1日あたりのにんにくの適量
一般的にはにんにくの過剰摂取は10片以上といわれています。
生では5~7g(1カケ)、加熱した場合には10~15g(2カケ)を1日分量とすれば、過食にはならない。なお、空腹時に生ニンニクを食べることはよくない。
体質的に多少多めのニンニクを食べても問題ない人はいます。しかし副作用を避けたいのであれば適量を守りましょう。成人で1日に生にんにくは1片、加熱にんにくで2片程度にとどめておいたほうがよさそうです。にんにくの成分は2~3日は身体に残るので、毎日食べるのは避けましょう。
にんにくの食べ過ぎに注意が必要な人
子ども
子どもは身体が小さいため適量が成人よりも少なくなります。1日あたりの摂取量は成人の半分で生にんにくで1/2片、加熱済みで1片程度といわれています。幼児期は消化器が未熟で、嘔吐や腹痛・下痢などを起こしやすいので注意が必要です。食べさせるときはほんの少量から始め、きちんと様子を見ましょう。
体質的にあわない人も
どんなに気をつけていても体質的ににんにくがあわない人もいます。少量しか食べていないのに腹痛や下痢になるという人は、体質的にあわない可能性が高いです。また、にんにくはアレルギーを引き起こすこともあります。にんにくを食べて息苦しさや身体のかゆみ・発熱などを感じた場合は検査をおすすめします。
妊娠中
にんにくを食べ過ぎると出血が止まりにくくなることがあるため、特に出産の近い後期の妊婦は注意してください。また、にんにくの影響でおこる吐き気や下痢はおなかに強い力が加わるため、危険な場合があります。
授乳中
授乳中ににんにくを食べ過ぎると母乳の匂いや味が変化することが明らかになっています。母乳の味やにおいが変化することによって、子どもが母乳を嫌がり飲まなくなる例が確認されています。ただし、母乳の成分に変化があるわけではないので子どもに直接の影響はありません。
にんにくの副作用を抑えるには
にんにくは調理のしかたによって成分が変化します。調理方法によっては減らせる副作用の原因物質もあります。しかし、副作用を避けるうえで確実なのは「食べ過ぎないこと」です。ほかの方法は、あくまで補助的なものにすぎません。
加熱する
腹痛や下痢・貧血など、多くの副作用に関わるアリシンは加熱することでほかの成分に変化します。アリシンから変化する成分のアホエンやスルフィド類はアリシンよりも刺激が少なく、腹痛になりにくくなるのです。ただし、アホエンやスルフィド類には血行促進作用があるため、めまいや血圧低下の原因になることがあります。
アリシンを発生させない方法もある
アリシンはにんにくの細胞が破壊されると酵素と反応して発生する物質です。アリシンを発生させる酵素は、60℃以上に加熱すると活動できなくなります。つまりにんにくの細胞を破壊せず、丸のまま加熱した後なら切ったりすりおろしたりしてもアリシンは発生しません。
乳製品と一緒に食べる
アリシンはタンパク質と結合しやすい物質です。胃腸の組織もタンパク質でできているため、にんにくと反応して炎症を起こします。しかし、乳製品を一緒に摂取することでアリシンが先に乳製品のタンパク質と反応してくれるのです。その結果、胃腸への刺激が弱まる効果が期待できます。
にんにくの食べ過ぎに気をつけよう!
どんなに栄養のある食品でも過剰に摂りすぎるのはよくありません。特ににんにくは刺激が強い食材なので、自分の体質や体調との兼ね合いを考え摂りすぎを避けるようにしましょう。
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出典:写真AC