里芋の収穫
残暑の時期以降に里芋の収穫が近づいてきます。ここでは、収穫のポイントを紹介します。
探り掘り
8月後半から9月以降で子芋が育ちます。一部を掘るとピンポン玉大の子芋ができています。探り掘りできる時期はまちまちです。とくに芽出しをした種芋の苗の植え方や時期、芽出し後の追肥や土寄せの回数などの作り方、畑の水もちや日あたりなど畑の環境で違い、工夫の余地が出てくるでしょう。
収穫時期の見極め
収穫の合図は、葉が黄色くなり始めることです。一般地では10月から11月にかけて、温暖地では9月の下旬以降から収穫を始められます。霜が降りる前までが収穫終了の目安で、早めの時期から少しずつ収穫するとよいでしょう。子芋から育つ孫芋は大きくはありませんがやわらかいものです。
収穫
土が乾燥している状態で収穫します。地上部の茎と葉を鎌などで取り除き、株の根元から離してスコップをさし、株全体を斜めに引き上げるとよいでしょう。株を風通しのよい日かげに1日おき乾燥させた後、寒さを避けられる場所に置きます。すぐ使う場合には中心の親芋から子芋や孫芋を取り外して使います。
収穫後の保存
里芋は収穫後すぐのほうがみずみずしく食べられます。保存しつつ食べる場合や来春の種芋にしたいならば、充実した芋を新聞紙で覆い段ボール箱に入れて、冷蔵庫の上などの場所に置くと長持ちします。ただし暖房が効きすぎた室内に置くとかびが生えたりくさったりするため注意が必要です。
寒い時期の芽出しに成功すれば成長期間を延長できて、畑で発芽させるよりも少し早い時期から栽培を始められます。また親芋も種芋にでき、養分をしっかりたくわえていて畑での育ちがよく、大きな株になり子芋をたくさんつけます。
収穫した芋の調理
さつまいもやかぼちゃなどと違い、里芋は収穫後すぐに食べるほうがみずみずしくやわらかです。長く保存ができるので春まで味を楽しめます。煮物、揚げ物、汁物など利用しやすい野菜です。子芋を食べる品種、親芋と子芋の両方が食べられる品種があるため、植え付ける種芋がいずれの品種かを確かめてから育てましょう。
親芋よりも子芋や孫芋のほうがやわらかいのが一般的です。しかし、親芋は煮くずれしにくいというメリットもあり、料理で芋を使い分けるのが美味しく食べるコツです。また皮をむく際に手にかゆみが出ることがあります。品種によって違いがあることに気づくでしょう。かゆくなりやすい方は手袋をする、さっとゆでてから皮むきするのがおすすめです。
まとめ
じゃがいもと違い、里芋は種芋として翌年の春先に使えます。温暖な期間が長いとよく育つため、温かい地域では挑戦する価値のある野菜です。作り方のコツをつかめば種芋を自分で準備できます。手に重みを感じる充実した芋を選び、芽や下部の部分に傷みがないかチェックします。準備を整えて、豊作をめざしましょう。
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重みを感じる充実した里芋。
出典:筆者撮影