にんにくのオリーブオイル漬けとは
買ったにんにくが萎びてしまった、そんな失敗は誰にも一度はあるものです。にんにくは、買ってすぐに油に漬け込んでしまうのがおすすめです。特に、オリーブオイルに漬けると健康に良いだけでなく使い勝手もぐっとアップするのでおすすめですよ。
作りやすく保存性も高まる
にんにくは皮がむきにくい上に手に臭いがついてしまうため、できるならチューブで済ませたい、という人も多いもの。ですが、一番最初にすべての工程を終わらせてしまえばあとは清潔なスプーンで取り出すだけなので、気軽ににんにくが使えるようになります。保存期間もぐっと伸び、冷蔵庫に入れておけば半年は持つようになりますよ。
にんにくのオリーブオイル漬けの効能
にんにくを刻むとアリシンという成分が出てきます。これはビタミンB1を吸収しやすくなる働きがあり、特に豚肉と一緒に摂取するのがおすすめです。オリーブオイルは腸の働きをよくするオレイン酸を多く含み、また炎症を抑えるオレオカンタールという成分も含んでいます。これらを同時に摂取することができるので、手軽に使えて身体にもいいということになります。
驚異の成分アホエン
また、にんにくを油につけておくことで、アホエンという成分が精製されます。アホ(ajo)とはスペイン語でにんにくのことですから、まさににんにく由来の化合物です。アホエンは、脳を活性化させ認知症の予防に役立つということで注目を集めています。また、抗酸化作用が強く活性酸素を抑制する効果もあります。
にんにくのオリーブオイル漬けの作り方
用意するもの
- 最低限必要なもの
- にんにく
- オリーブオイル
- 蓋付きの瓶
- キッチンペーパー
- あると便利な道具
- トング・耐熱手袋など
- シリコンスチーマー
瓶を煮沸消毒する
よく洗った瓶を蓋を外した状態で鍋に入れ、かぶるくらいの水を入れて火にかけます。沸騰したら10分ほどそのまま沸かし続け、トングや耐熱手袋を使って取り出します。口を下にしてキッチンペーパーの上に載せ、そのまま自然乾燥させます。
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にんにくを電子レンジにかける
にんにくを塊の状態からばらばらにし、電子レンジにかけます。時間は、1個あたり600Wで約1分です。熱くなるため、シリコンスチーマーを使うのがおすすめです。
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にんにくを生のまま入れるレシピもありますが、ここでは加熱する方法を使っています。加熱の有無による違いは、あとのページでご紹介しますね。
にんにくの皮を剥く
にんにくの皮をむき、底の硬い部分をナイフで切り落とします。この時傷んでいる部分を見つけたら、そこも丁寧に取り除きます。
むき方のコツ
時間が経つと皮がむきにくくなるので、熱々のうちに進めていきましょう。慣れないうちは、一玉ずつ電子レンジにかけたほうがいいですね。最初にはさみで上の部分を切り落とすと、全体がむきやすくなりますよ。
にんにくを刻む
丸のまま漬けてもよいのですが、あらかじめ刻んでおくのがおすすめです。アリシンが精製されやすくなる他、調理する際にもいちいち刻まなくていいので楽になります。スライス・みじん切りはお好みで。ブレンダーやチョッパーを使うと手軽に刻めますね。
瓶に入れてオリーブオイルを注ぐ
瓶に入れたら、にんにくが完全にかぶるより少し上のあたりまでオリーブオイルを注ぎます。入れすぎると後で溢れてしまうので、一つの瓶に入れる量はやや控えめに。蓋をやや緩めに閉めたら、常温の冷暗所で10日ほど寝かせます。その後は冷蔵庫で保管します。
色々加えてアレンジもOK
