サトイモ(里芋)の育て方!種芋の植え方から肥料や収穫のコツまでご紹介!

サトイモ(里芋)の育て方!種芋の植え方から肥料や収穫のコツまでご紹介!

「家庭菜園で里芋を作ってみたいけれど、育て方がわからない」といった方も多いでしょう。本記事では、写真や図を使いながら里芋の育て方を解説します。芽出し、植え付け時期と方法、栽培時期、発芽後の苗への水やり、土寄せ、収穫のポイントなど手順やコツをチェックしましょう。

記事の目次

  1. 1.里芋の育て方の概要
  2. 2.里芋の栽培時期
  3. 3.実際に栽培してみました!
  4. 4.里芋の植え方
  5. 5.里芋の育て方
  6. 6.里芋の収穫
  7. 7.収穫した芋の調理
  8. 8.まとめ

里芋の育て方の概要

保存したサトイモ

里芋は、霜が降りなくなる頃に種芋を発芽させ、2度の追肥と土寄せを梅雨が明けるまでに行ない、乾燥時期に草でマルチングをして秋までお世話すれば収穫できます。栽培期間が長いわりに植え方や栽培方法はシンプルです。病害虫も少なく植え方のポイントとコツさえつかめれば、満足のいく収穫を目指せるでしょう。

里芋の栽培時期

桜の時期

春作の作物の栽培時期については梅や桜の萌芽や開花を指標にするとよいでしょう。
出典:筆者撮影

里芋を育てる時期は、日本の中間地で3月~10月と長いほうです。東南アジア原産で小苗は霜に弱く、桜の花芽が膨らみ霜が降りなくなる時期に芽を出させ、霜が降りる時期までに収穫します。畑や庭で里芋を作るならば、年間の栽培スケジュールを計画するときに注意してください。里芋の大きな株が長いあいだ茂り、畑を占拠するからです。

実際に栽培してみました!

出典:筆者撮影

6年ほど畑の場所を変えながら、ほぼ同じ植え方で栽培しています。収穫した芋を冬越しさせ、種芋として植え続けています。年間で霜が降りなくなる日を調べ、その2~3週間前に植え付けるのがポイントです。初心者の頃は近所で育てている方に、畑への植え付け時期の適期や栽培方法をたずねました。

栽培している里芋
出典:筆者撮影

芽出しや発芽がうまくいけば半分成功したといってよいでしょう。栽培場所が里芋に適していれば、2度の土寄せとともに行う追肥以外は、それほど手間がかかりません。秋の収穫は育ちのよいものから順に行いました。私が育てている在来種は親芋、子芋、孫芋どれも食べられる種類で重宝しています。

里芋の植え方

顔を出した里芋の芽

少しだけ顔を出した里芋の芽。里芋には上下があります。一般には芽のあるほうを上に向けて植え付けます。
出典:筆者撮影

植えみぞ
種芋の植え方のポイントは次の2つです。
  1. 種芋を深めに置く。種芋の上に新しい芋が生じるため
  2. 肥料を底と芋の間に置く。種芋に肥料が接するとくさりやすいため
完熟堆肥は多少種芋に触れていても構わないため、土全体によく混和しましょう。
出典:筆者作成
夏の日差しを受ける畑

それほど日あたりがよくなくても、里芋は半日でも日があたる程度で育ちます。むしろ土にある程度湿り気のあるほうを好みます。
出典:筆者撮影

土作りをしよう

下準備となる土作りです。植え付け1カ月前に予定地に堆肥100g/平方メートル、苦土石灰50g/平方メートルをまき耕します。植え付けの1週間前に、畝の中央部に鍬で幅・深さともに20cmの溝を掘り、堆肥100g/平方メートル、化成肥料(もしくは有機配合肥料)50g/平方メートルを入れて混ぜましょう。3cmほど土をかぶせ(間土)肥料をなじませます。

植え付けよう

間土の上に株間60cmで、芽を上向きにして種芋を並べます。葉が開くほど芽出しした芋ならば葉が出る深さでよいです。芋と芋の間に堆肥100g/平方メートル、化成肥料(もしくは有機配合肥料)50g/平方メートルを入れて軽く混ぜてから土をかぶせます。水やりはいりません。この方法ならば発芽まで2、3週間~1カ月です。

