にんにくが緑色なのは腐ってる?
にんにくは緑色に変色していても、人体に無害で食べても大丈夫です。緑色に変色するのは腐っているのではなく、にんにくの中の成分が鉄分と反応しているからです。毒性のある成分に変わったわけではありませんよ。ただ鮮度は落ちているため早めに食べきりましょう。
にんにくが緑色になる原因
にんにくが緑色に変色するのはにんにくの香り成分であるアリインが原因です。ほかにも新芽の成長やカビで変色する場合もあります。
原因①アルキルサルファイド化合物
にんにくの香り成分であるアリインは、切ったりすりおろしたりすると切り口の細胞が破壊され、アリシンに変化します。アリシンは刺激されると「アルキルサルファイド化合物」に変わり、空気に触れると酸化します。
酸化すると鉄分と結合する
酸化した「アルキルサルファイド化合物」とにんにくの中の鉄分が結合して起こるのが変色です。結合した鉄分が緑色や青緑色になるため、白いにんにくの表面や切り口が変色します。
ボタ爺
ボタニ子
にんにくの成分の反応による変色なので食べても大丈夫です。
原因②新芽の成長
にんにくの中心部分が緑色になる原因は、新芽が成長しているからです。常温でにんにくを放置すると芽が伸び、中心から緑色になります。新芽に毒性はないため食べても大丈夫です。しかし新芽には栄養が多く含まれているため、辛味やえぐみを強く感じる場合があります。白い部分は問題なく食べられるので、苦手な方は新芽を取り除いて食べましょう。
原因③カビ
にんにくの外皮や薄皮の中、根元などが青緑色になる原因はカビです。湿度の高い場所に放置しておくとカビが生えます。カビが原因で変色している場合は食べられません。少しでもカビが生えていたら処分しましょう。
にんにくの緑色を防止する保存方法
にんにくを変色させず保存するには冷蔵保存や冷凍保存がおすすめです。ほかにも調味料とあわせて加工したり、加熱処理をしたりして変色を防止する方法もあります。料理の用途にあわせた保存方法でにんにくを変色させないようにしましょう。
①冷蔵庫で保存
冷蔵庫ににんにくを保存すれば1ヵ月は変色を防止できます。まるごと保存するとにんにくが養分を吸収し変色しやすくなるため、外皮をむいて1かけらずつにしてから保存をしましょう。表面を傷つけないように注意し、一つひとつラップにくるみます。密封式の保存袋に入れて保存してください。
房ごと保存したいときはどうしたらいいの?
にんにくを房ごと冷蔵庫で保存する場合はキッチンペーパーにくるみ、密封式の保存袋に入れて保存しましょう。変色する前に早めに使い切ってください。
②冷凍庫で保存
にんにくは皮ごと冷凍保存すると変色もせず、風味もそのままで6ヵ月保存できます。さらに冷凍するとにんにくの中のアリインの活動がストップするため、解凍しても変色せずに使えます。保存袋に皮ごと入れて密封してから冷凍しましょう。皮ごと冷凍したにんにくを料理で使うときは、包丁で根元を切ってから水に1分ほど浸ければ簡単に皮がむけます。
みじん切りやすりおろして冷凍保存もできる
あらかじめにんにくを加工しておけば料理のときすぐに使えて便利です。切り口の表面が空気に触れると酸化するため、密封式の保存袋に入れたら手早く冷凍しましょう。保存袋に入れるときは使う分量だけラップにくるみ、小分けにすると使いやすいです。
ボタ爺
すりおろすときは鉄のおろしがねはなるべく使わないようにするのじゃ。にんにくの成分が鉄分に反応して酸化しやすくなるぞ。
③加熱をして保存
にんにくを変色させる成分のアリインは、熱を加えると破壊されます。そのためにんにくを加熱すれば変色の防止ができ、表面が空気に触れても酸化しません。トースターやレンジを使ったり、フライパンで炒めたりして加熱しましょう。
レンジで作るにんにくチップもおすすめ