この段階で、好みのハーブを加えると使い勝手が良くなります。写真右の瓶は、刻んだパセリと種をとった唐辛子を加えてみました。その他、ローリエやローズマリーもおすすめですよ。ただし、生のハーブを使うと保存期間が短くなるので注意が必要です。
にんにくのオリーブオイル漬けの美味しい食べ方
にんにくのオリーブオイル漬けはなんにでも使えます。肉を焼くときにオイルを使うだけでもパンチが出ますし、温めてアンチョビを加えればそれだけでアヒージョオイルにもなります。ご飯を炒めればガーリックライスのできあがりです。和食や中華料理にもよくあい、特に中華料理にはオイルごと加えても大丈夫です。
ガーリックトースト
バケットや食パンの切り口にたっぷりにんにくとオイルを乗せて焼けば、それだけで美味しいガーリックトースト(写真左側)のできあがり。ワインのおつまみにぴったりです。更に生トマトの切り口をこすりつけるようにして塗ってから焼けば、スペイン料理のパン・コン・トマテ(写真右側)も作れますよ。とろとろの卵やチーズと合わせてどうぞ。
ペペロンチーノ
にんにくのオリーブオイル漬けをフライパンに入れ、唐辛子と好きな具を一緒に弱火で温めます。パスタが茹で上がったら、火を強くして茹で汁を加え一気に全体を混ぜ、パスタも絡めてできあがりです。スパゲティを使うのが定番ですが、ペンネやファルファッレなどで作るとおつまみにもなりますよ。同じ要領で、あさりやタコのにんにく炒めも美味しく作れます。
にんにくのオリーブオイル漬けの注意点
にんにくのオリーブオイル漬けは誰でも簡単に作れますが、保存食ですから衛生面だけは気をつけなければいけません。瓶は必ず熱湯消毒を行い、取り出すときには必ず清潔なスプーンを使うようにしましょう。また蓋ににんにくがついたときには、きちんと取り出すかオイルに漬けなおすように心がけることが大切です。
最初のうちはこまめに蓋を開ける
漬けはじめて最初の10日ほどは、にんにくの成分がオイルに溶け出すと同時に中の空気も出るため、緩やかに発泡しています。そのため、毎日蓋を緩めて中のガスを外に出してやるようにします。また、夏場は発酵しやすくなるため、常温保存の期間を短くして冷蔵庫に移動させたほうがいいでしょう。発酵してしまった場合、臭いが変わり酷く発泡するようになるので、失敗したことはすぐわかります。
使ったらオリーブオイルを補充する
オイルの中に入っていないにんにくがあると、その部分からカビが生えてしまいます。そのため、特にオイルを使ったあとはオリーブオイルを補充するようにしましょう。目安は、にんにく全体が十分にオイルに浸かるまでです。
にんにくの生と加熱の違い
にんにくを加熱するかしないか、どちらがいいのでしょうか?どちらもメリットとデメリットがあるため、最終的には好みで選ぶといいでしょう。
生で入れるメリット・デメリット
生のにんにくを使うと、アリシンが生成されやすくなるため完成が早くなります。特に丸のまま漬け込む場合は切断面からの生成ができないので、生のまま漬けたほうが栄養価も高くなります。ただし痛みやすくなるため、保存期間は短くなります。
加熱して入れるメリット・デメリット
加熱すると水分量が減るので、保存性が上がります。特に長期間もたせたいときや夏の暑い時期には加熱するほうが良いでしょう。また、保管中の臭いが軽減されます。しかし生のフレッシュな香りは失われてしまいますし、アリシンは加熱することで分解されやすいことに注意が必要です。
まとめ
にんにくのオリーブオイル漬けは、健康促進にも役立つ万能調味料です。また、ガーリックトーストをはじめとしたにんにく料理を気軽に作れるようになります。にんにくを買ったあとは、すぐにオリーブオイルに漬ける。是非試してみてくださいね。
オリーブオイルは、できればピュアオイルを使いましょう。加熱して使う場合が多いので、エクストラバージンオリーブオイルはやや不向きです。また、瓶は小ぶりで細長いものを使うと、酸化を遅らせ保存期間を伸ばすことができます。