キャットミントとは
ネペタとも呼ばれるキャットミントは、名前にミントが付くのでハーブと間違われますが、食用には向きません。キャットミントの正しい情報を理解して、ガーデニングを楽しみましょう。
キャットミントの基本情報
科名/属名 | シソ科/イヌハッカ属 |
品種名 | ネペタ ファーセニー 他 |
分類 | 多年草 |
草丈 | 30〜100㎝ |
耐寒性 | 強い(一部に弱い品種もある) |
耐暑性 | やや強い(蒸れを嫌う) |
育てやすさ | ★★★★★ |
キャットニップとの違い
キャットニップはキャットミントと同じく、シソ科イヌハッカ属のハーブです。園芸店ではハーブ苗コーナーに置かれていて、ハーブティにも利用できます。
どっちも猫が好き
キャットニップにはマタタビのような、猫がうっとりする香り成分があります。キャットミントは人間の食用には向きませんが、猫は大好きです。猫が口にする場合は、肥料や薬剤の使用にも気を配りましょう。
ボタ爺
ウチじゃキャットニップは3匹とも好きなんだが、キャットミントの方は好みが別れるようだな。
ボタニ子
猫にも、好き嫌いがあるのね…
キャットミントの特徴
特徴①育てやすい多年草
キャットミントは多年草の植物です。寒冷地では宿根草扱いとなり、冬に地上部分は枯れるが春になると新しい芽が上がってきます。植えっぱなしで毎年花を咲かせる多年草の中でも、開花時期の長いキャットミントは人気が高まっています。
多年草と宿根草
- 多年草とは、植えつけてから何年も、生息(開花・結実)し続ける草花
- 宿根草とは多年草の中で、地上部分が枯れても、地中に残った根や地下茎から発芽する草花
- 草花自体が多年性であっても、気候(暑さ、寒さ)によって生息できず、1年草扱いされる草花もある(こぼれ種で増えるコスモスは1年草)
特徴②春と秋に花が楽しめる
キャットミントは、開花時期が4〜10月(温暖な地域では、真夏は咲かない)と長いのも特徴です。ただし、咲かせっぱなしでは株を弱らせてしまうので、夏前に刈り込みましょう。庭植えのキャットミントは、4〜6月の春咲きと9〜10月の秋咲き、1年に2度花が楽しめます。
特徴③猫のおやつにおすすめ?
生育は旺盛なので、猫のおやつにおすそ分けしても充分に楽しめます。猫も喜ぶキャットミントは自然に丸く茂ってくれるので、ナチュラルガーデンにもおすすめです。
キャットミントの種類
キャットミント・ネペタの花色には、青紫系の他にピンク系・白系もあります。園芸店でもたくさん見かけるようになりました。中でも育てやすくておすすめの品種を4種ご紹介します。
キャットミント ウォーカーズロー
シルバーリーフ(白っぽい葉)で、大きめの花が咲く人気の品種です。花付きもよくてボリューム感があって、ふんわりとまとまりよく咲きます。
キャットミント シックスヒルズジャイアント
シックスヒルズジャイアントは、花が咲くと草丈が90㎝程の大型になる品種です。爽やかなブルー系の花は他の草花とも相性が良く、ローズガーデンにもおすすめです。
キャットミント ピンクキャンディ
優しいパステルピンクのキャットミントです。ピンクキャンディは草丈が40〜50㎝とコンパクトな品種で、プランターや寄せ植えにもおすすめです。寄せ植えで楽しんだ後に庭に下ろせば、花がより長く楽しめますね。
ネペタピンクドリーム
元々日本に自生するミソガワソウの改良品種で、庭植えで育てやすいのが特徴です。草丈は60㎝とやや小さめですが、ピンク〜紫系のやや大きめの花が咲きます。青紫系の「ブルードリーム」もあります。
ボタニ子
次のページでは、キャットミントの育て方と利用法と、お手入れのコツや増やし方をわかりやすくご紹介します。
キャットミントの育て方
