鹿沼土(かぬまつち)とは
鹿沼土の成分は?
火山が集まってできた粒の塊
鹿沼土の産地は、栃木県鹿沼市です。太古の昔赤城山の噴火によって飛ばされた火山砂礫が降り積もってできたという特徴があります。そして鹿沼土は関東ローム層の下から採れます。成分はそのほとんどが火山灰です。
関東ローム層とは、関東平野をおおっている火山灰層。普通赤土と呼ばれているが,ロームという呼称は,1881年に D.ブラウンスにより名づけられた。
具体的な主成分は?
鹿沼土の主成分はアルミ、ケイ酸マンガンです。その他カルシウム、鉄、マグネシウムを含んでいます。しかしこれらは鹿沼土に含まれるの微量成分のことを指します。したがって、植物のや作物の栽培で使うような大量な栄養の成分は鹿沼土には入っていません。
どこで手に入る?
園芸店や農業資材店、またはホームセンターで購入できます。小さい観葉植物などで必要な場合、1.5L程度の少量サイズは100均のお店でも購入できます。
鹿沼土の見た目は
細かい穴が空いている
色はクリーム色、黄色にも近い色です。形は粒状になっています。粒の一つ一つは軽石のように軽いですが、粒は固く崩れにくいです。さらに固い硬質鹿沼土というものもありますが、共通しているのは、細かい穴がたくさん空いているという土の構造です。
穴の大きさには違いがある
園芸店などで売っている袋に入った鹿沼土は、粒の大きさが大、中、小と大きさの違いのある粒がが混ぜて入っているものもありますし、粒の大きさの違いでで分かれて売られているものもあります。
鹿沼土が使われる場面
植木鉢やプランター栽培などの基本用土で
鹿沼土は植木鉢やプランターで、植物や作物を育てるためのベースとなる基本用土として使います。すぐに植え付けられるような培養土とは違い、無菌です。また栽培するために必要な栄養の成分はほとんど入っていません。
成分の違う土と混ぜ合わせて使う
鹿沼土の使い方は、鹿沼土を単独で使うというよりは、腐葉土や堆肥、肥料など違いのある栄養の成分をブレンドして使います。そうすることで、違いのある成分が入り栽培に適したバランスのよい土になるという効果が生まれます。
鹿沼土の性質① 酸性
鹿沼土の酸度(pH)
作物は土壌の酸度(pH)によって養分を吸収する作用に影響を受けますが、鹿沼土の酸度は酸性(pH4.0~5.0)です。したがって、酸性の用土を好む植物のベース用土に鹿沼土を使います。そうすることで、植物の根の栄養の吸収がもっともスムーズに行われるのです。
土の酸度(pH)を計ることはできる
土壌の酸度(pH)は酸度計で酸度(pH)を測定することができます。ちなみに、スギナ、ドクダミ、タンポポ、オオバコなどが育つところは土壌が酸性に傾いています。そのようなことから酸度を推測することも可能です。
鹿沼土の性質② 通気性・排水性
通気性がある
鹿沼土は軽石質で、土の粒には小さな穴がたくさん開いた多孔質なのが特徴です。そのため隙間がたくさんあり、土の中で空気をたくさん通す効果があります。そのため植物に十分な酸素を供給することができるのです。
排水性がある
鹿沼土は、大雨が降ってもプランターの中にジャブジャブ水がたまることはありません。水はけのよい性質を持ちます。そのためたくさんの水が入ってきても隙間があるので水を滞りなく流します。そうすることで、水を与えすぎたために根腐れする、ということを防ぐ効果もあるのです。
保水性もある
鹿沼土の土粒は、水が入ってきた時に土粒の間を水が通りその水分が抜けても、一つ一つの土粒内に水分を吸収しています。つまり、鹿沼土の土粒は水をよく含み水分を保っておけるというわけです。その効果により、しばらくの間、根に水分を与える続けることができるのです。
赤玉土とは
続いて赤玉土の紹介です。赤玉土も鹿沼土と同様に、園芸資材店やホームセンターで購入することができます。鹿沼土より少し重さのある土です。
赤玉土も火山灰土
鹿沼土と見た目も似ている赤玉土ですが、赤玉土も鹿沼土と同じように、関東ローム層の火山灰土の赤土からとれたものを粒状にしたものです。また鹿沼土と同じように、大粒、小粒と分けられて売っています。赤玉土にも、通気性や排水性そして保水性があるといった特徴があります。
赤玉土は保肥力がある
赤玉土には養分を流さず蓄えておける保肥力があります。すなわち肥料の成分をとどめておけるのです。たくさんの栄養分を必要とする野菜などの作物の栽培に向いた土です。固さは鹿沼土の方が固めです。赤玉土は少し崩れやすいという特徴があります。よって大粒の赤玉土を使うことで崩れるのを遅くする、という使い方もできます。
鹿沼土との違いは
通気性 | 排水性 | 保水性 | 保肥性 | |
鹿沼土 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
赤玉土 | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
上記通り、赤玉土には保肥力があります。赤玉土も通気性はあるのですが、鹿沼土は赤玉土よりもさらに軽く、崩れにくいという点などに違いがあります。
赤玉土の使い方
赤玉土も基本用土に使う
赤玉土の使い方も鹿沼土と同様に、植物を育てる土のベースとなる土として使います。特徴も、鹿沼土と同じく、水持ち、水はけがよい点です。栄養分もまた、鹿沼土と同じように入っていません。したがって赤玉土の使い方は、腐葉土や堆肥、肥料などの有機質用土と混ぜ合わせて利用します。
細粒を取り除いて使う
赤玉土は鹿沼土と比べると崩れやすい特徴があります。運搬の時に崩れてしまい赤玉土の袋の底に細粒があることも多いです。赤玉土や鹿沼土を使うときは、1ミリ目のふるいにかけて細粒を取り除いてから、ほかの用土と混ぜ合わせます。細粒を取り除くことで結果として、排水性のある水はけのよい土にすることができます。
大粒はコンテナの底面に使う
大粒の赤玉土は、植木鉢やプランター、コンテナの一番底に入れておきましょう。なぜなら大粒の赤玉土はすき間をたくさん持つので、結果として入ってきた水を速やかに流し、排水をよくするからです。また鹿沼土も同じように植木鉢やプランターの底面に敷いて水はけをよくするという使い方ができます。