昆布について
昆布は、毎日の食卓にかかせない人気の食材のひとつです。昆布の料理には、佃煮、塩昆布、昆布巻きなどさまざまなものがありますね。使われている昆布はどれも同じように見えますが、違いなどあるのでしょうか。昆布の種類と特徴から見ていきましょう。
昆布の種類と特徴
真昆布
真昆布は、厚みがあり、昆布の中でも高級品です。真昆布でとった澄んだ出汁には、上品な甘さと風味があります。真昆布は出汁をとるだけでなく、佃煮などの加工食品にも使われています。昔から使われている真昆布は、山だし昆布ともよばれています。
日高昆布
日高昆布は、他の昆布と比べてみると黒みがかった濃い緑をしています。煮上がりが早く柔らかいので、昆布巻きなどに使われることが多い昆布ですが、金色をしたコクのあるおいしい出汁がとれます。
利尻昆布
利尻昆布は、真昆布より少しかための昆布です。利尻昆布でとった澄んだ出汁は、上品な香りとうま味があり、ほんのり塩味も感じられます。羅臼昆布や真昆布より香りは強くないですが、素材の味を引き立ててくれるおいしい出汁がとれます。
羅臼昆布
羅臼昆布からは、香りが強く、濃厚でコクのある出汁がとれます。出汁の色は、少し黄色味を帯びた黄金色をしています。羅臼昆布はとてもやわらかいのでいろいろな商品に加工もされていますが、採取できる地域が狭いため希少価値の高い昆布でもあります。
がごめ昆布
がごめ昆布の表面は、デコボコとした模様のようなものがあります。このデコボコがカゴの編み目のように見えることから、「がごめ昆布」とよばれるようになりました。がごめ昆布の特徴は、とても強い粘りあることです。主に、とろろ昆布やおぼろ昆布に加工されます。
長昆布
長昆布は、他の昆布に比べるととても長いのが特徴です。生産量も一番多く、昆布巻きや佃煮用など、多くのものに加工されています。長昆布の表面は少し灰色がかった黒色をしており、幅は10cm~20cmほどですが長さが20m以上にもなります。
昆布はアルカリ性食品
昆布は、アルカリ性食品の中でも優秀な食品のひとつです。現代の食生活は、肉や加工食品を多くとりがちになっています。そのため、体は酸性に傾きがちです。体が酸性に傾くと免疫力が弱くなり、病気を引き起こしかねません。私たちが健康であるために、昆布などのアルカリ性食品を上手に取り入れて、弱アルカリ性の体に近づけることが大切です。
昆布出汁のとり方
昆布にはいろいろな特徴がありますが、出汁をとる昆布は、真昆布、日高昆布、利尻昆布、羅臼昆布をおすすめします。出汁のとり方には、温度と時間、手順の違う方法が2つあります。はじめに、基本出汁のとり方をご紹介します。
基本出汁のとり方
基本出汁のとり方とは、鍋に昆布を入れ、沸騰直前まで温度を上げて、出汁をとる方法です。基本出汁のよいところは、出汁が濃くできあがることです。使う昆布は、「昆布の種類と特徴」を参考にして選んでくださいね。使う昆布によって、出汁の色も香りも違ってきます。
準備するもの
- 昆布20g
- 水1L
ボタニ子
はじめに昆布を洗うのね?
ボタ爺
ダメじゃよ、ボタニ子。洗ったら、昆布のうま味成分が流れてしまうぞ。表面の白い粉は、カビではなく結晶となったうま味成分じゃ。拭きすぎも禁物じゃよ。
手順
- 昆布の表面を、固く絞ったフキンで軽く拭く
- 鍋の中に分量の水を入れ、昆布を30分浸す
- 昆布の入った鍋を中火にかける
- 鍋の底からプツプツと泡が立ってきたら、沸騰する前に昆布を取り出す
ボタ爺
昆布は沸騰する前に、取り出すんじゃよ。沸騰するまで温度を上げてしまうとエグミが出て、昆布のうま味がなくなってしまうぞ。
水だしのとり方
基本出汁のとり方は少し面倒と感じる方は、水で出汁をとる簡単な方法がおすすめです。煮だした出汁と比べると濃くはありませんが、あっさりとしたおいしい出汁になります。水に浸しておくだけで、手間のかからない簡単な方法です。
準備するもの
- 昆布20g
- 水1.5L
手順
- 基本出汁と同じく、表面の汚れを拭き取った昆布を用意する
- ポットかボールに水を入れ、その中に昆布を入れる
- そのまま3時間以上、できれば1晩つけておく
ボタニ子
水だしはとても簡単だわ。基本出汁も水だしも、どのくらい日持ちするのかしら?
ボタ爺
出汁は、冷蔵庫に入れておけば1週間くらいもつんじゃよ。
出汁はそのまま飲んでも
できあがった出汁は、味噌汁や煮物をおいしくするだけではありません。ダイエット中や高血圧症の方は、出汁を飲むことで薄味に慣れ、濃い味付けの食事を改善する助けとなります。毎朝コップに1杯飲んで、健康的な体を目指しましょう。
ボタニ子
私もダイエット中だから、出汁を飲んでみようかしら。
出典:写真AC