里芋の育て方

里芋の根元

里芋は育てやすい作物のひとつです。大株になるとひと抱えほどになり、おいしい芋を選んで種芋にできます。
出典:筆者撮影

庭で作る場合には他に作りたい作物とのスペースの調節が求められます。大きな里芋を収穫したいならば、スペースを惜しまないことです。条件がそろうと一株で抱え込むほどに成長し、大きな芋を数多く収穫できます。

育て方①防寒

発芽したサトイモ

発芽してまもない里芋の様子。
出典:筆者撮影

芽出し後や発芽間もない苗の頃はとくに霜に弱いため、霜が予想されるときには腐葉土などを苗にかけます。芽出し時期に寒さから守ることがのちの生育に向けてのポイントです。寒さを防ぐ植え方としてビニールマルチを利用する方法があります。その場合には、芽でビニールが少し持ち上がってしまうため、傷をつけないように穴をあけ芽を出してください。

育て方②脇芽かき

わき芽がさかんに出た里芋

脇芽が多すぎると肥料が分散してしまうことがあります。
出典:筆者撮影

発芽してくると苗から芽がたくさん出ることがあります。肥料の養分が散ってしまい小さな芋ばかりになりかねません。小さな脇芽を引き抜く方法を覚えましょう。まず、残したい芽のまわりの地面を手のひらで押さえて、抜きたい芽を引き抜くのがポイントです。この方法で種芋が一緒に抜けてしまうことを防ぎます。

育て方③追肥と土寄せ

生長するサトイモ

生長に合わせて追肥とともに少しずつ土寄せします。
出典:筆者撮影

大きな里芋の作り方のポイントは「追肥」「土寄せ」です。5月と6月のそれぞれの時期に、追肥と土寄せを同時に2度行うのがコツです。土寄せは子芋ができるスペースと、空気の流れを確保するために行ないます。根元から離れた位置に追肥し、1回あたり5~10cmの高さに土寄せすることで土の重さが苗の負担になりません。

梅雨空と虹

梅雨明けまでに追肥を終えます。その後の作業は乾燥防止です。
出典:筆者撮影

育て方④わらマルチ

枯れ草マルチ

里芋の弱点は乾燥で、すぐに葉が黄変します。
出典:筆者撮影

乾燥を防ぐポイントも知っておきましょう。梅雨が明けると乾燥の時期が盆すぎまで続きます。乾燥を嫌う里芋の根元にわらや草刈りしたかやなどで覆うマルチをして、表面からの水の蒸発を抑えるのがコツです。収穫時期まで覆われていることが望ましいです。さらに株の根元の除草を忘れずに行いましょう。肥料を横取りされてしまうからです。

夏空

梅雨明け後は乾燥に注意します。
出典:筆者撮影

育て方⑤水やり

乾燥が続くときには苗に十分に水やりします。
出典:筆者撮影

7月後半から雨が降らずに土が乾きやすくなり、水やりが重要な時期に入ります。水もちがよくなく乾燥しがちならばマルチだけでなく、水やりをします。土が湿り気味ならば水やりは必要ありません。水は少量をたびたびより、頻度が少なくても1度にたっぷりやりましょう。慣れてきたら、葉色や土の乾き具合を見つつ水やりします。

育て方⑥風害や病虫害

枯れた葉

里芋は連作すると病害が起こりやすい野菜です。4、5年あけるとよいとされています。
出典:筆者撮影

夏から秋の時期には台風がきて強い風が吹くことがあります。茎は、風にはある程度は耐えますが、葉は風でちぎれたり破れたりしがちです。こうして傷んだ葉や折れた茎をそのままにしないで、根元近くから取り除き病気の感染を防ぎます。しばらくすると太い幹の中心から新たな葉が出てくるでしょう。

嵐の前。

嵐の前。風には気をつけます。
出典:筆者撮影

風が吹いていないのに葉が傷んでいることがあります。これは虫によるもので、茎の根元部分や周囲の土中の表面付近をさがすと芋虫が見つかります。セスジスズメやハスモンヨトウが多く、初期のうちは捕殺し、薬剤を使うならば里芋に使えるかどうか薬の容器の表示を確認しましょう。

土作り

堆肥を入れて土作りに励みましょう。
出典:筆者撮影

里芋を栽培するうえで気をつけたいのは連作です。里芋は作物のなかでも連作障害の出やすいもののひとつといわれています。なるべく多くの有機物を土に取り入れて土作りに励むことが求められます。
 

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