油虫(アブラムシ)とは?
気がつくと植物の葉などにくっついている害虫が「アブラムシ」です。油断をすると数がどんどん増えてしまいます。アブラムシの体長は小さいため排除もしにくく、そのまま放置してしまうと被害がおよびます。早めの駆除が必要です。今回はガーデニングファンの天敵ともいえるアブラムシについて、生態や種類、駆除方法などをご紹介します。
アブラムシの概要
アブラムシは「蟻牧(アリマキ)」という名前も持っています。多くの植物からは迷惑がられ、害虫の筆頭です。葉の上や裏などに生息し続けていて、口ばしの針を茎に刺し草花の内服液を吸って生きながらえています。またアブラムシは蟻と仲がよく、自分が出す分泌物を蟻が好み、その交換条件として天敵からガードしてもらう習性を持っています。
アブラムシの由来
なぜアブラムシという名前になったのでしょうか?アブラムシの由来は江戸時代に遡ります。当時、萩の木に寄生していたアブラムシを手で擦りつぶして、髪に塗るという子どもの遊びがありました。まるで油でテカテカと光らせてるような光景だったことが由来とされています。また、アブラムシはその生態習性から秋の季語にもなっています。
油虫(アブラムシ)の生態
アブラムシは新芽やつぼみなどに集団で群れ、汁を吸いながら生息します。そのため草花の生育を阻害させる害虫として嫌悪されています。またウイルスを媒介し植物への直接的ダメージを与えかねません。アブラムシが大量に寄生した植物は枯れてしまう恐れがあるのです。
アブラムシが発生する原因
アブラムシが繁殖しようとする原因は、与えた肥料に問題があります。窒素分の多い肥料を必要以上に与えるとアミノ酸が多くなってしまいます。アブラムシはそれに惹きつけられ寄生するのです。もう1つの原因は、植物が密生した環境によるものです。株が複数で密着すると風通しが悪くなります。アブラムシは空気の流れが悪い場所を好むからです。
油虫(アブラムシ)の種類
アブラムシにはいくつものタイプが確認されています。各種類の体の色も緑、黒、黄色など、カラフルな色彩を持っています。そんなアブラムシのなかでもネギアブラムシ、モモアカアブラムシ、ニセダイコンアブラムシが代表的な虫です。かなり見た目がバラエティに富んでいるのがアブラムシの特徴ともいえます。
ネギアブラムシ
ネギアブラムシはその名が示すように、ネギなどに寄生するアブラムシの一種です。幼虫からの発育が早くて増殖も旺盛な特徴があります。常にコロニーを形成し草花を荒らします。ネギアブラムシが発生する場所は本州の南部に集中し、特に5月~6月、10月~11月がもっとも繁殖する時期です。
ニセダイコンアブラムシ
ニセダイコンアブラムシはアブラナ科の植物にだけ繁殖する虫です。発生時期は秋で、葉の裏側に群生する習性があります。成虫には大きな羽があるのが特徴です。寄生された葉は黄色に変色し、生育不良になります。排泄物から発生する「すす病」による被害も深刻です。ほかにもモザイク病の原因であるキュウリモザイクウイルス、カブモザイクウイルスを媒介させる厄介な性質があります。
モモアカアブラムシ
モモアカアブラムシは主に桃やすもも、梅といった果実や、アブラナ科、ナス科の野菜などに寄生し、卵から幼虫として越冬する種類です。毎年5月頃に成虫し数種類の植物に移動しながら、世代を渡り歩いて繁殖していく息の長い害虫です。
ボタニ子
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