アオダモは日本の北海道から九州まで広く自生する落葉広葉樹です。滑らかな木肌と青々とした緑が美しく、シンボルツリーとしても近年注目を集めています。
園芸部類 | 庭木・花木 |
形態 | 落葉広葉樹 |
樹高・草丈 | 5~15m |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 鑑賞用・家具・バットやラケット |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
アオダモがシンボルツリーとして人気である理由のひとつに、幹の美しさがあります。大きく育つにつれて灰色の木肌にところどころに白樺のような白い模様があらわれ、涼やかな印象です。また、とくにこまめな剪定をせずとも自然に美しい樹形に整います。ところどころゆるやかな曲線を描く枝は観賞価値が高く、雑木林風の庭を目指す人たちから人気です。
北海道から九州にかけて自生するアオダモは、耐寒性・耐暑性どちらも強いのも特徴のひとつです。幼木の間は注意が必要ですが、一度根付けばたくましく育ちます。
アオダモは木肌や樹形、葉の緑が美しい樹木ですが、初夏に咲く白い花も大変美しく、夏の暑さを忘れさせてくれるような清涼感があります。落葉広葉樹なので、秋には紅葉もみられ、季節の移ろいを感じさせてくれるでしょう。
マルバアオダモ
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通常のアオダモは葉の周りがギザギザしているのに対して、マルバアオダモは「マルバ」という名前のとおり、葉の縁がなめらかで、ギザギザしていません。木肌や花の美しさはアオダモと同じなので、よりやらわかな印象をもつ庭木を探している人におすすめです。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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樹高 | 5~15m |
ヤマトアオダモはアオダモのなかでも高木に成長し、山の中で自生しているものなら25mほどになります。ただし、花がつきにくいという特徴は覚えておきましょう。家具やバッドになる木材として栽培されているものの多くはヤマトアオダモです。
植え付け時期 | 11~2月、3~7月 |
施肥の時期 | 3月、6月 |
剪定の時期 | 12~2月、6~7月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4~5月頃 |
アオダモに適した植え付けの時期は11~2月、3~7月ですが、霜がおりるような寒冷地の場合は若い苗が枯れてしまう恐れがあるので、5~7月がよいでしょう。植え替える場合は葉からの蒸散量が少なく、根が動かない落葉期が適しています。
アオダモは庭植え、鉢植え両方の栽培方法が可能です。ただし、アオダモは時間をかけて大きな木に成長するので、最終的には庭植えが望ましいでしょう。
アオダモは幼木の間はあまり日を必要としません。数年たつと光の射す方へ伸びていくため、幼木の間は鉢植えを室内で育てることも可能です。ある程度の大きさに成長すれば日の当たる屋外での管理に切り替えましょう。
幼木の時期から庭植えで育てる場合、日当たりを考えて場所を選びます。幼木の間はほかの庭木や建物の陰になるような場所を選び、日光が終日降り注ぐような場所は避けましょう。ある程度成長してから日当たりのよい場所へ植え替えると成長しやすくなります。
アオダモは、水はけのよい肥沃な土を好みます。庭植えにする場合は、土に腐葉土と堆肥を混ぜ込みましょう。水はけの悪い場所に植えるときは腐葉土を庭土に対して3~4割混ぜ込みます。鉢植えの場合は観葉植物用のブレンドされた土などで構いません。
庭植えで根がしっかりとついている場合は水やりは、夏場の乾燥している時期以外はそれほど気にする必要はありません。猛暑で雨のない日が続いたときに根元にたっぷりと水を与えましょう。植え付けたばかりで乾燥に負け、葉の先端が黒く枯れ始めているときは株元に腐葉土や堆肥をかぶせ、水の蒸発を防ぎます。葉水も与えましょう。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら定期的にたっぷりと水を与えましょう。冬場は成長が止まるので少し控えめに与えます。
ボタニ子
アオダモの施肥は、基本的には年1回の寒肥で十分です。株元の土に有機肥料や堆肥、油粕などを混ぜ込みます。鉢植えの場合、有機肥料などは虫の発生原因ともなるので化成肥料や液肥がおすすめです。
アオダモは適切な管理をすれば害虫被害はほとんどありません。風通しがよくなるように剪定をおこないましょう。ごくまれに地面の際からテッポウムシ(カミキリムシの幼虫)が侵入することがあります。幹に穴が開いていると侵入の可能性がありますので殺虫剤を使用して駆除しましょう。
【住友化学園芸】園芸用キンチョールE
園芸用キンチョールE
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「園芸用キンチョールE」は細いノズルがスプレーの先端についており、食害された幹の穴から殺虫剤を木の中に送り込みます。とくに食害初期に効果抜群で、一度スプレーすると翌日には穴から逃げ出してきた幼虫が地面に落ちているでしょう。テッポウムシの被害は初期対策が重要です。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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殺虫成分 | ペルメトリン |
ボタニ子
テッポウムシの対策についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
アオダモは丈夫なため、かかりやすい病気はとくにありません。
花後の管理はとくにありません。雌雄異株ですが雄も雌も花を咲かせます。種を採取したい場合は雌雄両方の株を植えましょう。
葉がついている時期の苗であれば、葉の様子を観察しましょう。先端が黒や茶色になっているものは水が足りておらず、水切れを起こしています。水切れを起こした苗は植えたあとも根付かない可能性があるので避けましょう。また、幹の根本などにテッポウムシの侵入がないかも確認して選びます。
アオダモは自然樹形が美しいので、大きな枝を切り落とすような強剪定は必要ありません。ただし、あまりに葉がしげり、蒸散と吸水のバランスが悪いようなときや風通しが悪く病害虫の発生が心配されるときは混みあっている枝を剪定しましょう。アオダモは枝の分岐が多く、枝と枝が重なりやすいため、枝が伸び切らないうちに整理するとダメージも少なく健康に育ちます。
地面にしっかりと根付いたアオダモの夏越し対策はとくに必要ありません。極度な乾燥が続く日は、涼しい時間にたっぷりと水やりをします。苗が若い間は乾燥に負けてしまうことがあるので、株元に堆肥や腐葉土をかぶせます。鉢植えであれば半日陰になる場所へ移動させるのもよいでしょう。
アオダモは耐寒性も強いため、とくに冬越しの必要はありません。
アオダモの花後に種が採れたときは、その種から増やせます。アオダモの種は乾燥すると発芽率が下がるため、採集次第、土にまいて育てる方法がおすすめです。土の乾燥に気を付けながら水やりを続けると、春に発芽します。
アオダモの若く元気な枝を15~20cmに切り、根元を斜めにカットします。カットした枝を水につけ、1時間ほど水あげした後、挿し木用の土で管理しましょう。発根剤を使うと成功率がアップします。
メネデール
メネデール
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「メネデール」は発根剤のファーストチョイスにおすすめです。アオダモ以外の植物にも使用できるため、1本あると便利です。植え替え時や植物が弱ったときの栄養剤としても使用できます。
おすすめ度 | ★★★★★ |
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容量 | 100mL |
アオダモ3.5号ポット苗
参考価格: 1,438円
鉢の直径が約10cm、高さは30cmほどのアオダモの幼木です。鉢植え、地植えともに植えやすく、スタートしやすいサイズが魅力でしょう。鉢植えの場合は数年に1回の間隔で鉢のサイズを大きくして植え替えていきます。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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ポットサイズ | 3.5号 |
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苗の高さ | 約30cm |
葉は蒸散しているため、水分が抜けていきます。葉水を適切におこなうと葉の枯れを防ぎ、植物を健康に保てます。詳しい記事はこちらです。