ハマダイコンの育て方とは?枯れないよう管理するポイントや簡単な増やし方 | 植物図鑑

ハマダイコン(花)
学名Raphanus sativus var. raphanistroides
和名ハマダイコン
英名Japanese wild radish
科・属名アブラナ科ダイコン属
原産地アジア大陸
花言葉ずっと待っています

ハマダイコンの概要

出典:写真AC

ハマダイコンは日本全土の砂浜で見られる野生のダイコンです。原産地などに不明な点が多い植物ですが、研究者による細胞の調査から、栽培されているダイコンとは異なり遠い昔に渡来した野生ダイコンの子孫ではないかと考えられています。

基本情報

園芸部類 草花
形態 多年草、直根性植物
樹高・草丈 30〜70cm
花の色 薄紫、白
耐寒性 あり
耐暑性 普通
特性・用途 秋に芽生える。ロゼット状に葉を広げ越冬する。
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

ハマダイコンは花や実、葉、根とほとんど食べられる野生の植物です。一般的な植物が育ちにくい砂地を好み、自然の雨だけでも育つ初心者でも管理しやすい特徴があります。

名前の由来

ハマダイコンは、海岸の砂浜周辺に自生していることから「ハマダイコン(浜大根)」と呼ばれるようになりました。

ハマダイコンの代表品種・種類

①スサノオ

島根大学が品種改良した「出雲おろち大根」です。スサノオという品種名で登録されていて、辛く旨味があるのが特徴です。生産量が多くないため市場にはあまり出回っておらず、島根県内農家のみ生産者用種子を栽培してロゴマークを利用することで販売が許可されています。

ハマダイコンの育て方①時期

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 6〜9月頃
間引きの時期 6〜9月頃
開花時期 3〜5月頃
花芽と豆さやの収穫時期 3〜5月頃
根の収穫時期 12〜2月頃

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
間引き
肥料
開花時期
収穫時期(花芽)
収穫時期(豆さや)
収穫時期(根)

栽培適期は?

植え付けの適期は、自然の環境で鞘(さや)が地面に落ちる7~8月頃です。雨が続くと土と一緒に種が流されてしまうので、梅雨が終わってから植えましょう。植え付け後1〜2週間ほどして発芽したときが間引きのタイミングです。エディブルフラワーである花芽や生でも食べられる豆さやを食卓に並べたい場合は、根の収穫時期に必要なだけ残しておきましょう。

ハマダイコンの育て方②栽培環境

栽培方法

鉢植え

鉢植えの場合は、深型のプランターや鉢に撒きます。土が乾いた頃を目安にたっぷり水をやりましょう。

地植え

地植えの場合は、水やりをせずとも自然の雨だけで十分育ちます。日照りが続く夏や雨がなく乾燥してしまう時はたっぷり水やりをしてください。

育てる場所

ハマダイコンは自生している植物なので屋外で育てましょう。日当たりのよい場所を好みます。

用土

ハマダイコンは、水はけのよい土を好みます。栄養があまり留まっていない砂地でも育つため、どのような土でも育てられますが、通気性や排水性、保湿性のよい用土で育てると育てやすいです。

ハマダイコンの育て方③管理のポイント

水やり

地植えの場合は特に必要ありませんが、日照りが続いて乾燥している場合はたっぷり水やりをしましょう。鉢植えの場合は、表面の土が乾いていることを目安に水やりをしてください。

肥料

ハマダイコンには特に施肥の必要はありませんが、肥料を与えるとしっかりとした根が育ちます。肥料を与える場合は元肥と追肥を施し、根が肥料に直接触れないよう注意しましょう。

害虫対策

アブラムシの害虫被害を受ける可能性があるので、見つけ次第駆除します。柔らかい歯ブラシなどで優しく取り除くか、牛乳を全体に吹きかけてよく洗い流してください。また、アブラムシは窒素分の多い肥料を与えすぎたり風通しがよくない植え方をしたりすると発生しやすいので、防ぐためには生育環境に注意しましょう。

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病気対策

ハマダイコンは、バーティシリウム黒点病が発生する可能性があります。この病気が発病すると維管束が黒ずみ、黒い輪状に広がっています。また、まれに下葉が黄色く変色することがあるので注意しましょう。枯れることはありませんが、そのままにすると種子感染などで広がるため抜いて処分してください。防ぐためには連作を避けましょう。

花後の管理

開花後、少しずつ実ができ初夏の頃には大きくなります。実が枯れ始めて薄茶色になる頃には風で飛ばされるほど軽くなります。この鞘から種を取り出し畑に撒けばハマダイコンを増やせるので、翌年は多くのハマダイコンを育てられるでしょう。

ハマダイコンの育て方④詳しい栽培方法

種まき

サヤの中から種子を取り出して用土に撒きます。30cm程度間隔を空けましょう。植えたあとに用土を1cmかぶせて軽く押さえます。最後にたっぷり水を与えましょう。かぶせた用土が流れないよう優しく水やりをしてください。

苗の選び方

ハマダイコンはもともと自生している植物なので種から育てる方法がおすすめですが、苗を購入しポットから植え替えて育てることもできます。苗は葉が黄色くなっていない発色のよいものを選びましょう。

育苗

ハマダイコンは野生の植物なので放置してしまっても育ちますが、発芽するまでは用土の表面が乾かない程度に水やりをしましょう。

植え替え

ハマダイコンは直根性で、根が切断されると再生が難しいため、植え替えはおすすめできません。苗を購入して育てる場合は、畑やプランターにそっと植えて動かさないようにしましょう。

間引き

1〜2週間程度で発芽するので、集中して生えているところは生育のよいものを残して間引きましょう。残す芽や根が傷つかないよう優しく抜いてください。

夏越し・冬越し

特に作業は必要ありません。

増やし方

育てたハマダイコンから取れた種を撒いて増やしましょう。自生しているハマダイコンのように、育てたハマダイコンから落ちた種でもよく育ちます。

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