玉ねぎの皮の使い方
玉ねぎの皮は、むいてから3日~1週間ほど天日干ししてカラカラに乾いたものを使います。日光によってケルセチンが増え、栄養価が高くなっています。だしやお茶として食事に使えるほか、掃除や染料など生活の知恵として使う方法もおすすめです。
使い方①だし(出汁)にする
玉ねぎの皮は、水に浸けておくだけで「だし」が取れます。玉ねぎ3個分の皮に対し、水1Lが目安です。2~3日置くと旨みが増しておいしく仕上がります。かつおと昆布のだしとは違う、野菜のやさしい甘味を楽しみましょう。
作り方
- ボウルに玉ねぎの皮を入れ、水をたっぷりそそぐ
- 酢を加え、手で軽くもみ洗いする
- 大きい皮を2~3等分に細かく裂く
- 蓋つきの保存容器に皮と水を入れる
- 塩と砂糖を少し加え、冷蔵庫で一晩置く
- 水がきれいな黄金色に変わったら、できあがり
使い方②お茶にする
玉ねぎの皮は、お茶にして飲めます。玉ねぎ3個分の皮に対し、水500ccが目安です。煮出したお茶をそのまま飲むと苦味が強いため、水や湯で薄めて好みの味にして飲みましょう。レモンやはちみつを加えると飲みやすくなります。粗熱を取ってから保存容器やペットボトルに移し、冷蔵庫で5日ほど保存が可能です。
作り方
- 玉ねぎの皮を水でよく洗う
- 鍋に水と玉ねぎの皮を入れ、火にかける
- 沸騰したら火を弱めて10分煮出す
- 火を止めて、ザルでこす
使い方③粉末にする
玉ねぎの皮は、粉末にすれば「だし」の代わりに使えます。ピラフやハンバーグに混ぜたり、サラダや味噌汁にふりかけたりして甘味を加えてみましょう。好みの量の皮をオーブンでパリパリになるまで焼きます。こっそり料理に混ぜて使えるため、玉ねぎが苦手な方におすすめです。フードプロセッサーやミキサーがない場合は、ハサミで細かく切ってから、すり鉢で擦ると粉末になります。
作り方
- 玉ねぎの皮をむいて、きれいに洗う
- 水気をふき取り、オーブンで5~8分焼く
- フードプロセッサーやミキサーで粉末状にする
使い方④スープにする
玉ねぎの皮は、ほかの野菜一緒に煮るとデトックススープが作れます。舞茸やごぼうの水溶性食物繊維と合わさって、皮だけを煮出したお茶よりも強い効果が期待できるでしょう。食事と一緒に飲むとあまり効果が得られないため、朝食と夕食の前に毎日少しずつ飲むのがおすすめです。
材料(4人分)
- 玉ねぎの皮:1個分
- 舞茸:1/8株
- パセリ:6g
- ごぼう:1/5本
- しょうが:1/2かけ
- 天然塩:少々
- 水:2L
- 酢:6mL
- 昆布:6cm角
作り方
- ボウルに水と酢を入れ酢水を作る
- 酢水に玉ねぎの皮、まいたけ、パセリを約20分浸ける
- ザルにあげて、水洗いする
- 鍋に水と昆布を入れて沸騰させる
- 皮をむいたごぼう、しょうがを入れ下茹でする
- 鍋に水2Lと野菜を全て入れ火にかける
- 沸騰したら弱火にして約20分煮込む
- 塩で味付けする
- 火を止めて、できあがり
使い方⑤掃除に使う
玉ねぎの皮の煮汁には、鍋の焦げ付きや水垢などをきれいに落とす作用があります。炊飯器やコンロの油汚れを落とすときに使ってみましょう。スポンジに煮汁を含ませ、擦って洗うだけです。頑固な汚れに煮汁を含ませたキッチンペーパーをかぶせておくと、次第に汚れが浮き上がってきます。ほかにも排水口のヌメリや臭いにも効果があり、洗剤代わりに使えます。
作り方
- 玉ねぎ5個分の皮をむいて鍋に入れる
- 鍋に水1Lをそそぎ火にかける
- 10~20分煮て水が茶色になったら、火を止める
- 煮汁をスポンジに含ませ、掃除する
使い方⑥染料にする
玉ねぎの皮は、草木染めの原料としても使えます。白い綿の布や毛糸をうつくしい黄色やオレンジ色に染めてみましょう。染める時間が長いほど濃く染まり、好みの色に仕上げる楽しみを感じられます。子どもでも簡単にできるため、夏休みの自由研究におすすめです。
材料
- 綿のハンカチ:1枚
- 玉ねぎの皮:玉ねぎ5個分
- みょうばん:5g
作り方
- 約50℃の湯をボウルに入れ、みょうばんを溶かす
- ハンカチを入れて約30分浸けておく
- ハンカチを湯から出して水洗いする
- 玉ねぎの皮を鍋で約30分煮込む
- 火を止めて、皮をザルでこす
- 染料が熱いうちにハンカチを浸ける
- 染めたハンカチを水でしっかり洗う
- 乾燥させて、できあがり
玉ねぎの皮の注意点
玉ねぎの皮には、血液をサラサラにしたり腸内環境を整えたりする、健康によい成分が詰まっています。しかし、体によいものも食べ過ぎはよくありません。玉ねぎの皮に病気が発生した場合は、どこまでむけば食べられるのか、摂取するときの注意点を覚えておきましょう。
注意点①黒カビ病
玉ねぎの皮は、黒い斑紋がつく場合があります。黒い斑紋は「アスペルギルス・ニガー」と呼ばれる黒カビ病で、土壌や空気中に含まれています。玉ねぎの収穫直後や貯蔵中に発生することが多いです。黒カビが発生した場合は、皮を使ってはいけません。保存場所にアルコール消毒して、きれいな玉ねぎに黒カビが広がらないようにします。
どこまでむけば食べられる?
黒カビ病が発生した玉ねぎは、茶色い皮から白い実の外側の層まで分厚くむきましょう。食べられる部分が少なくなってしまいますが、黒い斑点をしっかり取り除けば内側の白い実は食べられます。
注意点②副作用
玉ねぎの皮には、独特の匂いの素「アリシン」が含まれています。アリシンは刺激が強く、過剰に摂取すると胃酸が大量に分泌され吐き気や嘔吐といった症状が出るといわれています。特に妊娠中で悪阻(つわり)がひどい方は、悪化する可能性があるため注意が必要です。食べ過ぎないように気をつけて摂取しましょう。
玉ねぎの皮で健康になろう!
玉ねぎの皮は、高血圧予防やデトックスなど健康によい成分が豊富に含まれています。白い実を食べるだけではなく、だしやお茶にして食生活に取り入れてみましょう。血液がきれいになると肌の調子や腸内環境もよくなるといわれています。健康や美容のために、玉ねぎの皮は捨てずに使うのがおすすめです。
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出典:写真AC