里芋の芽は食べられる!
保存していた里芋から芽が出たら焦ってしまうかもしれません。しかし、焦らなくても大丈夫ですよ。なぜならば、里芋の芽は毒性がないため食べられます。里芋の芽は毒性のあるジャガイモの芽と違って、必ず取る必要もなく食べられる芽です。
里芋の芽の正体
里芋の芽の正体は、葉柄です。里芋は根を食べているように思われていますが、実は根ではなく茎です。茎の地下部である塊茎(かいけい)と呼ばれているところを食べています。芽と思われがちな部分は、茎から出ているため葉柄です。
葉柄とは?
葉柄は茎と葉をつないでいる接続部分のことです。葉の先に細くなった茎のようなものが茎から出ますが、茎や葉の一部ではなく葉柄と呼ばれます。葉柄は植物によって長さはさまざまで、葉柄がまったくない植物もあります。
本当に里芋の芽には毒性ない?
「ジャガイモの芽に毒性がある」と聞いたことありませんか?ジャガイモの芽には、ソラニンやチャコニンという天然の毒性が含まれています。そのため、多くの人は「ジャガイモの芽は食るのはNG、必ず取る」といわれてきたでしょう。一方、里芋の芽にはまったく毒性がありません。ジャガイモの芽のような心配は無用で、食べても大丈夫です。
里芋の芽に含まれているもの
里芋の芽には、カルシウムや食物繊維が豊富に含まれています。毒性どころか、身体によいとされる栄養素が詰まっています。食べても大丈夫なうえに、体によいというところが、毒性のあるジャガイモの芽と大きく違う点です。
里芋から芽が出たらどうすればいいの?
里芋から芽が出たら、芽のみを取ることをおすすめします。芽を食べるときは必ずあく抜きが必要ということと、そのまま芽を取らずつけておくと里芋自体の味が落ちてしまうことが理由です。
どの里芋の芽が食べられる?
里芋の芽には、基本的に赤色のものと緑色のものがあります。食べても大丈夫な芽を知っておきましょう。
赤色の芽
赤色の芽は、旬の時期になると市場でも出回ります。あく抜きをすると美味しく食べられます。
緑色の芽
緑色の芽は毒性はありませんがあくが強いため、食べることには向いていません。あく抜きをしても、あくが残ってしまいます。緑色の芽が出たら食べるのはあきらめて、取るのがよいでしょう。
里芋の芽の名前
里芋の芽と呼ばれている部分には、実は呼び名があります。どのような名前で呼ばれているのか見ていきましょう。
ズイキ
ズイキは、親芋から出ている芽のことです。子芋や孫芋から芽が出たら、厳密にはズイキとはいいません。
ズイキが食べられる時期と旬
ズイキの旬は夏です。主に6月~9月で、市場に出回ることもあります。この時期を逃すと市場には出回らくなるため、食べたいときは旬を逃さずに買うか、里芋を育ててみましょう!
ズイキの種類
ズイキは主に3種類あります。赤いズイキと白いズイキ、青いズイキです。赤いズイキは八つ頭から、白ズイキは里芋から、青ズイキはハスイモから出ます。ただ単に「ズイキ」と呼ばれる場合は、八つ頭から出た赤ズイキのことをいいます。
ズイキの歴史
ズイキの歴史は古く、戦国時代では非常食として食べられていました。ズイキを干すと、長期間保存できるため、非常食として扱われていたのです。
根芋
根芋は、千葉県柏市のみで栽培されている里芋の芽です。ズイキの一種で、親芋から出てきた新芽を使用して作られます。親芋から芽が出たら、日光を当てないように育てます。日光が当たらないと葉緑素ができず芽は白くなり、若いうちに摘み取られます。一部の農家でしか生産されていないため、市場に出回ることはまれです。料亭や百貨店などで、食べられたり購入できたりします。
根芋が食べられる時期と旬
根芋は1月~4月が旬です。市場に出回ることはまれですが、産地では旬の時期になると直売所で販売されることがあります。時期を逃すと食べられないため、食べたいときは産地の直売所へと足を運ぶことをおすすめします。
ボタニ子
市場に出たらラッキーだと思って即買ってしまいそう!でも、どうしても食べたいときは産地の道の駅などに行けば大丈夫そうだね。
イモガラ
イモガラは、芽の皮むきをしてから干して乾燥させたもののことです。ズイキの一種ですが、乾燥させると名前が変わります。乾燥させた芽は長期間保存ができます。また、乾燥させることにより栄養価が高まるというメリットがあり、非常食にも利用されてきました。
ジャガイモから芽が出たら取る必要はあるけれど、里芋の芽には毒性がないから大丈夫なのね。しっかり覚えておきましょう!