病害虫にも強いキャットミントですが、夏場の蒸れには注意が必要です。元気に花付きよく育てるためのポイントを、わかりやすくご紹介します。
育て方①庭植え/鉢植え
キャットミントは庭植え・寄せ植えどちらでも育てやすい草花です。大型になる品種は花壇の中景〜背景に、コンパクトな品種は寄せ植えや花壇の前景におすすめします。庭植えではボリュームよく成長するので、間隔を広めにあけて植え付けるのがポイントです。夏の蒸れは枯れる原因になるので、風通しのよい場所を選びましょう。
育て方②日当たり/水やり
日当たりは、良好なところから半日陰でもよく育ちます。寄せ植えでは土がしっかりと乾いてから、水やりをしましょう。草丈があり花付きがよいキャットミントが倒れないように、水やりでは株周りに回しかけるのポイントです。
育て方③用土/肥料
キャットミントは、水はけのよい土で育てるのがポイントです。ブレンドする場合は、赤玉土の中粒〜小粒に腐葉土を混ぜ込み、有機石灰を少量加えて作ります。市販のお花の培養土を使用する場合は、赤玉系のゴロゴロした用土を選びましょう。植え替えや植え付けの時以外、肥料はほとんど必要ありません。
ミントなのにハーブじゃない?
キャットミント・ネペタは名前にミントが付いていますが、ハーブではないのでハーブティなどの用途には適しません。ハーブではありませんが、キャットミントはシナモンに似た香りがあります。剪定枝を活用して、ドライフラワーやポプリなどで楽しんでみましょう。
ドライフラワーやポプリに
お庭やベランダで剪定したキャットミントを束ねて乾燥させれば、スワッグやリース作りの材料になります。人気のアロマワックスバー作りもいいですね。ガーデニング以外の用途にも、キャットミントは楽しめます。
キャットミントのお手入れ
繰り返し花を咲かせるには、年に2回のお手入れが欠かせません。キャットミントは思い切った刈り込みが、こんもりふんわりのポイントです。花が咲かない!というお悩みには、植え替えや株分けをおすすめします。
剪定でスッキリ
梅雨の始まる頃に、地面から10〜20㎝ぐらいのところでカットする、切り戻し剪定をしましょう。夏の蒸れで枯れるのを防いで、秋咲きもしっかりと楽しめます。秋には霜が降りて茶色く枯れる前に、地際でスッキリと剪定すれば、冬越しの準備も整います。
植え替えと植え付け
キャットミントの植え替え時期は、春をおすすめします。キャットミントは成長が早く根の張りも旺盛なので、鉢植えの場合は年に1度の植え替えが必要です。根をほぐして一回り小さくカットしてから、新しい用土で植え付けましょう。ポット苗の植え付けは、春と秋がおすすめです。
キャットミントの増やし方
増やし方①株分け
年数が経つと根や花芽が混み合って、株が貧弱になり花が咲かないこともあります。半分に割って、新しい土で植え直しましょう。株分けと植え替えは、春がおすすめの時期です。
増やし方②挿し芽
剪定したキャットミントを利用して、挿し芽で増やすことができます。水に挿して根が出てくるのを確認してから、ポットに植えます。挿し芽・挿し木用の専用土に植えたら、明るい日陰で湿度を保って管理しましょう。
増やし方③種まき
キャットミントは、こぼれ種で自然に増えることはありませんが、種から育てることができます。個体差が出てしまうので、成長過程で選別していきましょう。遊休地の雑草対策にもおすすめです。
まとめ
爽やかなブルー系の花穂がきれいなキャットミントは、春と秋に繰り返し花が楽しめる人気の多年草です。病害虫に強くて肥料もほとんど必要なく、丈夫で育てやすいガーデニングにおすすめの品種です。花と緑のある暮らしに、猫も喜ぶキャットミントをプラスしてみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC