しいたけの味噌汁を食べよう
味噌汁は「日本のおふくろの味」の代表格です。豆腐やわかめ、ねぎに油揚げなど、いろいろな具材が使える点も人気の理由でしょう。近年はしいたけの味噌汁の人気が高まっています。しいたけは、だしに利用できるほどの旨味を持ち、栄養も豊富なきのこです。そのため美味しくて栄養満点な味噌汁が作れます。
しいたけは栄養豊富で低カロリーな食品です。ダイエット中でも安心して食べられますよ。
しいたけはきのこで、味噌は大豆由来の食材、味噌汁のだしもしいたけでとれるから、ベジタリアンにもおすすめの料理だよ。
しいたけの味噌汁の栄養
しいたけの栄養
しいたけにはエリタデニンという成分が豊富に含まれています。エリタデニンは悪玉コレステロールを抑制し、血圧を低下させる働きがあるとされ、生活習慣病の予防・改善効果を期待されている栄養成分です。このほかにも、しいたけにはビタミンDや食物繊維などの栄養成分が含まれていますよ。
エリタデニンは、しいたけ固有の栄養成分として紹介されています。ほかのきのこ類には、ほとんどない成分なんですよ。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けることから骨や歯の増強効果を、食物繊維は便秘の解消や、腸内環境改善効果を期待されているよ。
ちなみにしいたけは乾燥させて干し椎茸にすると、さらに栄養や旨味が増加しますよ。
また、シイタケに含まれるエリタデニンという特有成分には血中コレステロール値を下げ、血流をスムーズにして血圧を低下させる効果が期待できます
味噌の栄養
味噌は大豆を発酵させて作る食品です。発酵の過程で、大豆にはないアミノ酸やビタミン類などの栄養素が生成されます。特に、筋肉や神経伝達物質の生成など、重要な役割を多く担う必須アミノ酸をすべて含んでいる点は見逃せません。大豆由来の植物性タンパク質に加えて、さらに多くの貴重な栄養素が加わる味噌は、毎日の食卓に欠かせない食品といえます。
みその原料である大豆は、発酵によって大豆にはない、または、あっても少量のアミノ酸やビタミン類が多量に生成され、栄養価はさらに優れたものになっています。
しいたけの味噌汁と相性のよい具材
ここからは、しいたけの味噌汁と相性のよい、おすすめの食材を紹介します。しいたけの味噌汁に相性のよい食材を加えることで、食べ応えや美味しさがさらに増しますよ。栄養価の高い食材なら、栄養バランスアップ効果も狙えるでしょう。
具材①豆腐
豆腐は味噌汁の具材として、人気の高い食品の1つです。豆腐は味噌と同じ大豆由来の食品で、味噌汁との相性がよく、淡白な味はしいたけのようにクセがある食品ともケンカしません。しいたけの味噌汁と組みあわせる具材として、まさに理想的といえるでしょう。
具材②油揚げ
油揚げは豆腐を揚げて作る食品です。油揚げを使う料理というと、いなりずしのような具材を包んで作る料理が有名ですが、だしをよく吸い込む性質から、味噌汁などの汁物料理にもよく使われています。豆腐にはない食感と油脂分特有の甘い味わいは、しいたけの味噌汁にもよくあいますよ。油揚げを料理する際には、熱湯をかけるなど油抜きの下処理を施してから調理するのが、美味しく作るコツです。
油揚げの下処理は「油抜き」と呼ばれているよ。油抜きすると、だしがよくしみこむし、あっさりとした味に仕上がるんだ。
具材③小松菜
小松菜はアブラナ科の野菜です。冬の時期に旬を迎えるため、寒い時期に摂取できる葉野菜として親しまれてきました。小松菜はビタミンAやミネラル分を豊富に含み、特にカルシウムの含有量は、野菜のなかでも高いことで有名です。しいたけにはカルシウムの吸収を助けるビタミンDも含まれているため、小松菜とは栄養面でも相性がよいといえるでしょう。
具材④卵
昔から、卵は「完全栄養食」と呼ばれているほど栄養価が高い食品です。卵独特の優しい味わいとまろやかさは、どのような食品とも相性がよく、しいたけの味噌汁ともよくあいます。また、卵は価格が安く安定していることから「物価の優等生」と呼ばれ、家計の強い味方とされてきました。味や栄養面だけではなく、経済的にもよい組みあわせといえるでしょう。
干し椎茸の戻し方
