ザミオクルカス・レイヴンは2006年に韓国で発見され、標本として育てられ2019年頃から出回り始めた新種の観葉植物です。成長がゆっくりで栽培農家がまだ少なく、出荷量も少ないので高額で取引されることがあります。
園芸部類 | 観葉植物 |
形態 | 常緑多肉性/非耐寒性/多年草 |
樹高・草丈 | 30cm~100cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強め |
特性・用途 | 成長がゆっくり |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ザミオクルカス・レイヴンは漆黒に近い黒い葉が特徴です。新芽は緑色ですが、半年ほどかけて成熟すると黒くなります。新芽は10枚~12枚が細めのタケノコのような形状で、直接土から伸びてきて一斉に展開します。新芽も成長した黒い葉も肉厚で、光沢があるのが特徴です。
ザミオクルカス属には抗炎症効果や鎮痛作用、皮膚病や耳の病気に効くという説があり、タンザニアでは湿布として活用されています。しかし、全草にシュウ酸カルシウムという毒性があるため、使用しないほうがよいでしょう。風水的には金運アップ効果があります。
ザミオクルカス・ザミフォーリア
参考価格: 4,980円
ザミオクルカス・ザミフォーリアはレイヴンよりも流通が多いため、価格もおさえられ人気のある観葉植物です。レイヴンは黒い葉ですが、ザミフォーリアの葉の色は深みのある緑色です。
ほかに品種はある?
ザミオクルカス属には、葉が丸い「lucky」や葉の色が濃く上に伸びる「zamicro」、ライムグリーンの斑が入る「luckywhit」や葉の縁がフリルになっている品種もあります。しかし、まだ日本にはほとんど入荷されていません。
植え付け時期 | 5月~6月 |
植え替えの時期 | 5月~6月 |
追肥の時期 | 4月~6月・9月~10月 |
剪定の時期 | 春と秋 |
休眠時期 | 15℃以下 |
ザミオクルカス・レイヴンは気温が18℃~26℃になる春~秋が栽培適期です。
ザミオクルカス・レイヴンは移動が可能な、プランターや鉢植えで栽培するのがおすすめです。春や秋は屋外での栽培もできます。
ザミオクルカス・レイヴンは耐陰性が強いため、室内での栽培の場合あまり場所を選びません。しかし、あまりにも日が当たらない時間が長くなると徒長するので、たまに日光浴させましょう。屋外での栽培は、夏の直射日光と冬の寒さ対策が必要です。
ザミオクルカス・レイヴンは耐陰性が強いとはいえ、日が当たったほうが葉の色つやがよくなります。室内ではレースのカーテン越しに日が当たる場所で、屋外では直射日光をさけ、特に夏は明るい日陰で管理します。冬は15℃を切るようであれば室内の、優しい光が入る場所へ移しましょう。
ザミオクルカス・レイヴンは、葉や根に水を蓄えられる乾燥に強い植物です。用土は水はけのよい物を選びます。自作する場合は軽石3:赤玉土6:ピートモス1の割合がおすすめです。
ザミオクルカス・レイヴンの春と秋の水やりは、用土が完全に乾いてからたっぷりと与え、受け皿に残った水は捨てます。夏も完全に用土が乾いてから与えますが、涼しくなった夕方に水やりします。冬は休眠期で水揚げが鈍るので、完全に用土が乾いて数日たってから与えてください。
基本的に肥料を与えなくても育ちますが、与えたほうが成長が早くなります。春と秋に液肥を与えるか、緩効性化成肥料を置き肥してください。
ザミオクルカス・レイヴンにつく害虫は、ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ、バッタやナメクジ、ダンゴムシなどです。毎日葉水を与えることで、害虫の予防、早期発見駆除にもつながります。バッタは目視できるため、ピンセットや箸で駆除しましょう。
ザミオクルカス・レイヴンの種は流通していないので、苗を購入します。茎や葉に勢いがあり、葉の裏や茎の根元などを見て害虫の付いていないものを選びましょう。
ザミオクルカス・レイヴンの植え替えは、2年に1回は行いましょう。黒くなったり、古くなったりした根を取りのぞき、一回り大きな植木鉢に植え替えます。底にネットと底石をひき、用土を1/3ほど入れてから広げた根で高さを調整します。周りに用土を入れたら、たっぷりと水やりしてください。
ザミオクルカス・レイヴンは葉がよくしげるので、勢いがなくなった葉や混んできて風通しがよくなくなった場所を剪定します。よく切れるナイフやハサミを使用しましょう。
ザミオクルカス・レイヴンの夏越しは、室内の場合エアコンの風のあたらない場所です。レースのカーテン越しに日が当たる場所で管理します。屋外の場合は、寒冷紗や遮光布で直射日光を避けるか、明るい日陰に移します。40℃近くになるようであれば、一時的に室内へ避難するのもよいでしょう。
ザミオクルカス・レイヴンは耐寒性が低いため、屋外で管理している場合15℃くらいになったら室内へ移動させます。屋内でも夜は窓の近くから離し、5℃を下回らない暖かい場所に置きましょう。
ザミオクルカス・レイヴンは株分けや挿し木(挿し葉)で増やせます。適期は5月~6月で、植え替えが株分けのタイミングです。挿し木は元気のよい葉を3cmほど茎を残してカットし、赤玉土に挿すか水挿しで発根を待ちます。発根するまでは水を絶やさないでください。
参考価格: 17,800円
流通量が少なくどうしても高価になりがちなザミオクルカス・レイヴンですが、増やし方も簡単で栽培も難しくないため、初心者にもおすすめです。
育てやすさ | 初心者でもOK |
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成長速度 | ゆっくり |
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