カンパニュラアルペンブルーの特徴
カンパニュラの仲間であるカンパニュラアルペンブルーは、青紫色の星型の花を咲かせる多年草です。花期は4月から9月ごろです。花の大きさは2~3cmぐらいで、花形は鐘型で先が5つに裂けて大きく開きます。葉は卵型で縁にギザギザがあります。日陰でも花を咲かせるため、シェドーガーデンによく利用されます。花の少ない日陰の庭に爽やかな青紫色の花が映えます。
ほふく性で横に伸びる花茎
草丈は20~30cmですが、ほふく性なので横へ花茎を伸ばします。鉢に植えると鉢から垂れるようにたくさんの花を咲かせるため、ハンギングにも適しています。地植えの場合は、花壇からはみ出すように伸びて咲きます。花壇の一番手前に植えるとナチュラルな風景を演出できます。
カンパニュラアルペンブルーの基本データ
学名 | Campanula poscharskyana Alpen Blue |
和名 | 星桔梗 |
分類 | キキョウ科ホタルブクロ属 |
形態 | 多年草 |
分布 | 基本種の原産地はクロアチアのダルマチア地方 |
草丈 | 20~30cm |
花期 | 4月~9月 |
カンパニュラアルペンブルーの特徴
- 星型の青紫色の花がたくさん咲く
- 日陰でもよく咲く
- ほふく性で横に花茎を延ばして垂れるように咲く
花言葉
カンパニュラアルペンブルーの花言葉ではなく、カンパニュラの花言葉があります。カンパニュラの仲間全体としての花言葉です。それは「感謝」「誠実」「節操」の3つです。どの花言葉も下記のギリシア神話がもとになっています。
花言葉の由来となったギリシア神話
精霊で下級女神だったカンパニュールは、オリンポスの果樹園の番人をしていました。ある日、果樹園に侵入者が入ったため、カンパニュールは銀の鈴を鳴らして知らせました。しかし、侵入者によりカンパニュールは命を奪われてしまいました。果樹園を守るという使命を果たそうとして命を落としたカンパニュールを悼んで花の女神のフローラは、彼女を鈴の形をしたカンパニュラの花の姿に変えました。
花言葉の意味
「感謝」は、命を落としてまでも使命を果たしたカンパニュールに女神フローラが感謝したことから付けられた花言葉です。「誠実」は、同じく命を懸けて使命を果たしたカンパニュールの誠実さから付けられたと言われています。「節操」は、「自分の主義・道徳を堅く守って変えないこと」という意味ですが、カンパニュール自身を示す言葉として名付けられたのではないでしょうか。
カンパニュラアルペンブルーの育て方
カンパニュラアルペンブルーは、比較的育てやすい多年草です。植えっぱなしにしていても、毎年よく花茎をのばして花を咲かせます。日当たりを好みますが、半日陰や日陰でも育ちます。夏の高温多湿に弱いので、地植えの場合は、夏の間は直射日光が当たらない風通しのよい場所に植えます。鉢植えの場合は、春の花期の間は日当たりに置いて、日差しが強くなり始めたら日陰に移動して夏越しをします。
植え方
土の準備
カンパニュラアルペンブルーは、アルカリ性の土を好みます。そのため、土の酸性度を調整しておく必要があります。鉢植えをする場合は、市販の草花用の培養土を使うとよいでしょう。酸性度の調整ができていますので、そのまま利用できます。また、自分で土を作る場合は、赤玉土小粒と腐葉土を7:3で配合して、緩効性の肥料を一緒に混ぜ込みます。そこへ苦土石灰を10gほどを加えるとよいでしょう。地植えの場合も、植える場所の土を耕して苦土石灰をよく混ぜ込んでおきます。どちらも、苦土石灰を混ぜてから10日~14日ほどおいて土を中和させてから、苗を植えます。
苗を植える場合
鉢植えの場合は、苗の入っているポットより一回りくらい大きめの鉢に植え替えます。鉢に鉢底石を薄く入れて通気性をよくします。その上に用土を少し入れて、ポットから苗を出して鉢の中に入れます。苗の根が回っている場合は、ほぐして余分な根を取り除いてから入れます。ウォータースペース2~3cmが残るようにして土を加えます。地植えの場合は、夏に直射日光の当たらない場所を選び、土の改良準備を済ませてから植え込みます。
種まきの場合
種まきの適期は、4月~5月です。育苗用のポットにバーミキュライトを入れて水をかけて準備しておきます。土の上に種をまいたら、土をかぶせずに指でそっと抑えて落ち着かせます。(好光性の種のため土をかぶせません。)種は大変細かいので、水やりをすると種が流れてしまうため、水は底面吸収させます。乾燥させないように日陰で管理し、発芽後本葉が2~3枚になったら、ポリポットへ鉢上げします。苗がしっかりしたら鉢植えや地植えにしましょう。
普段の手入れ
水やり
水やりは、土が乾いたらたっぷり与えます。湿度の高い環境は苦手なので、水のやりすぎに注意しましょう。また、花に水がかかると傷みやすいので根元に水をやります。地植えの場合は、水やりは不要です。ただし、夏の暑い時期で雨のない日が続いた時は水やりをします。乾燥しすぎてしおれる場合があります。暑くなる地域では夏越しができない場合もありますので、夏はこまめにチェックしましょう。
肥料
地植えの場合は、肥料は特に必要ありません。鉢植えは、鉢に植える時の元肥の他に、花が咲いている間は追肥が必要になります。1週間に一度、水やりをかねて液体肥料を与えます。肥料をやり過ぎると根を痛めて枯れることがありますので、注意します。
花柄摘みと切り戻し剪定
花が終わったら、その都度花柄摘みをします。花柄摘みをすることによって長く花を楽しめます。また、花がだいたい終わった花茎は切り戻しをします。花後の切り戻しをすることによって、また新しい花茎が伸びてきます。時には秋にも花茎が伸びてくる場合もあるようです。
花後剪定
花がすっかり終わったら、すべての花茎を根元から花後剪定します。種を採りたい場合は、少し花茎を残して種を作るようにします。剪定しなくても花茎は自然に枯れていきますが、見苦しいので剪定した方がいいでしょう。特に、株を大きく育てたい場合は剪定をします。また、葉が多く茂り過ぎている場合は、葉も少し抜き取って風通しをよくしましょう。
病害虫
カンパニュラアルペンブルーは丈夫な植物で、特に病気の心配はありません。また、アブラムシ・ハダニなどの一般的な害虫の発生はほとんどありません。害虫としては、カタツムリとナメクジがあげられます。葉や花を食べてしまうので、見つけ次第駆除します。
カンパニュラアルペンブルーの育て方
- アルカリ性の土を好むので、草花用の培養土か苦土石灰で中和した土を使用する
- 種は好光性なので、種をまいたら土をかぶせない
- 水やりは、土が乾いたらたっぷり与える
- 肥料は、地植えは必要なし。鉢植えは花期中は週一回液体肥料を与える
- こまめに花柄摘み・切り戻しをすると花を長く楽しめる
- 花終は花茎を剪定する(種を採る場合は、少し残す)
出典:筆者撮影