ナンキンハゼは、黄色の花や美しい紅葉、真っ白な実を鑑賞できる中国が原産の落葉性高木です。植えっぱなしでも成長する丈夫な植物のため、学校や公園などに幅広く植えられています。
園芸部類 | 庭木 |
形態 | 落葉樹 |
樹高・草丈 | 1m〜15m |
花の色 | 黄色 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 成長スピードが早い、落葉性、街路樹、庭木 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ナンキンハゼは6月〜7月にかけて、黄色の花をたくさん咲かせるのが特徴です。花後に真っ白なかわいらしい実をつけ、秋が近づくと葉が美しく紅葉します。葉は、丸みを帯びたしずくのような形をしており、庭木や公園樹、街路樹などさまざまな場所で育てられている人気の植物です。
植え付け時期 | 4月〜5月、9月〜10月 |
植え替え時期 | 4月〜5月、9月〜10月 |
肥料の時期 | 2月〜3月、6月 |
剪定の時期 | 2月、6月〜7月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜7月 |
ナンキンハゼは成長スピードが速く、樹高も15mほどまで大きくなるため、基本的には地植えで育てるのがおすすめです。横にも大きく広がるので、地植えにする場合は十分なスペースを確保してから植え付けましょう。また、小さく剪定しながら育てれば、鉢植えでの栽培も可能です。
ナンキンハゼは、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。日当たりの悪い場所で育てると、花付きが悪くなったり、きれいに紅葉しなかったりする恐れがあります。また、葉が密に茂るので、風通しのよい環境で管理して、病害虫被害を予防しましょう。落葉性のため、室内での栽培は向いていません。
ナンキンハゼは、痩せた土地でも丈夫に育つので、とくに土質は選びません。市販の用土を使用する場合は「草花用培養土」や「草木用培養土」を使用してください。多湿が苦手なため、鉢植えで育てる場合は排水性の高い用土で育てましょう。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用します。
ナンキンハゼを地植えで育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分です。苗を植えたばかりの場合は、水切れを起こして枯れるのを防ぐため、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。鉢植えの場合は、水やりのあとに受け皿に残った水をすぐに捨てて、多湿の状態が続かないようにするのがポイントです。
ナンキンハゼは、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、成長が滞っている場合には、寒肥として2月〜3月にかけて、緩効性の化成肥料を株元に適量与えてください。また、開花が始まる6月に追肥をすると花付きがよくなります。
イラガは、7月〜8月にかけて発生しやすい害虫です。ナンキンハゼの茎や葉を食害しながら成長していきます。葉が穴だらけになり、光合成が妨げられるのが原因で枯れる恐れがあるので注意が必要です。全身にトゲがあり、触ったり刺されたりすると激痛が走るので、駆除は慎重に行いましょう。
テッポウムシは、ナンキンハゼの幹に穴をあけて、内側から食害していくカミキリムシの幼虫です。樹勢が衰えていたり、幹に大きな穴や傷があったりする場合は、テッポウムシの被害を受けている可能性があります。防虫ネットやテッポウムシ用の殺虫剤を使用して、テッポウムシの発生を予防しましょう。
ナンキンハゼは比較的丈夫な植物のため、注意すべき病気はとくにありません。
ポット苗の状態でナンキンハゼを購入する場合は、株元まで葉がついており、葉につやのある苗を選びましょう。落葉期の場合は、新芽がたくさんついている苗がおすすめです。葉の裏側までチェックして、病害虫被害を受けていない健康な苗を購入してください。
ナンキンハゼは根を傷つけると枯れる恐れがあり、植え替えを嫌います。しかし、鉢植えの場合は根詰まりを防ぐために1年〜2年に1回は植え替えが必要です。鉢から取り出す際には、根を傷つけないように手で優しく掘り起こし、根鉢を崩さないようにして、ひと回り大きな鉢に植え替えていきましょう。
植え替えは必要ですか?
地植えの場合は必要ありませんが、鉢植えの場合は植え替えが必要です。
剪定は2月か6月〜7月に行います。伸びすぎている枝や、葉が込み入っている部分を切り戻し剪定して、樹形を整えていきましょう。葉がついている時期に剪定をすると、新芽や花芽を切り落としてしまう場合があるため、落葉期に剪定するのがポイントです。
剪定は必要ですか?
剪定は必要です。2月か6月〜7月に、切り戻し剪定をして樹形を整えましょう。
ナンキンハゼは耐暑性が強いですが、耐寒性は普通程度です。温暖地ではそのままでも冬越しできますが、寒冷地の場合は、ビニールやバークチップなどを使用してマルチングをしてから冬越しさせましょう。
ナンキンハゼは、挿し木や種まきで増やしていきます。花後に実をつけるので、種を採取する場合は花がらを摘み取らず、立ち枯れるまでそのまま育ててください。実が乾燥してから軽く振って、中から種を採取します。挿し木は、剪定で切り落とした枝を使用しても構いません。10cmほどの長さに切って、赤玉土などの挿し木用の用土に挿して発根を待ちましょう。
出典:写真AC