黒法師とは
基本情報
科目/属性 | ベンケイソウ科/アエオニウム属 | 別名 | サンシモン |
原産地 | カナリヤ諸島 | 開花時期 | 3~5月 |
草丈 | 30~100cm | 休眠期 | 夏 |
ベンケイソウ科のアエオニウム属は、葉をロゼット状に広げ枝分かれしながら成長する種類です。黒法師はアエオニウム属の中でも、比較的育てやすい植物です。越冬もしやすく何年も楽しむことができます。黒い葉が魅力的ですが、この葉色は成長期によく日に当てると色づきます。夏は半日陰に移動させるため秋には少し色が褪めて緑色がまざりますが、日なたへ移動すると黒い葉に戻ります。
特徴
黒法師の生息地
ベンケイソウ科のアエオニウム属には約30種類ほどの原種があり、黒法師は園芸用に品種改良された植物です。アエオニウム属の原産地カナリヤ諸島はアフリカの北東の海に浮かぶ島々で、気温12℃~30℃で雨はあまり降らない地域です。
黒法師の成長期と休眠期
原産地では夏が休眠期で冬は成長期ですが、黒法師の生育温度は約10℃~25℃のため日本では春と秋が成長期になります。日本の夏は蒸し暑いため夏の休眠期は注意が必要ですが、冬の寒さには比較的強いので越冬しやすい種類です。
黒法師の育て方①置き場所
置き場所は、黒法師の生息地に近い環境にします。雨の当たらない場所で、季節ごとに移動しましょう。特に夏と冬は、黒法師にとっては過酷な時期になります。霜が降り始めるころと、梅雨に入るころに気をつけます。冬は氷点下でも耐えることができますが、株が弱りやすくその後の成長期に影響が出やすいので、0℃を下回る時は室内に取り込むことをおすすめします。
季節ごとに移動しましょう
- 春・秋・・・日なたで、雨の当たらない場所
- 夏 ・・・半日陰で、雨の当たらない場所
- 冬 ・・・日なたで、霜の降りない場所
室内に取り込む場合は、日の当たる窓辺
*室内に取り込んだ場合、暖かくなり外へ出す時は半日陰から日なたへと徐々に外に慣れさせていくと葉焼けを防ぐことができます。
黒法師の育て方②水やり
黒法師も他の多肉植物と同じで、あまり水やりを必要としません。夏の水やりは、土の中が蒸れてしまい根腐れを起こしやすくなります。また冬の水やりは鉢の中で水が氷り根が傷みやすくなったり、凍傷になったりします。そのため、夏越しと越冬を成功させるために断水するつもりで管理しましょう。
水やりは株元にたっぷりと鉢底から流れるくらい
- 春・秋・・・1~2週間に一度
- 夏 ・・・1ヵ月に一度、又は断水
- 冬 ・・・半月~1ヵ月に一度、又は断水
室内に取り込む場合は、1~2週間に一度
黒法師の育て方③用土と肥料
水はけがよい土
アエオニウム属は多肉植物の中でも湿気に弱いタイプなので、水はけのよい土を使います。市販の多肉植物の土などを使うと安心です。自身でブレンドする場合は、川砂1:鹿沼土1:腐葉土1がおすすめです。特に夏と冬は鉢の中に1週間以上水を保ったままだと、夏越し、越冬が難しくなります。鉢植えが通気性の悪い種類(プラスチック鉢やリメイク缶など)の場合は、鹿沼土のかわりに日向土や軽石を使ったり、ゼオライトを混ぜ込んだりすると通気性もよくなり根腐れ防止になります。
肥料はあまり必要としません
他の多肉植物と同様に肥料はあまり必要としません。水やりの頻度が少ないので、与える場合は液体肥料がおすすめです。与える時期は、成長期の春と秋に月に一度水やりと一緒に与えます。成長期以外の肥料は徒長しやすいので控えましょう。肥料の代わりに活力剤を与えるのもおすすめです。
黒法師の育て方④植え替え
茎から根が出てきたり、鉢の底から根が出てきたりした場合は植え替えを行います。植え替えの時期は春と秋で、とくに根付きやすい4月と10月がおすすめです。また、土に栄養がなくなるので定期的に1~2年に一度は植え替えを行いましょう。
黒法師の植え替えの手順 |
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黒法師の育て方⑤増やし方
多肉植物にはいろいろな増やし方がありますが、アエオニウム属の黒法師は挿し木が成功しやすくおすすめの増やし方です。挿し木の時期は植え替えの時期と同じで、春と秋の4月と10月です。剪定すると、親株から新芽が出てきます。親株は剪定後も通常通りの管理方法で育てます。
黒法師の挿し木の手順 |
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ボタニ子
大事に育てていても起こってしまうトラブル。次のページでは、枯れそうな時の対処法を季節ごとに紹介します。
黒法師