にんにくチップはにんにくを薄くスライスして加熱したものです。変色の防止にもなり、料理のトッピングなどに使えます。レンジで簡単に作れるため、料理の時短にもなるおすすめの保存方法です。
にんにくチップの作り方
- にんにくの薄皮をはがす
- にんにくを薄くスライスする
- 油を少量入れた耐熱皿ににんにくを並べる
- レンジで2分ほど加熱する
- 冷めたら保存袋やタッパーに入れて冷蔵庫で保存する
ボタニ子
加熱するとにんにくの臭いも防止できますよ。
④茹でて保存
にんにくを茹でると変色が防止できます。皮ごとにんにくを塩茹でし、タッパーに入れて冷蔵庫で保存しましょう。常温で放置するとカビが生えやすくなるため注意してください。
ガーリックソースに加工するのもおすすめ
茹でにんにくをガーリックソースに加工して保存しても変色が防止できます。茹でにんにくを皮から取り出したら潰し、梅やマヨネーズと和えたりオリーブオイルと混ぜ合わせたりしましょう。保存袋に入れて冷凍すれば1ヵ月ほど保存できます。
ボタ爺
ガーリックソースにするとパスタや肉料理、サラダなどいろいろな料理に活用できて便利じゃよ。
⑤オリーブオイルを使って保存
にんにくをまるごとオリーブオイルに漬けて保存すれば、変色も防止でき料理にも活用できます。にんにくをカットすると切り口が酸化し変色するため、スライスしたりみじん切りにしたりする場合は加熱してからにしましょう。漬けるときはにんにくの表面がオイルから出ないように気をつけてください。
⑥甘酢に漬けて保存
にんにくを甘酢漬けにして変色を防止しましょう。生のまま甘酢に漬けると変色するため、漬ける前ににんにくを熱湯で湯通ししたり、レンジで加熱をしたりすれば大丈夫です。加熱をしたら表面をよく乾かしてから甘酢漬けにしましょう。甘酢に漬けるときはにんにくの表面が甘酢から出ないように注意してください。
⑦味噌に漬けて保存
にんにくの味噌漬けも変色の防止に効果的です。生のまま味噌漬けにすると変色しやすくなります。にんにくを味噌に漬ける前に、レンジで1分ほど加熱すれば大丈夫です。加熱したら表面をキッチンペーパーで拭きます。煮沸した瓶にみりんや鰹節を混ぜた味噌、にんにくを入れて保存しましょう。冷蔵庫に保存すれば3年~5年ほど活用できます。
⑧醤油に漬けて保存
にんにくの醤油漬けも変色を防止できます。にんにくの皮をむいたらレンジで1分ほど加熱し、醤油に漬けましょう。にんにくの表面が醤油から出ないように注意し、常温ではなく冷蔵庫で保存してください。冷蔵庫で2~3年保存できます。
にんにくレモン醤油もおすすめ
レモンの汁にはにんにくの変色を遅らせる効果があるため、にんにく醤油にレモンを足すのもおすすめの方法です。レンジでにんにくを加熱したら、切ったレモンと一緒に醤油に漬けましょう。にんにくをすりおろしたり潰したりしてレモンと一緒に漬けると、さらに味が染みこみおいしく保存できます。
⑨レモン汁を使う
レモン汁はにんにくの成分が酸化する反応を弱めるため、変色を遅らせる作用があります。遅らせるだけなのでレモン汁を入れても長時間放置すると変色してしまいます。しかし短時間であれば変色しないため、すりおろしたにんにくを調理に使う場合はレモン汁を入れましょう。
⑩ネットで保存
にんにくは常温で保存もできます。しかし床や段ボールに放置しておくとカビが生えて変色してしまいます。ネットに入れて風通しのよい場所に置き、にんにく全体の湿度を下げましょう。太陽が照りつける場所に置くと新芽が生えるため、家の軒下など日陰の涼しい場所に置いてください。
⑩新聞紙で包んで保存
にんにくをビニール袋に入れたまま冷蔵庫に入れたり、放置したりすると湿気が増しカビが生えてしまいます。新聞紙でにんにくを包んで保存し、カビによる変色を防止しましょう。
ボタニ子
冷蔵庫の野菜室に入れたときに、ほかの野菜ににんにくのにおいがうつるのも防止できますよ。
冬~春に収穫したにんにくには特にアリシンが多く含まれているから変色しやすくなるぞ。