干し椎茸は人気が高い食品です。しいたけは天日干しにすると、旨味と栄養価が増す性質を持っています。しかも干し椎茸は保存がきくため、必要な分だけ取り出して使えて便利です。しかし、干し椎茸の美味しさを損なわずに戻すには、それなりのコツを押さえる必要があります。
干し椎茸は2種類ある
干し椎茸のおもな種類は「冬菇(どんこ)」と「香信(こうしん)」の2種類です。冬菇は肉厚でふっくらとしており、かさの開きが少ないという特徴があります。肉厚の食感とふっくらした形を楽しむため、煮物や鍋料理、天ぷらなどによく使用されています。香信は冬菇に比べると肉が薄く、かさが大きく開いているのが特徴です。おもにちらし寿司や炒め物、汁物の具材などに使用されます。
干し椎茸は、冬菇と香信のほかにも「香菇(こうこ)」という種類が紹介される場合があります。
香菇は冬菇と香信の中間といった特徴を持つ種類なんだ。だから冬菇向きの料理、香信向きの料理の両方に使えるんだよ。
干し椎茸の戻し方
干し椎茸は、冷水で時間をかけて戻すのが基本です。湯や常温の水よりも、冷水のほうが干し椎茸によく吸収されます。干し椎茸の旨味成分も、冷水のほうがより多く引き出せるという効果がありますよ。冬菇も香信も戻し方は同じですが、冬菇は肉厚なぶん、香信よりも戻すのに時間がかかるため注意しましょう。
干し椎茸の基本の戻し方
- 干し椎茸を水洗いする。軽くゴミを取る程度でOK
- 容器に干し椎茸を、かさを上向きにして入れる
- 干し椎茸がかぶる程度の冷水を注ぎ、落とし蓋の要領でラップをして冷蔵庫に入れる
- 戻し時間の目安は冬菇は半日~1日、香信は4時間~5時間。芯まで柔らかくなったら完成
干し椎茸は、時間に余裕があるなら前日から戻すのがベストだよ。
干し椎茸は戻すとサイズが大きくなります。容器は密閉性が高く、サイズに余裕のあるものを使いましょう。
干し椎茸の戻し汁には、旨味成分がたっぷりと出ているんだ。捨てないで、だしとして活用してね。
しいたけの味噌汁のおすすめレシピ3選
おすすめレシピ①豆腐と油揚げの味噌汁
しいたけに豆腐と油揚げという、味噌汁と相性のよい具材をたっぷりと使ったレシピです。このレシピでは、しいたけは薄くスライスし、冷凍保存したものを使っています。スライスしたしいたけは火が通るのも早いためおすすめですよ。
材料(2人分)
豆腐:半丁
しいたけ:適量
油揚げ:適量
作り方
- しいたけは薄くスライスし、豆腐はさいの目切りにする
- だしを取った鍋に、豆腐、油揚げ、しいたけを加えてひと煮立ちさせる
- 火を止めて、味噌を溶き入れたら完成
おすすめレシピ②しいたけとキャベツの味噌汁
キャベツはどのような調理法でも美味しく食べられる野菜として人気です。味噌汁にしても自然な甘味が出て美味しく食べられますよ。キャベツはほかの食材とケンカしないため、しいたけともよくあいます。彩りとして小松菜や春菊を加えても美味しいですよ。
材料(2人分)
しいたけ:100g
キャベツ:100g
ねぎ:10cm
だしパック:1個
味噌:大さじ2
水:300cc
作り方
- しいたけは石づきを取ってスライスし、キャベツは千切りにする
- 鍋に水とキャベツ、しいたけ、ねぎ、だしパックを入れて火にかける
- ひと煮立ちしたところで火を止め、味噌を溶き入れて完成
おすすめレシピ③ニラ玉風味の味噌汁
ニラ玉は、ご飯にあう簡単おかずとして人気の料理です。このレシピでは、ニラ玉を味噌汁にアレンジしました。しいたけの香りと卵のふわふわ食感で、優しい味わいの味噌汁に仕上がっていますよ。にんじんで彩りと栄養をプラスしている点も魅力的です。
材料(2人分)
にら:30g
にんじん:15g
しいたけ:10g
卵:1個
水:300cc
顆粒和風だし:小さじ1/2
味噌:大さじ1
作り方
- 野菜は細切りにしておく
- 鍋に水と顆粒だしを入れ、沸騰したらにんじんとしいたけを入れる
- にらを加えて、ひと煮立ちさせてから溶き卵を加え、菜箸でかき混ぜる
- 卵が固まったら火を止め、味噌を溶き入れて完成
まとめ
しいたけの味噌汁は香りも栄養価も高い、素晴らしい料理です。ほかの食材を加えれば、さらに美味しさも栄養バランスもアップしますよ。しいたけの味噌汁を、さらに美味しく栄養バランスのよい食事作りに役立ててくださいね。
出典:写真AC