タチアオイは6月〜8月にかけて、ピンク色や白色の涼しげな花を咲かせる多年草です。耐暑性、耐寒性がともに強く、地下茎やこぼれ種で次々と増えていくので、たくさんの花を咲かせてくれます。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 30cm〜200cm |
花の色 | 赤、白、ピンク、黄、オレンジ、紫、複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花時期が長い、花壇の寄せ植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
タチアオイは、200cmほどの高さまで大きく成長するのが特徴です。まっすぐ上に伸びる茎にたくさんの花芽をつけ、下から順番に開花していきます。開花時期が6月〜8月のため「一番上の花が開花すると梅雨があける」ともいわれている植物です。
八重咲きの品種は「ダブル咲き」とも呼ばれており、存在感のあるボリューミーな咲き姿を楽しめる品種です。花壇の寄せ植えや鉢植えだけでなく、切り花やフラワーアレンジメントにも利用されています。
一重咲きの品種は「シングル咲き」とも呼ばれています。一重咲きのタチアオイはアサガオやハイビスカスの咲き姿によく似ており、透けるような花弁をつける「マースマジック」や「サンシャイン」などのクリアカラーが人気です。
植え付け時期 | 3月〜4月、9月〜11月 |
種まきの時期 | 4月〜5月、9月〜10月 |
肥料の時期 | 5月〜7月 |
剪定の時期 | 6月〜9月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜8月 |
タチアオイは、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えにする場合は、草丈が200cmほどまで大きくなるため、他の植物の背景になるように植え付けるのがおすすめです。プランターや鉢植えにする場合は、15cm〜20cmほど株間をあけて植え付けましょう。
タチアオイは、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。日当たりの悪い場所で育てると、茎だけが間延びして花付きが悪くなってしまいます。また、タチアオイは草丈が高く、茎に葉がたくさんつくのが特徴です。そのため、風通しの悪い場所で管理すると湿度が高くなり、病害虫被害の原因となってしまうので注意してください。
タチアオイは、排水性の高い用土で育ててください。市販されている草花用培養土を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土をよく混ぜてから、少量のパーライトを加えた用土を使用します。地植えにする場所の水はけが悪いようならば、腐葉土や川砂をよく混ぜ込んでから植え付けましょう。
地植えでタチアオイを育てている場合は、降雨のみで十分なため水やりの必要はありません。多湿を嫌うため、やや乾燥気味に管理するのがポイントです。鉢植えの場合は、土の表面が乾ききってから水やりをしてください。水を与えたあとは受け皿に溜まった水はすぐに捨てて、多湿にならないように管理しましょう。
タチアオイを植え付けるときに、元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。タチアオイは比較的丈夫な植物で、繁殖力も強いため、基本的には元肥だけで十分です。しかし、成長が滞っている場合には、5月〜7月にかけて規定の分量よりも薄めた液体肥料を、1ヵ月に1回〜2回の割合で水やりの代わりに与えてください。
アブラムシは、年間を通して発生しやすい害虫です。タチアオイの成長に必要な栄養分を吸汁してしまうため、見つけたら早めに殺虫剤を散布して駆除してください。光り物が苦手な性質を利用して、園芸用のシルバーテープを張り巡らせておくと予防ができます。
灰色カビ病は、雨が長く続くような梅雨時期に発生しやすいカビが原因の病気です。名前のとおり、感染した部分が灰色の楕円形状に変色するのが特徴で、放置すると腐敗が始まり悪臭を放つようになります。感染した部分は、薬剤を散布しても治せないので早めに切り取って処分しましょう。
花後はこまめに花がら摘みを行いながら育てましょう。タチアオイは、たくさんの花を咲かせるため、花がらをそのままにしておくと茎や葉に花がらがくっついてしまい、カビが発生する原因になります。
タチアオイをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり花芽がたくさんついている苗を選びましょう。病害虫被害を受けていないか、葉の裏側までしっかりと確認してください。
タチアオイは、6月〜8月にかけて剪定を行いながら育てます。伸びすぎている茎や、葉が込み入っている部分を切り戻し剪定していきましょう。丈夫な植物のため、自分の思い描く形に思い切って剪定するのもおすすめです。剪定した部分から新芽が伸びてくる性質があるため、こまめに剪定を行うと次々と開花する様子を楽しめます。
タチアオイは放任で育てても、こぼれ種でどんどん増えていきます。自分の思い描く場所に増やしたい場合は、種子が立ち枯れたら種を採取してください。株分けは3月〜4月か9月〜10月に行います。大きく育った株を選び、根を傷つけないように優しく掘り起こしてから株分けしていきましょう。根についている古い土を落としてから植え付けるのがポイントです。