テッポウムシとは
テッポウムシはカミキリムシの幼虫
テッポウムシといってぴんと来た方は虫に詳しい方か過去に苦い経験をお持ちの方です。樹木と植物愛好家の天敵テッポウムシはカミキリムシの幼虫時代の呼び名です。テッポウムシは植物の幹の中を食べトンネルのような穴を作り進み幹に鉄砲が通ったような細長い穴を開けてしまうことから、このように呼ばれています。テッポウムシはもちろんカミキリムシもあまり身近ではないですよね。じっくり紹介していきます。
カミキリムシってどんな虫なの?
成虫は昆虫愛好家にも人気
カミキリムシは種類や生態も多種多様で大きさも数ミリのものから5センチを超えるものまで様々です。海外では手のひらサイズのカミキリムシまでいるんです!その幼虫を想像したくないですよね。カミキリムシは見た目も格好良く昆虫愛好家に人気があり収集されている方も少なくありません。
幼虫は1〜2年かけて羽化
幼虫は1年または2年かけて樹木の中を食べ続け、最後に幹の中でほぼ成虫の姿で蛹となって羽化するときは丸い穴を開けて外に出てきます。次に良く見かける主なカミキリムシをご紹介します。お庭で見かけたことはありませんか?
ゴマダラカミキリ
よくいる種類なので一度は見かけたことがあるのではないでしょうか?
- 体長3センチほど
- 背中にゴマのような白い点々がある
- 幼虫はミカン、ヤナギ、クリ、イチジク、バラなどの幹を食べる
ミヤマカミキリ
- 体長3センチから5センチほど
- 幼虫はクリ、クヌギなどの幹を食べる
クワカミキリ
- 体長3センチから5センチほど
- 触覚が黒と白のしましま
- 幼虫はクワ、イチジク、バラなどの幹を食べる
シロスジカミキリ
- 体長4センチから6センチほど
- 背中に黄色いすじがある
- 生き絶えると、黄色いすじは白色に変化する
- 幼虫はコナラ、クヌギ、ヤナギなどの幹を食べる
カミキリムシの幼虫テッポウムシの生態を知ろう!
テッポウムシの幼虫は樹木の中で成長
カミキリムシは6月から10月頃に幹の地際部分に小さな穴を開けて産卵します。一週間ほどで孵化し幼虫の間は翌年5月頃まで樹木の中を食べることを続けます。また、産卵時期が遅く孵化するのが遅かった幼虫は2年ほどかけて成虫になるものもいます。
幹の根元におがくずがあれば、テッポウムシを疑う
幼虫は少し平べったく頭でっかちな白い幼虫です。フンは小さな穴から外へだしていくので、幹の根元におがくずのようなものが認められればまずテッポウムシを疑いましょう。成虫は捕まえると胸のところからギィギィとかなり大きな音をたてます。
テッポウムシによる植物への深刻な被害
植物の天敵テッポウムシ
植物の葉を食べる害虫と違い、幹の中を食べるテッポウムシは樹木にも植物愛好家にとっても天敵です。表面からは存在が分からないため発見が遅れてしまうと対策ができず、その生態からたった一匹のテッポウムシでも幹の中を食い荒らされ中が空洞になり樹木が栄養を運べなくなります。
最悪の場合、木が枯れることも
その結果、枝が枯れたり、最悪の場合は木そのものが枯れてしまうこともあり樹木にとってはまさに天敵なのです。テッポウムシが入りやすい植物を育てている場合は、常に株元に注意することが必要となります。
外来種クビアカツヤカミキリの襲来
クビアカツヤカミキリの生態
クビアカツヤカミキリは特定外来生物に指定され、その幼虫はサクラやモモ、ウメなどのバラ科の樹木を食べる外来種のカミキリムシです。体長3センチから4センチで首に赤い部分があります。繁殖力が非常に強く卵を多く産むため狭い範囲で大繁殖する傾向があるようです。
クビアカツヤカミキリによる被害
クビアカツヤカミキリの被害にあった木です。大木ですが驚くほど食害されています。ここまで樹木内が食べられていると幹がぐらつき倒木の恐れがあり危険なため伐採処理が必要になってしまいます。身近な街路樹などがもしかしたら被害にあっているかもしれません。もし見かけたら樹木を守るため協力しましょう。
ニュースに取り上げられることも
クビアカツヤカミキリによる、街路樹や果樹園の被害は深刻な問題としてテレビニュースでも取り上げられております。各地方自治体で農薬駆除剤を使用したりと対策をとることもあるので、見つけたときには速やかに自治体へ連絡しましょう。
ボタニ子
続いて、カミキリムシの駆除方法を紹介
出典:写真AC