園芸部類 | 庭木 |
形態 | 常緑低木 |
樹高 | 50~60cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
栽培難易度 | ★★★★☆ |
オタフクナンテンは、ナンテンの矮性品種で、草丈が50cmほどにしかなりません。名前の由来のとおり、一般種より丸みを帯びた葉っぱが特徴です。また、ほとんど開花せず実もつきません。気温が寒くなると、真っ赤に紅葉して美しい姿を楽しめます。
オタフクナンテンの名前の由来は、ナンテンの一般種と比べて、葉に丸みを帯びている種という意味で付けられました。また、ナンテンは中国名の南天燭(なんてんしょく)をそのまま音読みしたことから名づけられたという説が有力です。
植え付け時期 | 4~5月、9~10月 |
植え替え時期 | 4~5月、9~10月 |
肥料の時期 | 2~3月、9~10月 |
剪定時期 | 2~4月 |
オタフクナンテンの植え替えや植え付けは、4~5月と9~10月頃が適しています。特に成長期初期の春が最適で、その後の生育もよくなります。あまり遅い時期に植え替えてしまうと、冬を迎えるまでに十分に根張りしないので、注意が必要です。
オタフクナンテンは、鉢植え・庭植えどちらでも育てられます。それほど大きくならないので、単体での鉢植えはもちろんのこと、コンテナでの寄せ植えにもおすすめです。また庭植えの場合、単独での栽培からグランドカバーや、垣根としても使用できます。
オタフクナンテンは丈夫でそれほど大きくならないため、室内・屋外のどちらでも栽培できます。しかし乾燥と直射日光には注意してください。特に夏場の直射日光に当たると葉焼けをしてしまい、美しい紅葉を楽しめなくなります。鉢植えの場合は、日光の当たり具合を見ながら季節によって場所を移動させるのも効果的です。
オタフクナンテンは、乾燥にやや弱い面がありますが、常に湿った環境も嫌います。そのため水はけと、水持ちのバランスがよいものが最適です。市販の鉢植え用の用土を使用すれば、手軽に栽培し始められます。自身で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を1:1で混ぜたものを使用しましょう。
乾燥を嫌うオタフクナンテンは、定期的に水やりが必要です。しかし毎日水やりをしてしまうと、用土が常に湿っていて枯れる原因となります。1週間に2回程度、用土の表面が乾いてから水やりをしてください。地植えの場合は基本的に必要ありませんが、夏場に晴れの日が続くようであれば朝か夕方に水やりしましょう。
肥料をあまり必要としないオタフクナンテンには、冬場に寒肥として緩効性肥料を与え、生育状況をみて夏場に少し追肥します。オタフクナンテンは肥料分が多すぎると葉色が悪くなるので、与える量には注意してください。
オタフクナンテンに寄生しやすい害虫として、カイガラムシが挙げられます。カイガラムシは葉から養分を吸い出すだけでなく、排せつ物によりすす病を引き起こします。早期に発見できれば指やピンセットで除去できますが、大量発生した場合は殺虫剤を散布しましょう。また、風通しが悪いと発生しやすいので、無駄な枝葉を剪定し、風通しのよい場所で栽培してください。
オタフクナンテンは病気に強いですが、ときおりモザイク病に罹ることがあります。モザイク病はアブラムシがウイルスを媒介し、感染すると葉にまだら模様ができたり葉が縮れたりします。こまめに観察しアブラムシを早期発見、除去しましょう。万が一感染した場合は、市販の薬剤を散布してください。
オタフクナンテンの花後の管理は特に必要ありません。花柄を除去しておけば、カイガラムシの予防につながります。
オタフクナンテンの苗を購入する際は、幹が太く葉に艶があるものを選びましょう。また葉の根元や枝の隙間などに、カイガラムシやアブラムシが寄生していないかしっかりと確認してください。基本的に丈夫な植物ですので、幼苗からでの栽培もそれほど難しくありません。ご自身の環境に合わせたサイズの苗を選んでください。
オタフクナンテンを鉢植えする場合は、苗よりも一回り大きな鉢を用意しましょう。庭植する場合は、苗より一回り大きな穴を掘って植え付けます。古い鉢から抜いた後は、余分な土を落とし、弱い根を切り落としてから植え付けてください。植え替え後はたっぷりの水をかけると、新しい根の発根が促されます。
オタフクナンテンは成長がゆっくりで、ほかの樹木ほど剪定を必要としません。樹形を見て、バランスが悪い部分を剪定する程度でよいでしょう。また混み入った場所があれば、間引き剪定をすると風通しがよくなり、病害虫の予防につながります。
オタフクナンテンの増やし方は、挿し木が一般的です。2~3月の新芽が出てくる前に、太い枝を5cmほどに切って、挿し木用の用土に挿してください。発根するまで乾燥しないように管理をし、十分に発根したら通常の用土に植え替えましょう。
出典:写真AC