アリウムは「ハナネギ」とも呼ばれている球根植物です。4月〜6月にかけて、ピンク色や紫色のかわいらしい花を次々と咲かせます。園芸品種がたくさん販売されており、自分好みのアリウムを探すのも楽しみのひとつです。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10cm~120cm |
花の色 | 赤、ピンク、黄、白、青、紫、複色 |
耐寒性 | 寒い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 球根植物、耐寒性が強い、寄せ植え、切り花 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
アリウムは、ポンポンのような独特な咲き姿をしており、まっすぐ伸びた花茎には、葉がないのが特徴です。観賞用に作られている品種は花もちがよく、フラワーアレンジメントや切り花などに利用されています。
パープルジャイアント アリウム
参考価格: 1,498円
パープルジャイアントは、名前のとおり紫色の大きな花を咲かせる大型の品種です。鮮やかなボールのような花が咲き誇る姿は、とても見応えがあります。
花色 | 紫 |
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草丈 | 100cm〜120cm |
アリウム 丹頂 小輪20球
参考価格: 1,199円
丹頂は、すらっと伸びた花茎に、赤紫色の花を咲かせる品種です。草丈は60cm〜80cmで、花壇のアクセントにも利用されています。
花色 | 赤紫 |
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草丈 | 60cm〜80cm |
植え付け時期 | 10月〜11月 |
植え替え時期 | 10月〜11月 |
肥料の時期 | 4月、10月 |
剪定の時期 | 6月〜7月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月〜6月 |
アリウムは露地植えでも、プランターや鉢植えでも育てられます。花壇の寄せ植えにする場合は、草丈が高く成長するため、ほかの植物の背景として植え付けるのがおすすめです。鉢植えにする場合は、株間を15cmほどあけて植え付けてください。
鉢選びのポイントは?
アリウムは根を深くまで伸ばす性質があるため、6号以上の深鉢を使用するのがポイントです。また、風にあおられて鉢が倒れないように、重みのある鉢を選びましょう。
アリウムは、日当たりと風通しのよい場所で管理します。発芽に適した温度は10℃〜15℃のため、冬の寒さにしっかり当てないと発芽しません。そのため、10月〜11月の植え付け後は、なるべく屋外で管理してください。
室内でも育てられる?
発芽後、ある程度成長すれば室内での栽培も可能です。レースのカーテン越しの窓辺など、適度に日光の当たる場所で育てましょう。
アリウムは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土で育てます。市販されている草花用の培養土や、山野草用の培養土を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んでから、少量の日向土を加えた用土を使用してください。酸性の用土を嫌うため、地植えにする場合は、苦土石灰をすき込んでおきましょう。
地植えでアリウムを育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分なため、水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してから水を与えてください。水切れを起こすと、株が弱ったり枯れたりするので注意しましょう。
肥料は、植え付けの用土に元肥として、緩効性の化成肥料や堆肥を混ぜ込んでおきます。追肥は、花が咲き始める4月頃に緩効性の液体肥料を施してください。肥料の与えすぎは、肥料やけを起こして枯れる原因となります。
アブラムシは、年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生し、アリウムの成長に必要な栄養分を吸汁します。数が少ない場合は、ガムテープなどに貼り付けて駆除しますが、大量発生した場合は、殺虫剤を散布して駆除しましょう。
アリウムは比較的丈夫な植物のため、病気にかかりにくいといわれています。しかし、花後の剪定をするときに、切り口からウイルス病に感染する可能性があるため注意が必要です。剪定で使用するハサミやナイフは、しっかりと消毒しておきましょう。
アリウムを球根の状態で購入する場合は、ずっしりと重みがあり、適度な硬さのある球根を選びましょう。ポット苗の場合は、茎が太くてまっすぐ伸びている苗を選ぶのがポイントです。葉の裏側まで確認して、病害虫被害を受けていない苗を購入してください。
アリウムの剪定は6月〜7月に行います。茎が伸びすぎている部分や、花が終わった部分を切り戻し剪定していきましょう。
アリウムは、花後に休眠期に入るのが特徴です。25℃以上になると、株元から枯れ込んできて、地上部が枯れた状態で夏越しします。球根を植えっぱなしにしても夏越しできますが、雨が長く続くと、球根が腐る恐れがあるので注意しましょう。なるべく夏前に球根を掘り起こし、暑さをしのげる軒下や室内で管理してください。
アリウムは冬の寒さに強く、冬越しに必要な作業はとくにありません。アリウムの球根は、寒さにしっかり当てないと発芽しないので、屋外で冬越しさせましょう。
アリウムは、親球から子球を切り取る「分球」という方法で増やしていきましょう。分球は10月〜11月が適期のため、植え替えと同時に行うのがおすすめです。球根が乾くと発芽率が下がるので、分球したらすぐに植え付けてください。
出典:写真AC