芋煮とは
「芋煮」とは山形県を中心とした地域で長く親しまれている郷土料理の1つです。里芋を主役にすえ、肉、こんにゃく、ネギなどの野菜と一緒に鍋で煮ます。
山形郷土料理「芋煮」のルーツ
そんな「芋煮」誕生のルーツはいくつかあります。そのうちの有名なもの2つをご紹介しましょう。
ルーツ①旧暦「芋名月」に里芋をお供えした
旧暦八月十五夜の別名は「芋名月」と呼ばれます。この別名にちなみ、この日に里芋をお供えする習慣がうまれたと考えられています。ちょうどこのあたりは里芋の収穫時期にもあたりますので、収穫の感謝の気持ちを芋煮をお供えすることで示したのかもしれません。
ルーツ②船便の交流から誕生した
江戸時代は船便によって各地域の農産物などが運ばれていました。船便は最上川を経由し、京都や大阪からは棒鱈(ぼうだら)、砂糖、衣類などが、山形からは里芋、米、繊維などが行き来していました。先に京都で里芋と棒鱈をあわせた郷土料理「芋棒」が誕生し、これが船頭たちを通じて山形に伝わり、「芋煮」が誕生したという説があります。
芋煮会は船頭たちの文化から発祥
「芋煮会」は今や誰もが知る山形県の文化ですが、この文化は船頭と商人たちによって生み出されました。荷揚げや積み込みを待つ間に船頭や商人たちが、船着き場で里芋や棒鱈を煮て、松の枝にその鍋をかけてみんなで分けあったのが発祥といわれています。山形県中山町は芋煮発祥の地ともされており、「鍋掛松」と呼ばれる松が残されています。
山鹿の郷土料理「芋煮」は2つの味つけ
山形の郷土料理「芋煮」は里芋が主役の鍋料理ですが、味付けは実は2つあります。山形県は大きく4つの地域に分けて考えることができます。海に近い「庄内」、庄内の東側に位置する「最上」、最上の南に位置する「村山」、そして山形県南部に位置する「置賜」の4つです。海に面する地域では主に「味噌」と「豚肉」が使われ、内陸地域では「醤油」と「牛肉」が使われる傾向があります。
さらに地域ごとに具材に特徴があるらしいわ。醤油味だけど隠し味に味噌を使う地域もあるんですって。
芋煮といっても奥深いね!さすが歴史ある郷土料理といったところだね。ここでは定番の醤油味と味噌味について詳しく見ていこう。
①醤油味
醤油味で仕上げる地域は、庄内地域を除く3つの地域とされています。ただし、同じ醤油味でも最上地域では肉は豚肉を使います。また、村山地域は甘めの醤油を、置賜地域では隠し味に味噌を使うとされています。
②味噌味
山形県南部に位置する庄内地域の芋煮は味噌味が主流です。肉は豚肉を使い、きのこや厚揚げなどもふんだんにはいった鍋で具だくさんなのが特徴です。庄内浜に近い地域なので浜での芋煮会も盛んです。
自宅で里芋を栽培し、芋煮を作るのもいいですね。里芋の育て方についてはこの記事を参考にしてみてくださいね。
野菜の具材たっぷりにすれば、カロリーも抑えられるね。ランチや夕ご飯としても十分な食べ応えがありそうだ。さっそくレシピをチェックしてみよう。
芋の味付けは大きく「醤油」と「味噌」に分かれて、肉も「牛肉」と「豚肉」に分かれるということだね。