アオダモとは?
アオダモは葉や枝ぶりが繊細で、爽やかな印象を与える人気の庭木です。圧迫感がなく、洋風や和風のどちらにも違和感なく馴染むのが魅力です。しなやかで粘りのある性質をもち、バットの材料にも使用されています。アオダモとはどのような木なのか、詳しく紹介していきます。
基本情報
学名 | Fraxinus lanuginosa |
科名 | モクセイ科 |
属名 | トネリコ属 |
原産地 | 日本、朝鮮半島 |
樹高 | 5~15m |
開花期 | 4~5月 |
別名 | アオタゴ、コバノトネリコ |
アオダモは、成長すると15mを超えることもある落葉高木で、日本では北海道~九州まで広く分布しています。もともと日本に自生している樹木で、庭木として植える場合もあまり環境を選びません。管理もしやすく、爽やかな印象を与えるためシンボルツリーとしても人気です。
ボタニ子
アオダモは、植物のなかでも数種類しかいないといわれている「雄性両全性異株性」なんです!
ボタ爺
うむ。雄花だけをつける雄株と、雄雌の両性花をつける両性株の2種類がある珍しい木なんじゃ。
アオダモはバットの木として有名
アオダモは堅く粘りのある材質で、衝撃にも強いためバットに使用される木としても有名です。木目が真っすぐで美しく、バットの他にもテニスラケットやスキー板、楽器、家具などにも使用されています。
ボタ爺
イチロー選手もアオダモのバットを愛用していたんじゃ。
ボタニ子
近年ではメープル材などがバット材の主流になり、アオダモ材のバットは少なくなってきているんですよ~。希少価値がありますね。
無計画な伐採やシカの食害などで、アオダモがなかなか育たないことが、アオダモ材のバットが減ってきた一因とされています。
花言葉
「幸福な日々」「未来への憧れ」
アオダモの花言葉は「幸福な日々」と「未来への憧れ」です。とても明るく前向きで、シンボルツリーにもふさわしい花言葉でしょう。
ボタニ子
現在も未来も輝くような花言葉で、素敵ですね!
名前の由来
「アオダモ」という名前は、切り枝を水に浸すと、水が青みを帯びることに由来しています。これはアオダモの樹皮に含まれる「エスクリン」という成分が、水に反応して青く光るためです。この特性を利用し、アオダモは染料としても用いられています。
アオダモの特徴
特徴①幹
アオダモは、幹の美しさに特徴があります。幹は滑らかで灰褐色をしており、成長するにつれ、菌類が付着することによってできるまだらな縞模様が現れます。木漏れ日が降り注いだような幹肌は、観賞価値が高く人気です。山で育った「山採り」のアオダモは、縞模様が特に濃いため、購入するときの参考にしてみてください。
ボタニ子
同じ幹の特徴をもつ木に「アオハダ」があります。アオハダについては下の記事も参考にしてみてくださいね。
特徴②葉
アオダモの葉は、葉軸の左右に羽のように3~7枚ほど対生しています。葉の大きさは4~10cmほどで、縁にはギザギザと切れ込みが入っています。葉は柔らかいですが、毛虫の被害を受けにくく、初めて庭木を植える人にもおすすめです。涼しげに並ぶ葉が、ナチュラルな雰囲気をつくりだしています。
条件が合えば紅葉も
条件が合えば、秋に紅葉することがあります。日当たりがよく、朝と夜の寒暖差がしっかりとある場所に植え付けるのが、きれいに紅葉させるコツです。
特徴③花
4~5月に、新葉の展開と同時に白い花を咲かせます。3~5mmほどの細長い花弁は、綿毛のように柔らかで優しい印象です。ふわふわとした白い花の集まりは、遠目に見れば煙をまとっているかのようにも見えるでしょう。
出典:写真AC