ツリガネソウは、5月〜7月にかけてピンク色や白色の花を咲かせる植物です。ラテン語で「釣鐘」を意味する「カンパニュラ」という名前でも親しまれています。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 30cm〜100cm |
花の色 | 白、ピンク、紫、青 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 開花時期が長い、初心者向け |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ツリガネソウは名前のとおり、釣鐘のような咲き姿を楽しめる多年草です。風にゆらゆらとなびく姿がかわいらしく「風鈴草」という和名もついています。白や薄いブルーなど寒色系の品種が多く、夏の花壇に涼しげな印象を与えてくれる植物として、ガーデナーにも人気の植物です。
メジュームは、白色や紫色、ピンク色などさまざまな色の花を咲かせます。「カンパニュラ・メディウム」とも呼ばれ、ツリガネソウの中でも寒さに強く、初心者向けの品種です。
涼姫は、ツリガネソウの中でも、やや小ぶりな花を咲かせる品種です。一般的なツリガネソウは花弁が5cmほどですが、涼姫は2cmほどの大きさをしています。涼しげな薄いブルーの花を咲かせるのが特徴で、水もちがよく切り花にもおすすめです。
植え付け時期 | 3月〜4月、9月〜10月 |
種まきの時期 | 5月〜9月 |
肥料の時期 | 3月〜9月 |
剪定の時期 | 7月〜8月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月〜7月 |
ツリガネソウは、地植えでも鉢植えでも育てられます。草丈が約100cmまで大きく成長するため、花壇の寄せ植えにする場合は、ほかの植物の背景になるように植え付けましょう。鉢植えの場合は、株間を15cm〜20cmほどあけて植え付けてください。狭い場所に植え付けると、葉に日光が当たらず枯れる恐れがあります。
ツリガネソウは、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。日当たりの悪い場所で育てると、葉が黄色く変色したり花付きが悪くなったりします。葉が密に生えるため、風通しのよい環境で湿度が高くならない場所を選んでください。
ツリガネソウは、排水性の高い用土で育てます。市販されている「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んでから、苦土石灰を加えた用土を使用してください。酸性の用土を嫌うため、地植えにする場合は石灰をよく混ぜ込んで中和しておくのがポイントです。
ツリガネソウを地植えで育てている場合は、降雨のみで十分で、水やりの必要はありません。ツリガネソウは多湿が苦手なため、やや乾燥気味に管理しましょう。鉢植えの場合は、土の表面が乾ききってから水やりをします。冬は休眠期に入り、水をあまり吸わなくなるので、3日〜4日に1回程度の水やりで構いません。
3月〜9月の成長期にかけて、肥料切れを起こさないように管理しましょう。1カ月に2回〜3回の割合で、規定の分量よりも薄めた液体肥料を水やりのかわりに与えます。植え付けの用土に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおくのもおすすめです。
ハダニは、葉の裏側などの見つけにくい場所に発生する害虫です。発見が遅れると大量発生する恐れがあるため、定期的に葉水を行いハダニの発生を予防しましょう。
灰色カビ病は、雨が長く続くような湿度が高い季節に発生しやすい病気です。カビが原因で発生し、感染した部分が灰色の楕円形状に変色していきます。放置すると悪臭を放つようになるため、感染した部分は早めに切り取って処分しましょう。適度に剪定をしたり、風通しのよい場所で管理したりすると予防ができます。
花後に花がらを放置すると、カビが発生して灰色かび病に感染しやすくなります。そのため、花後はこまめに花がら摘みを行いながら育てましょう。
ツリガネソウをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、病害虫被害を受けていない苗を選んでください。また、茎だけが間延びしている苗は、花付きが悪かったり、すぐに枯れてしまったりするので避けてください。
地植えでツリガネソウを育てている場合は、植え替えの必要はありません。しかし、鉢植えの場合は根詰まりを防ぐために、毎年植え替えましょう。根についている古い用土を落としてから、ひと回り大きな鉢に植え替えてください。
ツリガネソウを開花させるには、しっかりと寒さに当てる必要があります。そのため、冬でも室内に取り込まず、屋外で管理するのがポイントです。耐寒性は強いですが、雪や霜があたると枯れる可能性があります。ビニールやバークチップを使ってマルチングをしてから冬越しさせると安心です。
株分けや種まきでツリガネソウを増やしていきましょう。花後に種子をつける性質があるため、種を採取する場合は花がら摘みをせずにそのまま育てます。黒く立ち枯れてから花茎を切り落とし、軽くふって種を取り出してください。株分けは3月〜4月か9月〜10月が適期です。大きく成長した株を丁寧に掘り起こし、根をほぐして株分けしましょう。
出典:写真AC