など雨の当たらない場所が適しています。日当たりが悪いと徒長してしまうので、適度に光が差し込む場所に置いてください。また、屋内の場合は窓際に置いて日当たりを確保しましょう。
アエオニウムは水はけのよい用土を好みます。市販の多肉植物用の用土であれば、手軽に栽培できます。自分で配合する場合は、赤玉土2:鹿沼土2:軽石1で混ぜたものをベースに、栽培環境は管理方法にあわせてほかの土を混ぜて調整してください。
成長期の水やりは用土が乾いてからたっぷりと行ってください。休眠期中は1か月に1回程度で、用土を乾かし気味に管理しましょう。スプレーで葉水を与えるのも効果的です。
肥料は、植え付け時に粒状の緩効性肥料を用土に混ぜて与えてください。その後は成長期に規定より薄めた液体肥料を1か月に1回を目安に与えます。休眠期中の肥料は悪影響が出るので、与えないようにしましょう。
アエオニウムにはカイガラムシやアブラムシなどの害虫が発生することがあります。定期的に観察し、早期に発見駆除できるようにしましょう。少量であればピンセットなどでつまんで除去できますが、大量発生の場合は市販の殺虫剤を散布して対処します。
アエオニウムがかかりやすい病気として根腐れ病があります。根腐れ病は多湿な環境で発症しやすいので、水やりのし過ぎや置き場所に注意してください。万が一発症してしまった場合は、一度苗を抜いて腐った根っこを除去し、水はけのよい用土に植え替えましょう。
アエオニウムを購入するときは、幹に張りがあり葉が開きすぎていないものを選んでください。また、葉の裏側や根元にはカイガラムシなどがつきやすいので、よく観察しましょう。
アエオニウムは成長にあわせて、1~2年に1回植え替えをしましょう。成長期の前半が特に適しています。土が乾いた状態で苗を抜き、傷んだ根を取り除いて1/3ほどに切り詰めます。一回り大きな鉢に植え変えたら数日間日陰で管理し、徐々に通常の管理へと移行します。
アエオニウムの苗が小さなうちは、成長を優先するために開花を待たずに剪定してしまうのがおすすめです。ある程度成長した苗の場合は、花芽を伸ばして開花を楽しんでください。花後はそのままにしておくと花がらに害虫がつきやすいので、早めに剪定します。
アエオニウムは高温多湿が苦手です。真夏の直射日光に当たると枯れてしまうので、風通しのよい半日陰になるような場所に移動させて夏越しさせてください。ひと月に1回程度水やりをしますが、夕方の涼しい時間帯に行いましょう。種類や個体によっては葉を落としますが問題はありません。
アエオニウムは耐寒性はやや強いですが、気温が10℃を下回る時期になったら、室内や園芸用の温室などに移動させましょう。室内に取り込んだ際は、エアコンの風が当たると枯れやすいので置き場所に注意してください。また、日当たりが悪い場所い置くと、徒長したり葉色がくすんだりするので、明るい窓際が適しています。水やりをする際は、晴れた日の日中に行いましょう。
アエオニウムの一般的な増やし方は挿し木です。挿し木をする場合は、茎を10cm程度にカットし、数日間切り口を乾かします。その後、清潔な用土に挿しておくと数週間~1か月ほどで発根します。発根したら普通の用土に植え替えて、通常の管理をしてください。
出典:写真AC