ニワゼキショウは、北アメリカ原産の野草・山野草です。日本には明治の中頃に移入し、そのまま帰化しました。ニワゼキショウの品種の多くは草丈が20cm前後までしか成長しないため、グランドカバーとしても人気です。草丈が20cm以上ある場合は、ニワゼキショウによく似ているオオニワゼキショウと考えられます。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10~20cm |
花の色 | 白、赤紫、ピンク、青 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 日なたに強い品種はグランドカバーに適している |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ニワゼキショウは、日あたりのよい場所を好む多年草植物です。アヤメの仲間ですが繁殖力が強く手間がかからないため、初心者でも簡単に栽培・管理ができます。こぼれ種でも発芽して、増やし方も簡単です。グランドカバー向きの品種は花の直径が5~10mmと小さいですが、鉢植え向きの品種には花が大きいものもあります。
ニワゼキショウは初心者向けの多年草で、品種によって地植え向きと鉢植え・庭植え向きがあります。地植え向きの品種は花が小さく冬でも葉が枯れないため、グランドカバーに人気です。鉢植え・庭植え向きの品種は花が大きいものが人気で、品種によっては夏に開花するものもあります。
大輪青花ニワゼキショウは濃い青紫色の大きな花を咲かせるため、鉢植え・庭植えにおすすめの品種です。一般的なニワゼキショウよりも耐寒性が強く、冬越し中も葉が枯れません。日当たりのよい場所で栽培・管理するので、グランドカバーにもぴったりです。
大輪白花ニワゼキショウも、大輪の花をつける鉢植えに人気の品種です。大輪白花ニワゼキショウは6~8月に真っ白い花を咲かせます。耐寒性も強いですが冬越し中は落葉するので、グランドカバーには適していません。
ニワゼキショウの栽培は、種まき~開花までほとんど手間がかかりません。多年草で冬越ししますが、一般的に流通しているニワゼキショウは冬越し中も葉が枯れず、芝生の代わりにもなります。ただし観賞用に人気の品種は管理のタイミングやポイントが違うため、栽培前には必ず内容を確認しましょう。
植え付け時期 | 3~4月、9~10月 |
種まきの時期 | 3~4月、9~10月 |
種の収穫時期 | 7~8月 |
剪定の時期 | 休眠期以外 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月中旬~7月上旬 |
ニワゼキショウは冬の休眠期以外はいつでも栽培に適しており、種まきも年2回です。ニワゼキショウの種まきは、春まきと秋まきがあります。春まきは種まきした年の春に開花し、秋まきは種まきの翌年の春に開花です。そのため春まきと秋まきは「種まき~開花までの期間」に違いがあります。
ニワゼキショウは栽培環境が整っていれば、種まき~開花までほとんど手間がかかりません。肥料も基本的にいらないので、用土にこだわらなくてもOKです。ただし育てる場所は、栽培地域(暖地・温暖地・寒冷地)の違いに注意してください。
ニワゼキショウは日当たりのよい場所で育てると、成長スピードがアップします。栽培方法は地植え・鉢植え・庭植えからお好みの方法を選べますが、育てる場所は日なたを選んでください。暖地では夏の強い日差しで葉が枯れることがあります。地植えの場合は、夏に半日陰となる場所を選びましょう。
ニワゼキショウの用土は、水はけのよいものを選ぶのがおすすめです。ただしニワゼキショウはアヤメ科の植物で、土の表面は乾燥しても、土の中はやや湿っぽい状態の用土が適しています。初心者の場合は、花用培養土に赤玉石を加えると簡単にニワゼキショウに適した用土が作れます。
ニワゼキショウは、種から育てる方法と苗から育てる方法があります。種まきでの育て方は、種の状態などで発芽率が変わるため注意が必要です。ただしニワゼキショウの種まき・育苗はそれほど難しくなく、初心者でもほとんど失敗しません。
ニワゼキショウの種まきは、春と秋の2回です。種まき~発芽までは平均3~4週間かかりますが、種まきの時期や環境によっては発芽まで1カ月以上かかることがあります。さらに収穫から時間がたった種は、乾燥しているため発芽しにくいです。種を収穫したら、できるだけ早くまきしましょう。
ニワゼキショウの育苗は、水やりのタイミングに注意します。鉢植えの場合は土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりします。地植え・庭植えの場合は、極端に土が乾燥しない限り降雨のみで問題ありません。ただし雨が降らない日が1週間以上続く場合は、土の状態を見ながら水やりをしてください。
ニワゼキショウの水やりは、地植えと鉢植えでやり方のポイントが違います。地植えの場合、植え付け後の水やりは基本的に不要です。鉢植えの場合の水やりは、土の乾燥状態で判断します。土の表面が乾燥したときが水やりのタイミングで、鉢の底から水が出るまでたっぷりと水やりしましょう。
ニワゼキショウは基本的に追肥を必要としないのですが、グランドカバーとして栽培する場合は与えましょう。肥料のタイミングは冬越し後です。冬越しのニワゼキショウは、地上部も成長が止まります。4月には開花し始めるため、春先の芽出し前が肥料のタイミングです。
ニワゼキショウはこまめに肥料を与えなくても、休眠期(冬)以外は落葉しません。そのため休眠期以外で葉が黄色に変色(または緑色が薄くなる)した場合は、肥料切れが考えられます。このような症状が出た場合は、薄めた液体肥料または少量の化成肥料を施しましょう。
ニワゼキショウは病気になりにくいので、特別な病気対策の必要はありません。害虫にも強いので害虫対策も基本的に必要ありませんが、生育環境によっては害虫が発生することがあります。害虫が大量発生するとニワゼキショウが枯れることもあるので、発見したらすぐに駆除しましょう。
ニワゼキショウの栽培では、アブラムシに注意しましょう。アブラムシはウイルス系の病気を媒介するうえ、繁殖力が旺盛で大量発生しやすいです。アブラムシは根元だけでなく葉の裏側にも寄生するので、水やりや剪定の際に細かくチェックをするとアブラムシの大量発生が防げます。
ニワゼキショウの植え替えは、春と秋が適期です。地植えの場合は、植え替えをしなくても特に問題はありません。ただし鉢植えの場合は1年に1回植え替えたほうが、宿根の状態がよくなります。植え替えのタイミングでの追肥は問題ありませんが、冬越し前に植え替える場合の追肥は必要ありません。
ニワゼキショウの増やし方は「種で増やす」と「株分け」の2種類あります。種は7月に収穫できるため、収穫した種を種まきする増やし方がおすすめです。株分けで増やす場合は、1株をあまり小さく分けないようにしてください。株が小さいと生育が悪くなります。