セレベスとは?
赤い芽と茎が特徴のセレベスは、東南アジアが原産のサトイモ科植物です。カタカナの名前なのでなじみが薄いように感じるかもしれませんが、日本でも古くから栽培されており、煮物やみそ汁などの和食以外にもいろいろな食べ方ができるのも魅力の1つにあります。
里芋の仲間
「セレベス」という名前だけを聞くとどんな植物かイメージしにくいですが、セレベスは和食の食材の定番である里芋の仲間で、かつては日本でも広く栽培されていました。なおセレベスと里芋は食味に違いがありますが、食べ方やレシピには似たものが多いです。
セレベス島が原産
セレベスはインドネシア領内にあるセレベス島(現在のスラウェシ島)を原産とするサトイモ科の植物で、原産国のインドネシア周辺では「タロイモ」の名称で知られています。なお日本でも縄文時代ごろには伝わり、サツマイモの栽培が盛んになる江戸時代以前は、煮物やみそ汁などの食べ方で庶民の間でもよく知られていました。
名前の意味
見た目も食べ方も里芋によく似ているセレベスですが、「セレベス」という名前の意味は原産地であるセレベス島を意味するといわれています。ただしセレベスはインドが原産という説もあるので、「セレベス島でよく栽培されていた芋=セレベス」という意味の方が正しいといえます。
別名「赤芽芋」
セレベスは芽の部分が赤いのが特徴で、別名「赤芽芋」と呼ばれています。分類上でもセレベスは芽が赤くなる特徴を持つ赤芽品種の仲間とされ、芽の色の違いから里芋とセレベスを見分けることができます。なおセレベスは芽だけでなく茎も赤いですし、皮の表面も赤っぽいです。
セレベスと里芋の違い
同じサトイモ科の植物であるセレベスと里芋ですが、知名度が高く全国的にも普及している里芋に対して、食味が似ているのに知名度が低いのがセレベスです。似ているところも多いセレベスと里芋ですが、この2種類は特徴・見た目などあまり知られていない違いもあります。
①皮の色
セレベスと里芋は同じサトイモ科の植物ですが、表面の皮の色に違いがあります。里芋の皮の表面は全体的に黒色をしていますが、セレベスの皮はやや赤みがかかっています。ちなみにセレベスの皮が赤みがかかっているのは品種の特徴なので、赤い色をしていても健康を害するような成分は含まれていません。
②食べられる部分
セレベスと里芋はどちらも親芋・子芋・孫芋がつきますが、食べられる芋の種類に違いがあります。どちらもメインで収穫するのは子芋ですが、親芋と孫芋は種類によって違います。ちなみにセレベスの親芋は食べられますが、里芋の親芋は食べられません。また孫芋の場合、里芋はOKですがセレベスはNGです。